東京オートサロン2016会場リポート【東京オートサロン2016】
2016.01.16 自動車ニュース![]() |
【東京オートサロン2016】東京オートサロン2016会場リポート
カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン」が2016年1月16日、今年も幕張メッセ(千葉県千葉市)で開幕した。今年はどんなクルマが見られたのか? 自動車メーカー系ブースの様子をリポートする。
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■過去最高をまた更新
今回で34回目を迎えた「東京オートサロン2016」。ここ数年、開催規模は毎回過去最大を更新しているが、主催者発表によれば今回の出展台数は880台(前回879台)、展示ブース総数は4265小間(前回4163小間)、出展社数は447社(過去最高は前々回の428社)で、出展台数こそ前回比プラス1台と微妙ではあったものの、今回もまた「史上最大のオートサロン」であることは間違いない。
今や大新聞のweb版に大々的に紹介されるほどのメジャーなイベントとなった東京オートサロン。その発展をプッシュしたのが、いまさらいうまでもないが、自動車メーカー/インポーターの出展である。
日本車メーカーの出展は前2回と同じく、トヨタ(レクサス)、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル、ダイハツ、スズキ、日野の全9社。輸入車メーカー/インポーターは、すでにおなじみとなったルノー・ジャポン、今回で3回目となるメルセデス・ベンツ日本、前回から出展を始めたBMWジャパン、アウディ ジャパンとロータスに加えて、フォルクスワーゲン グループ ジャパンが初出展。昨年、KEN OKUYAMA DESIGNとのコラボレーションで初出展したアルファ・ロメオが今回は参加しなかったので、プラスマイナス・ゼロの全6社となった。
■各社とも走りのイメージを前面に
メーカー別に見ると、例によってブース面積、出展台数ともに他を圧倒しているのがトヨタ。本家(TOYOTA GAZOO Racing)は東ホール8、いわば分家であるレクサス、そしてグループ内のチューニング/カスタマイズブランドであるトヨタモデリスタやTRDは北ホール9にブースが分かれていたが、1カ所にすべてを集結させないのが、ここ数年のトヨタの手法である。巨大帝国の印象を与えないためなのか、単に会場の都合によるものなのかは不明だが、本家だけでも展示台数は20台近かった。
その本家の展示は、TOYOTA GAZOO Racingがドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦を開始した2007年から昨2015年までの参戦車両をズラリと並べ、モータースポーツへのチャレンジがテーマ。「S-FRレーシングコンセプト」をはじめ世界初や国内初披露のモデルも多く盛りだくさんだった。いっぽうレクサスはブースのデザインこそ例年同様キレイにまとめられていたものの、3台の出展車両は新味に乏しかった。
出展台数でトヨタに次ぐのはホンダ。パーキングやガレージを模したブース内に、マクラーレン・ホンダのF1マシンをはじめとするホンダレーシングのマシン、傘下のチューニング/カスタマイズブランドであるモデューロと無限が手を入れた車両、そして二輪車も展示するという、ここ数年と同じスタイルである。昨秋の東京モーターショーに出展され、目下開催中のデトロイトショーで北米での価格が発表された新型「NSX」の姿はなかった(SUPER GT参戦の「NSXコンセプトGT」はあり)。
日産はいつもと同じ、白と赤を基調とした明るくクリーンな雰囲気のブース。目新しいのはフランスのファッションブランドであるロリータ レンピカとコラボした「マーチ」「ノート」「ジューク」のコンセプトモデルで、あとはニスモとオーテックのカスタマイズバージョンが並べられていた。2014年と15年とSUPER GTのGT500クラスを連覇した「モチュール・オーテックGT-R」は飾られていたものの、ブース全体にモータースポーツの雰囲気が乏しいことが、いささか気になった。
日産とは対照的に、これまた例年どおり暗めのブースに、スポーツ/コンペティションムードを充満させていたのがマツダとスバル。マツダは昨秋のモーターショーで話題を呼んだ「RX-VISON」、ゲームからリアルな世界に飛び出した「LM55 ビジョン グランツーリスモ」というコンセプトカーと、新型「ロードスター」のチューニング&レーシング仕様を中心とする内容。スバルはつや消しのWRブルー(?)に塗られた国内初公開の「STIパフォーマンスコンセプト」や「レヴォーグSTIコンセプト」、そしてニュルブルクリンク24時間耐久に出走予定の「WRX STI」をはじめとする今季用のコンペティションマシンをそろえて走りをアピールしていた。
前回、お披露目となった「コペン セロ」をはじめコペンを14台も並べたダイハツ。今回も「セロ クーペ」「ローブ シューティングブレーク」「アドベンチャー」という3台のコペンのコンセプトモデルを初出展、「キャスト」もコンセプトモデルを含めて5台並べるなど、今回も力が入っていた。ライバルのスズキは15年ぶりに復活した「アルト ワークス」をMoto GPマシンのカラーに塗ったワークスGPをメインに、「イグニス」のコンセプトモデルなどを展示していた。
■フォルクスワーゲンが初出展
輸入車メーカー/インポーターでは、初参加となった前々回からいきなり大きなブースを構えたメルセデス・ベンツ日本が、今回も勢いを継続。AMGやスマートを含め13台という出展台数もさることながら、立派なブースの作りも日本車メーカーと同等以上。そのブースを眺めていて、かつて自身のスローガンだった「最善か無か」のごとく、この先状況が変わったとしても、出展規模をチビチビと縮小したりせず、やめるときはスパッとやめるのではないか、などと思った次第である。
出展台数でいくと、メルセデスに続いたのは前回の3台から5台に増えたBMWジャパン。ただしグループ内のMINIは、メーカーとしてはまだオートサロンデビューを果たしていない。初出展ながら、フォルクスワーゲン グループ ジャパンも同じく5台を展示。例の事件でブランドイメージが低下してしまったが、これまでの高性能ではあるが優等生的な印象から、積極的な走りのクルマでもあることをアピールしていこうという意思が感じられた。
そのほかルノー・ジャポンは前回の3台から4台、アウディ ジャパンとロータスは2台から3台へと、それぞれ1台ずつ増えていた。日本では独自のマーケット戦略を持つルノーと、もともと小規模メーカーであるロータスは身の丈にふさわしいブースという印象だが、アウディに関しては初出展の前回と同様に、今回も様子見という雰囲気だった。はたしてアウディがオートサロンに本気で出展する日は来るのだろうか。
(文と写真=沼田 亨)
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