「VWグループナイト」にも経済危機の影【パリサロン2012】
2012.09.27 自動車ニュース【パリサロン2012】華やかな「VWグループナイト」にも欧州経済危機の影
2012年9月27日に開幕したパリモーターショーの前夜、「フォルクスワーゲングループナイト」がパリ市内で開催され、同グループの出展車の一部が報道関係者にひと足早くお披露目された。グループナイトは主要なモーターショーではもはや恒例となった、“ショーの前夜祭”ともいうべき華やかなイベントだが、今回に限っては会場のそこかしこにギリシャを震源とする欧州の経済危機を感じざるを得なかった。
■主役は新型「ゴルフ」
ユーロ安の追い風をたっぷりと受けているドイツ系自動車メーカーの中には順調なところが多い。フォルクスワーゲンも2012年1〜8月の累計販売台数は前年同期比10.2%増の591万台だった。
しかし9月に入ると一転し、フォルクスワーゲンが年間の目標販売台数を30万台引き下げたという報道が世界中を駆け巡った。今回のグループナイトでも、トリを務めたマルティン・ヴィンターコルンCEOの話題の中心は、欧州の経済危機に関するもの。開催国のフランスをはじめとする、ドイツよりも状況が厳しい周辺国への配慮もあるのだろうが、経済危機が欧州の自動車産業に暗い影を落としつつあるのは事実だ。
事実、今回のグループナイトは以前に比べるとかなり質素になった印象だった。華やかなダンスのパフォーマンスはあったものの、その規模と質は確実にトーンダウン。火などを用いた派手な演出もすっかり影を潜めていた。
それはともかく、一番驚いたのは壇上に車両用のターンテーブルがなかったことだ。これまでは舞台に必ず一つか二つは備わっていたものだが、今回は一切なし。こんな具合に、コストを抑える配慮をあちこちに見ることができた。
グループナイトの主役は、先日ベルリンで発表された新型「ゴルフ」だった。今回は標準モデルのほかに、「ブルーモーション1.6TDI」と呼ばれるモデルもお披露目された。
ブルーモーションとは、新しい1.6リッター直噴ターボディーゼルを搭載した低燃費モデルである。5段MTのギア比を高め、空気抵抗を低減する目的で全高を15mm低めることにより、燃費性能のさらなる向上が図られている。燃費は3.2リッター/100km(約31.3km/リッター)で、二酸化炭素排出量は85g/kmという優秀さである。
(文と写真=新井一樹)
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
関連キーワード:
フォルクスワーゲン,
パリモーターショー2012,
イベント, 自動車ニュース