アウディが電力を生むサスペンション「eROT」を開発
2016.08.18
自動車ニュース
独アウディは2016年8月10日(ドイツ現地時間)、自動車のサスペンションを構成する新たなメカニズム「eROT」の開発に取り組んでいることを明らかにした。
今回発表されたeROTは、自動車の足まわりにおける油圧式ダンパーに代わるもの。レバーアームやギアユニット、オルタネーターからなる「エレクトロメカニカルロータリーダンパー」と48ボルトの電源システムを組み合わせることで、路面からの入力に対応する。
このeROTは、ソフトウエアを使って任意のダンパー特性が得られるのがメリット。例えば、伸び側の減衰力は硬めとしつつ、乗り心地への影響が大きい縮み側のストロークはよりソフトに設定するなど、伸び側/縮み側のストロークを独立して設定できるようになる。
レイアウトの自由度の高さも利点のひとつで、リアサスペンションにeROTを採用した場合、システムのコンポーネンツを水平方向に配置できるため、伸縮式ショックアブソーバーを垂直に配置する従来方式よりも広い荷室容量が確保できる。
加えてeROTは、サスペンションが上下動する際に生じる慣性エネルギーを、電力に変換する機能を持つ。ドイツで行われた公道テストでは、舗装状態の良い高速道路で3W、路面の荒れた一般道では613W、平均100~150Wの電力を回生したとのことで、CO2排出量では1km走行あたり最大3g削減される計算になるという。
アウディによれば、eROTシステムについては現在、非常に有望なテスト結果が得られており、将来の量産車に採用される可能性が高まっているとのこと。
また、2017年に市場導入が予定されているアウディの次世代モデルには、eROTと同じ48ボルトの電源システムが搭載される予定で、これにより高性能なマイルドハイブリッドドライブシステムが実現した際には、100km走行あたり最大0.7リッターの燃焼消費が削減できるという。
(webCG)
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