マツダ・ロードスターRS-II(6MT)【ブリーフテスト】
マツダ・ロードスターRS-II(6MT) 2000.11.24 試乗記 ……248.5万円 総合評価……★★★★有効なジャブ
ロードスターの本命は1600ccのフツーの仕様である、という考えは、最新最強のこれに乗った今も変わっていない。もっといえば、ロードスターの魅力に関してモデルの世代は、つまり古いか新しいかは特に重大な問題ではないとも思う。
ロードスターは自動車史のこの10年か20年における輝ける名車であり、その最大の勝因は素晴らしい基本ディメンションにある。そして、それは登場後現在まで基本的に変わっていない。だからこそ新しかろうが古かろうが大した問題ではないのだし、また細かい仕様の違いなどどうでもいいくらいの魅力を保ちつづけていられるのである。
今回のメダマであるボディ剛性、およびエンジン性能の強化はたしかに効果歴然。仕様によっては文句なし★★★★★のクルマだからいまさらそれによって評価激変ということはないが、開発陣のマジメさを再確認させるうえでは有効なジャブだったといえるだろう。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1998年1月8日に、8年ぶりのモデルチェンジを果たした2代目ロードスター。衝突安全性向上のためボディ構造を変更、それに伴う重量増を抑えるため、ヘッドライトがリトラクタブルから固定式になった。4輪ダブルウィッシュボーンのシャシーを継承。セッティングを煮詰めた。エンジンは、1.6と1.8リッターの2種類。4ATのほか、前者には5MT、後者には6MTが組み合わされる。
(グレード概要)
2000年7月18日のマイナーチェンジで、1.8リッターユニットには可変バルブタイミング機構が搭載された。最高出力は、ピークパワー発生回転数を500rpm引き上げ、従来比15psアップの160ps/7000rpm、最大トルクは、0.7kgm太い17.3kgmを、やはり500rpm高い5500rpmで発生する。なかでもRS-IIは、もっともスポーティなモデル。ボディ各部が補強され、ねじり剛性約22%、曲げ剛性約16%のアップを果たしたという。タイヤサイズも、205/45R16と、ノーマルの14インチより2サイズ大きい。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
計器の盤面をはじめとして付加価値の演出に走った部分が★1個マイナスの理由。それ以外は、各種操作のやりやすさといい全体のカタチといいほぼ文句のつけようなし。ジッと見てイヤなところはないし、また運転に集中しているときは意識からスーッと消えてくれる。今回のマイナーチェンジでセンターコンソール(乗員の脇あたり)のカップホルダー環境もさらなる改善をみた。ポルシェ924 もろパクリの灰皿(初代)が懐かしくもあるが。ちなみにその灰皿、初代RX-7やボンゴ・フレンディにも使われていた。
(前席)……★★★★
シート単体としてはさらに★ひとつ追加しても、つまり満点にしてもいい。前のもよかったが、今度のはそれに輪をかけてイイ。座った感じ、特に座面あたりはマイナー前のものより確実にひとまわり大きく感じられる。ギリギリまで限られたスペースのなかでまだあれだけやれる余地があったのかという感動すら覚える。決して大売れしているとはいいがたい車種の、しかもマイナーチェンジでこれだけシートがよくなることはマレだ。それに、私の経験則からするとシートのいいクルマにダメなクルマはない。
★ひとつマイナスの理由は、高く伸びた背もたれがルックスのバランスをいささか狂わせているから。特に、赤のシートだと牛タンが二本突っ立っているように見える。
(荷室)……★★★★
2代目になった際、スペアタイヤを床の低い位置にもぐり込ませた(クラッシャビリティとのかねあいで設計は大変だったらしい)。で、ジャマものが消えて実質の容積が劇的に拡大。モノさえ選べば、海外旅行に持っていくようなハードケースでもなんとか収めることができる。たとえばこれひとつとっても、MR-Sは逆立ちしたってマネできまい。どうだ。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
1800ccはついに可変バルタイを導入。開発主査は重量増を理由にこの種のデバイスを嫌っていたはずだが、まわりと較べて見劣りしないスペックを実現するためのやむなき措置か。指定燃料も初めてプレミアムに。で、結果は良好。全域で重厚なトルクを味わえる。が、こういうのがないとロードスターはダメかというと全然そうではない。従来5段と較べて明らかに感触のヘンだった6段MTは、気のせいか改善されている。ただしシフトは忙しい。つまりギア比はかなりクロース。決してそれがイヤではないけれど。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
タイヤは従来のRS系が履いていたミシュランSX-GT(195/50R15)からブリヂストン Turanza ER30(205/45R16) へ。インチアップによるネガは、乗った感じ特になし。ヨーロッパ向け標準タイヤということもあり、日本製スポーツ志向タイヤ特有のピキピキしたイヤ味もなし。RS系についてはマイチェン前からそうだったが、ロール時の姿勢変化は1600より自然。妙に前下りの、まるでFF車のようなロール軸……という感じはない。ただ、いわゆる軽快感(必ずしもヒラヒラ軽薄な動きを意味するわけではない)はさらに減退。ふたまわりほど小さいポルシェ968 か。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:森慶太
テスト日:2000年9月22日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:5509km
タイヤ:(前)205/45R16 83W/(後)同じ(いずれもブリヂストン Turanza ER30)
オプション装備:ABS&EBD(4.8万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

森 慶太
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