ジープ・レネゲード リミテッド(FF/6AT)/レネゲード オープニングエディション(FF/6AT)
今までとは一味違う 2015.09.04 試乗記 ジープにとって初のコンパクトSUV「レネゲード」がいよいよ日本に導入された。まずは1.4リッターターボエンジンが搭載されるFFモデルに試乗。その実力をリポートする。ヨーロッパの血を色濃く感じさせる
ボディーのスリーサイズは4255x1805x1695mm(FF車の数値)。まだまだ本当の意味でコンパクトと呼ぶには大きいと思うが、とにかく近年のジープが作った一番小さなモデルであることは間違いない。それにテイストも今までのジープとはだいぶ違う。そもそも、このジープ、相当にヨーロッパの血が入ったクルマだから、そう感じて当然だろう。
まずはクルマの根幹をなすプラットフォーム。「SCCS」と名付けられたものが使われているのだが、こいつはまだFCAとなる以前のフィアットが、ゼネラルモーターズと組んでいた時代に共同開発したもの。つまりジープは開発に関与していない。次にそのエンジン、「トレイルホーク」に搭載される「タイガーシャークユニット」こそクライスラー製だが、「オープニング エディション」と「リミテッド」に搭載される1.4リッター直4ターボはフィアット製だ。そして最後は生産地。ジープといえば産地はオハイオ州トレド。それが今回はイタリアのメルフィというところで造られる。つまりmade in USAではない。これこそ、ジープがグローバルブランドになった証しともいえる。
そんなわけで、レネゲードは乗った瞬間から何やらこれまでのジープとは違う異質なテイストで満たされる。例えばベンチレーターやシフトレバーの周囲にはプラスチックの加飾を施しているのだが、その色使いが実に新鮮。そういえば「トヨタ・シエンタ」も大胆な色使いだったが、これはトレンドなのか?
また、スロットルをグイッと開けると小気味よい加速感がある。オープニング エディションやリミテッドに採用されるパワートレインは、先述の1.4リッターマルチエアターボと乾式クラッチを持つ6段DCT(デュアルクラッチ式AT)の組み合わせ。チューニングこそ違うが、「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ」と同じものである。というわけで、この小気味よさはあのアルファ・ロメオ譲りと言っても過言ではない。やはり、これまでのジープらしくない。
さすがにSUVなので最低地上高は高く、したがって重心高も高く、アルファ・ロメオのような運動性能を披露するわけではない。ちなみに、トレイルホークを除く他の2モデル、つまりオープニング エディションとリミテッドの駆動方式はFFだ。背が高く、ロールは大きいものの、オンロードではスイスイと流れをリードできて快適だった。
というわけで、レネゲードの走りはおよそ従来のジープとは異なるヨーロッパ車的な味付けに満ちている。唯一、ジープ的と感じたのはステアリングフィールで、これは中立付近を少しダルにしたオフロード車特有のものだった。残念ながら、1.4リッターマルチエアターボはレギュラーではなくプレミアム(ハイオク)ガソリンを要求する点もヨーロッパ生まれの印象が強いが、それと引き換えに、ジープの新しい一面を見せてくれる気がした。
(文=中村孝仁/写真=荒川正幸)
【スペック】
レネゲード リミテッド
全長×全幅×全高=4255×1805×1695mm/ホイールベース=2570mm/車重=1430kg/駆動方式=FF/エンジン=1.4リッター 直4 SOHC 16バルブ ターボ(140ps/5000rpm、23.5kgm/1750rpm)/トランスミッション=6AT/燃費=14.6km/リッター(JC08モード)/価格=313万2000円
レネゲード オープニング エディション
全長×全幅×全高=4255×1805×1695mm/ホイールベース=2570mm/車重=1400kg/駆動方式=FF/エンジン=1.4リッター 直4 SOHC 16バルブ ターボ(140ps/5000rpm、23.5kgm/1750rpm)/トランスミッション=6AT/燃費=15.5km/リッター(JC08モード)/価格=297万円
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中村 孝仁
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