フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアント(4WD/6AT)
冷静さと興奮と 2015.06.11 試乗記 「ゴルフ」シリーズの高性能モデル「R」が、ワゴンボディーの「ヴァリアント」にも追加された。「最強のグランドツアラー」をうたうハイパフォーマンスワゴンの実力を箱根で確かめる。手抜きなしの仕上がり
フォルクスワーゲンで最もハイパフォーマンスなグレードである「R」ライン。現行世代の2番バッターとして、ゴルフR ヴァリアントが登場した(Rライン累計としては7台目のモデルである)。
その名前からもわかる通り、これはゴルフのワゴン、ヴァリアントを、Rラインのセオリーで仕立てたモデルだ。
ハイパーヴァリアントといえば先代「パサート」の「R36」を思い出す。しかしR36は、これも読んで字のごとしだが、その心臓に3.6リッターのV6エンジン(自然吸気)を搭載していた。それに対してこちらは、ゴルフR譲りの2リッター直列4気筒直噴ターボを、何のひねりもなくそのまんま載っけている。いや、ワゴンだからといって何ひとつデチューンしてないことに、このクルマの価値がある。
というのもR36は、当時ゴルフ最強のモデルであった「R32」のV6エンジンを3.6リッターにまで拡大し、299psの最高出力を誇ったモデルだったが、そのエンジンの出力特性は、ちょっと眠たかったからだ。ボアアップではなくストロークアップで排気量を上げたことと、ECUのマッピングがそうさせたのだろう、刺激的というよりはプレミアムな余裕として、そのパワーとトルクが使われていた。あるいは年々厳しくなる排ガス規制がそうさせたのかもしれない。
しかしこのゴルフR ヴァリアントは、手抜きなしだ。いやいや、「ちょっとやり過ぎじゃないのぉ!?」と思えるほどの仕上がりとなっている。