第3回:お手ごろ価格で異国情緒を満喫! 
輸入車チョイ乗りリポート〜アンダー200万円編〜

2013.02.15 JAIA輸入車試乗会2013 関 顕也

第3回:お手頃価格で異国情緒を満喫! 輸入車チョイ乗りリポート〜アンダー200万円編〜

いまだに「……でも、お高いんでしょう?」なイメージがある輸入車だけど、実際にはお手頃価格で狙えるクルマだって決して少なくはない。お値段200万円以下で異国情緒を満喫できるクルマを探してみよう。

戦う姿が見てみたい
プロトン・サトリアネオ type D……149万1000円

ドアを開けるや、ギョッとした。
乗車を拒むような、18点式ロールケージ。首だけ突っ込んで車内を見まわすと……あ、リアシートがない!

「サトリアネオ」は、マレーシアの自動車メーカー・プロトンの3ドアハッチバックだ。「モータースポーツが低調ないま、手の届きやすいベース車両として日本のユーザーに使ってほしくて」、2012年に群馬のパーツメーカー・キャロッセが輸入・販売を始めた。
装備の異なる4グレードがあるなかで、最もスパルタンなこの「type D」は、だから“大本命”と言える。FIAの規定をクリアしていて、例えば、世界ラリー選手権(WRC)に出場することもできるのだ。

すっかりその気になってバーをまたぎ、興奮とともに発進する。が、そこはあくまでベース車両。1.6リッターエンジン(113ps、15.1kgm)は手付かずなので、ブゥーンと平和に車速を上げる。「意外に乗り心地がいい」と思ったら、足まわりもそのままだった。どのみち競技で替えられるから。

「レースはしないけれど、安くていいなぁ」。そんな向きには、159万6000円でノーマル車もあり。ただし、5段MTのみ。チューニングパーツは超豊富。結局、サーキットに行き着くような……。

(文=webCG 関/写真=峰昌宏)

一流シェフのまかない料理
フォルクスワーゲンhigh up!……183万円

スッキリとしたデザインに感心したあと車内に乗り込み、たった1メートル走っただけで「こりゃ、いいね!」と分かる。「up!」はそんなクルマである。

足腰のしっかり感や高速での安定感など、多くの国産車とはまったくの別物。1トンを切る軽量ボディーなのに、「軽さ」を感じさせる部分がないのだ。「ぴょこぴょこ」とか「ぶるぶる」とか、無駄な動きがまったくない。これって、材料が違うのか、技術が違うのか、もしかして気のせいか?

トランスミッションがちょっと不器用とか、後席の窓がちょっとしか……とか、パワーウィンドウがちょっと……とか、ツッコミたくなる気持ちも分かる。だけど、あれもこれもと欲張って、味がぼやけてしまうことってありますよねぇ。

(文=webCG こんどー/写真=田村弥)

前向きな小型化
プジョー208アリュール……199万円

モデルチェンジで、小さく、軽く、生まれ変わった「208」は、世のフランス車好きが待ちに待った一台。中でもこの「アリュール」は、3ドアハッチのボディーに新開発の1.2リッター3気筒エンジンを積み、5段MTが組み合わされる、何とも通好みなモデルだ。

キュートな見た目だけでなく、運転環境も個性的だ。ステアリングホイールは小さな楕円(だえん)で、メーター類をリムの上部から見るようにレイアウトされている。実際に操作しても、スポーティーな感覚はあるのに違和感がないのはうれしい。

クラッチペダルもMTも、ステアリングも、それぞれのタッチは“軽ぅ〜い”けど、クルマの動きには落ち着きがある。「ひらひら」じゃなくて「しっとり」。軽さの中に、芯がある。

ボディーにエンジン、ステアリング。小さいことはいいことだ。

(文=webCG こんどー/写真=峰昌宏)

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