トヨタ、新型ハイブリッド車「アクア」を発売
2011.12.26 自動車ニューストヨタ、小型量産ハイブリッド車「アクア」を発売
トヨタ自動車は2011年12月26日、小型ハイブリッド車「アクア」を発表、同日発売した。
■35.4km/リッターを達成
「アクア」は、「2020年のコンパクトカー」を車両コンセプトに掲げる、プリウスより小さなコンパクトクラスのハイブリッド専用モデル。「スタイリッシュなのに、驚きの室内空間」「世界一の低燃費と爽快な走り」「使いやすく楽しいハイブリッド」「お求めやすい価格」などの特徴がうたわれる。
ボディーサイズはプリウスより小さな全長×全幅×全高=3995×1695×1445mm。5ナンバーサイズのコンパクトなボディーに抑えて取り回しの良さを維持しながら、大人5人が快適に過ごせる広い室内空間を実現したという。
前席には、従来のコンパクトカーと比べてひとクラス大きなサイズのシートを採用。奥行きを490mmと長くとり、シートバックも635mmと高くすることで(「G」「S」グレードの場合)、優れた座り心地としっかりとしたサポート感を実現したという。
一方、後席については前後席間の距離を拡大するとともに、前席のシートバックを薄型化するなどして、ひざまわりに余裕を持たせている。
また走行用ニッケル水素バッテリーを小型化し、さらにリアシート下に搭載することで、ハイブリッド車でありながらクラストップレベルの305リッターの荷室容量を確保した(「フィットハイブリッド」は301リッター、「デミオ13-SKYACTIV」は250リッター)。
パワーユニットは、1.5リッターのアトキンソンサイクルエンジンと高出力モーターを組み合わせた、新しい小型軽量ハイブリッドシステムとなる。エンジンは74ps/4800rpmおよび11.3kgm/3600-4400rpm、モーターは61psおよび17.2kgmをそれぞれ発生し、システムとしては100psを生み出す。コンパクトクラスにおけるトップレベルの動力性能を確保しながら、JC08モードで35.4km/リッター(10・15モードで40.0km/リッター)という低燃費を達成した。
具体的には、ハイブリッドシステムは「プリウスEX」用をそのまま移植してきたものではなく、アクアのコンパクトなボディーに合わせて小型化、高効率化されたものだ。1.5リッターエンジンは、プリウスEX用の1NZ-FXE型をベースとしながら、約70%が新設計されており、今回新たにクールドEGR(排出ガス再循環)システムや電動ウオーターポンプなどが採用された。
また、インバーターやコンバーターなどで構成されるパワーコントロールユニット(PCU)については、筐体(きょうたい)を体積で12%小型化するとともに、1.1kgの軽量化も実施されている。駆動用のニッケル水素バッテリーについては、セル数を削減(168セル→120セル)してサイズを約29%小型化している。さらに、ボディー各所に高張力鋼板を採用して車両の重量軽減を図った。車重は1050kg(「L」グレード。他グレードは1080kg)と発表されている。
■価格は169万円から
運転する楽しさも、アクアの特長とされる。軽量化に加え、車両の重心を低く下げ、エンジン、ハイブリッドユニット、バッテリー類を車両の中央寄りに配置することで、優れた操縦性や走行安定性を実現した。サスペンションは、爽快な走りとしなやかな乗り心地を高い次元で両立したチューニングを施したという。
タイヤサイズが16インチ(標準車は15および14インチ)となる「ツーリングパッケージ」については、さらにスポーティーなハンドリングが楽しめるように専用のチューニングが施されるほか、ステアリングギアのレシオがよりクイックに設定される。
室内では、インストゥルメントパネルを天地方向に薄く、ワイドなデザインとし、開放的で広がり感のある空間を演出している。同時に直線や円弧を組み合わせたモダンなラインや面でデザインを統一し、明るい色と暗い色の大胆な配色で室内全体を際立たせることで、生き生きとした先進性を表現したという。センターメーターの中央部に、エコドライブの状態を一目で確認できる「ハイブリッドシステムインジケーター」を配置したほか、楽しみながらエコドライブできる「TFTマルチインフォメーションディスプレイ」をパッケージオプションで選択することもできる。
用意されるボディーカラーは10色。その中には、トヨタ車として初採用の2色、「ライムホワイトパールクリスタルシャイン」(フレッシュグリーンのアクセントが入るパールホワイト色)と「シトラスオレンジマイカメタリック」(深みのある鮮やかなオレンジ)が含まれる。
価格は次のとおり。
・アクアG……185万円
・アクアS……179万円
・アクアL……169万円
日本発売後、世界各国でも「プリウスC」の車名で順次発売される予定。生産は関東自動車工業の岩手工場で行われる。
(webCG 竹下)