ハイレゾの実力を引き出す調整機能

このハイクオリティーな音源を車内で快適に楽しめるようにサウンド調整機能も充実している。ひとつがリスニング設定。これは、家庭のオーディオのように、左右スピーカーから等距離のベストポジションで音楽を聴いて、快適なステレオ音場を楽しむことができないクルマならではの機能。リスナーに近いスピーカーから音を発するタイミングを遅らせることで左右スピーカーから出た音が同時にリスナーに届くように調整し、ドライバーの位置で最適なステレオ音場を再現できるというものだ。また、時間補正をしないで、どのシートで音楽を聴いても左右センターにあるべき音像イメージが、リスナーの正面に浮かび上がるように設定できるフロントフォーカス調整も可能だ。

イコライザーは13バンドの調整が可能。音楽ジャンルに合わせて選択できる6つのプリセットモードがあるほか、ユーザーが独自に調整したイコライザーをプリセット可能。クルマによって車内音響は異なるため、個々のクルマに応じて音響特性を整えるのは、よい音で音楽を楽しむには重要。それをイコライザーで行うわけだ。さらにノーマルEQとナチュラルEQという2種類のイコライザーカーブを選択可能。ナチュラルEQは周波数帯域の継ぎ目をなだらかに補正して再生する。

ほかにも低音楽器のみを持ち上げるといったきめ細かい低音補正を行う「ミュージックバスブースト」や、小音量でも自然で聴きやすい音にする「ミュージックラウドネス」、MP3などの圧縮音源を自然な音に近づける「リアライザー」、音像を高い位置に持ち上げることができる「サウンドライザー」といった機能も搭載するなど、サウンド調整機能が充実。Wi-FiによりスマホなどのDMS機器とワイヤレス接続して音楽再生できるなど、ハイレゾ音源やCDのほかにも、楽しめる音楽&動画コンテンツが豊富だ。という具合に、ケンウッド彩速ナビ、Z702には、ハイレゾ、DMSなど、音楽好きには引っかかるキーワードが満載なのだ。

(文=石田 功)

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DTA(デジタル・タイム・アライメント)はリスナーに近いスピーカーが発する音にディレイをかけ、左右スピーカーの音が同時にリスナーに届くよう調整するもの。
DTA(デジタル・タイム・アライメント)はリスナーに近いスピーカーが発する音にディレイをかけ、左右スピーカーの音が同時にリスナーに届くよう調整するもの。 拡大
DTA使用時のイメージ。これによりドライバーは快適なステレオ音場で音楽が楽しめる。
 
DTA使用時のイメージ。これによりドライバーは快適なステレオ音場で音楽が楽しめる。
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フロントフォーカス調整はDTAを使わず、どの位置でも仮想音像がリスナーの正面に浮かぶ。
フロントフォーカス調整はDTAを使わず、どの位置でも仮想音像がリスナーの正面に浮かぶ。 拡大

ハイレゾ音源は音楽配信サイト「VICTOR STUDIO HD-Music.」でダウンロードできる。


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