世界中で活躍する日産車をイッキ乗り

さて、オザワ的に乗れて感動したのは、まず2011年に中国で本格始動した初自主ブランドの「ヴェヌーシア」。中国じゃ国際免許が使えないから外国人が乗れるのはここぐらいしかない。乗ったのはセダンの「D50」とハッチバックの「R50」。基本は「日産ティーダ」や中国版「サニー」とプラットフォームを共用するFF車で、実は月1万台は売れているヒット作なのだ。で、乗ってビックリしたのは運転が楽しい! ってこと。遮音や質感は価格に合わせてそれなりに落としてあるんだけど、動力性能、特にアクセルを踏んだ時のスロットルレスポンスやステアリングレスポンスはほかより上。でも、きっと中国人って今も全購入者の5割以上が「初めてクルマを買う人」だから、そっちのテイストが優先なのよ。いかに「このクルマ速い!」「このクルマ楽しい!」って思わせるかが重要であって、プライオリティーが違う。

プライオリティーが違うっていったら、いち早くコース内で乗れた「インフィニティQ50」もよかった。来年おそらく日本でも「スカイライン」の名前で販売されるFRスポーツセダンで、最大のポイントは世界初の電動フライバイワイヤ式ステアリングを導入すること。つまり、ステアリングホイールとタイヤの間にメカ的つながりがなく、遠隔操作で動かしているのだ。漠然と「ステアリングフィール甘いのかな?」と思っていたら逆も真逆でメチャクチャ濃い!! FR車はただでさえステアリングフィールが出やすいレイアウトであるとはいえ、ほかのFRと比べてもずっしりしていて、「切れ」もある。
だからすごく象徴的なんだよね。ダメと言われそうなテイストが逆に豊かになっていて、恐らくだからこそフライバイワイヤにしたわけで、詳しくは今後日本で乗れた時にまたお伝えしたいけど、とにかくビックリよ。

あとは「日産ジュークR」。ほかの方もさんざん書いていると思うけど、面白デザインのコンパクトSUV「ジューク」に「R35GT-R」の心臓と4WDシステムを無理やりぶっ込んだもので、問答無用に楽しい!
GT-Rって、ボディーだけでなく、パワーであり、エンジンフィールであり、音であり、振動が楽しいんだなってことが、そのエンジンを別のボディーで味わえたことであらためて実感できたけど、なによりうれしかったのは、今の日産にこういう「アホなクルマを企画する人がいる」ってこと。なにかとエンジンを共用したり、ボディーを共用したり、コスト優先でクルマの味や個性を薄くする方向に向かっているような日産だけど、そうじゃない人もいるってこと。知られざるクルマ好きは眠っているのだ。

「ヴェヌーシア」は日産の現地合弁会社である東風日産の自主ブランド。「D50」はそんなヴェヌーシア初の量産モデルで、2011年11月の広州モーターショーで発表された。
「ヴェヌーシア」は日産の現地合弁会社である東風日産の自主ブランド。「D50」はそんなヴェヌーシア初の量産モデルで、2011年11月の広州モーターショーで発表された。
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日本でも間もなく新型「日産スカイライン」として発売される予定の「インフィニティQ50」。
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第10回:柔軟? それとも棄国!?NISSAN 360で分かったインフィニティ香港ブランド化の衝撃!の画像 拡大
コンパクトSUVの「日産ジューク」に、「日産GT-R」の3.8リッターV6ツインターボエンジンを搭載した「日産ジュークR」。
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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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