渋滞時のハンズオフも可能に

このように、新しい220dグランクーペは目線が上下しないフラットライド、クリッピングポイントを正確に突き刺せるステアリング、そしてリニアなパワートレインが美点となる。そのおかげもあって、少しばかり硬めの乗り心地もカーマニアなら十分に許容範囲だろう。

さらに先進運転支援システム(いわゆるADAS)も今回から最新タイプとなり、先代にはなかった「ハンズオフ機能付きの渋滞運転支援機能」も用意される(220dではオプション)。今回の試乗中には東名高速の横浜青葉インターから首都高速の大橋ジャンクションまで、20km以上の大渋滞に巻き込まれるというラッキー(?)に恵まれたが、(途中の用賀料金所付近以外は)ほぼハンズオフ(にしてフット操作も完全オフ)で移動できた。まあ、近年では当たり前の機能ではあるが、このレベルの“半自動運転”が量産エントリーモデルに普通につく時代になったことに、あらためて驚く。

また、先日のM235 xDriveの試乗記(参照)でも触れたが、2シリーズ グランクーペはインフォテインメントシステムが最新の「OS9」となったことで、「Apple CarPlay」に加えて「Android Auto」も正式に使えるようになった。もちろん、本国では以前からどちらにも対応していたのだが、これまではワイヤレス接続用の電波が、日本の電波法に引っかかっていたのが理由とか。いずれにしても、日本では少数派のAndroidユーザー(筆者を含む)には朗報だ。

新しい2シリーズ グランクーペは、驚くような新機軸はないものの、先代までのネガの多くを確実に解消している。乗り味の面でも「FRでなければBMWとは認めない」といわれればそれまでだが、FF車としてはステアリングフィールは文句なし。これほどのデキなら、過剰に速くはないけど心地よいスポーツコンパクトセダン(これは厳密には4ドアハードトップだけど)として好ましく受け取る向きは、口うるさいカーマニアも含めて少なくないと思う。

(文=佐野弘宗/写真=向後一宏/編集=藤沢 勝/車両協力=BMWジャパン)

ハンズオフ機能付きの渋滞運転支援機能はオプションの「テクノロジーパッケージ」で装着できる。仮に選ばなくてもアダプティブクルーズコントロールやステアリング&レーンコントロールアシストなどは標準で備わっている。
ハンズオフ機能付きの渋滞運転支援機能はオプションの「テクノロジーパッケージ」で装着できる。仮に選ばなくてもアダプティブクルーズコントロールやステアリング&レーンコントロールアシストなどは標準で備わっている。拡大
運転にまつわるスイッチ類はセンターコンソールにコンパクトにまとめられている。
運転にまつわるスイッチ類はセンターコンソールにコンパクトにまとめられている。拡大
トランクルームの容量は360リッター。リアシートの下あたりにマイルドハイブリッド用のバッテリーを積むため、掃き出しの部分がハッチバック車のように高くなっている。
トランクルームの容量は360リッター。リアシートの下あたりにマイルドハイブリッド用のバッテリーを積むため、掃き出しの部分がハッチバック車のように高くなっている。拡大
その代わりフロアボードの下には大きな樹脂ボックスが備わっている。これはこれで使い勝手がよさそうだ。
その代わりフロアボードの下には大きな樹脂ボックスが備わっている。これはこれで使い勝手がよさそうだ。拡大
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