三菱がバッテリーの損傷に関する調査経過を報告
2013.04.10 自動車ニュース三菱、駆動用バッテリーの不具合に関する調査経過を報告
三菱自動車は2013年4月10日、3月下旬に発生した「アウトランダーPHEV」の駆動用バッテリーの不具合について、調査の途中経過を発表。異物の混入を検出する検査工程に原因の可能性があると述べた。
今回の不具合は、電池セルの異常発熱によりバッテリーパックの一部が溶ける(溶損)というもので、2013年3月21日に神奈川県の登録納車前の車両で発生。その後、溶損にはいたらなかったものの、電池セルのショート(短絡)による不具合が2件、車両搭載前の検査で電気自動車用の16kWh仕様のバッテリーパックが発煙・発火するトラブルが1件発生していた。
これを受け、三菱は同年3月27日に緊急記者会見を実施。「アウトランダーPHEV」や「i-MiEV」「ミニキャブMiEV」(16kWh仕様のバッテリー搭載車のみ)の生産を一時中止するとともに、リチウムイオンバッテリーのサプライヤーであるリチウムエナジージャパン、GSユアサと3社共同で調査にあたっていた。
その結果、昨年12月に追加された「スクリーニング」と呼ばれる検査工程において、想定以上の衝撃がバッテリーセルに加えられた場合、不具合が発生する可能性があることが判明した。
この検査はバッテリー内への異物の混入を検出するためのもので、電池セルにさまざまな角度から振動を加え、電圧の低下したセルを除外するというもの。ここで、作業員が検査機器にセルを設置する際に過度な衝撃を加えると、正極の部品に、不具合が生じたバッテリーセルで見られたような変形が生じるケースがあることが確認された。
ただ、現時点ではこの部品の変形までは確認できたものの、電池セルの短絡やバッテリーパックの溶損までは確認できておらず、三菱では前述の検査工程に他の複合的な要因が重なった可能性があると説明。引き続き調査を続け、4月中には原因を究明したいとしている。
(webCG 堀田)