アウディRS 3スポーツバック(4WD/7AT)

魔性のホットハッチ 2025.11.18 試乗記 佐野 弘宗 ニュルブルクリンク北コースで従来モデルのラップタイムを7秒以上縮めた最新の「アウディRS 3スポーツバック」が上陸した。当時、クラス最速をうたったその記録は7分33秒123。郊外のワインディングロードで、高性能ジャーマンホットハッチの実力を確かめた。
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ニュルのラップタイムを約7秒短縮

RS 3の“大幅アップデート”とうたうマイナーチェンジは、ベースといえる「A3」の約2カ月遅れで実施された。A3と共通する部分のアップデートとしては、内外装デザインがある。エクステリアのプレスパネルに変更はないようだが、フロントエンドとリアバンパーのデザインを一新。とくにLEDヘッドランプには、チェッカードフラッグ柄に光るパターンも用意されたのが面白い。また、ホイールも新デザインとなった。

インテリアではA3同様のスライド式に変更されたシフトセレクターに加えて、ステアリングホイールが、上下をフラットにカットした新形状となったのが目につく。この形状のステアリングホイールは、「A5」「Q4 e-tron」「Q5」「A6 e-tron」とそれぞれの「Sモデル」、そしてマイチェンした「e-tron GT」系など、最新アウディの大半にすでに採用されている。

日本仕様のエンジンが3気筒から4気筒に置換されたA3や、エンジン性能を上乗せしたうえにRS 3の同様の「トルクスプリッター」を新搭載した「S3」とは異なり、RS 3のパワートレインやシャシーのハードに、明確な変更は公表されていない。400PSの最高出力、500N・mという最大トルクもそのまま。さらに、3.8秒の0-100km/h加速タイムや最高速280km/h(オプション装着時)という公式発表の動力性能値も変わりない。

しかし、RS 3は今回のアップデートに合わせて、スポーツカーの聖地である独ニュルブルクリンク北コースのタイムアタックを敢行。そこでたたき出された7分33秒123というラップタイムは、従来型より約7秒の短縮で、アウディによると“コンパクトカークラス最速”(当時)になるのだという。前記のように、エンジン性能に変わりはないが、タイヤ、電子制御アダプティブ可変ダンパー、トルクスプリッターなどの制御に大きく手が入り、それがニュルでのタイムアップにつながったとか。

2025年2月に国内導入が発表された「アウディRS 3」のマイナーチェンジモデル。5ドアハッチバックの「スポーツバック」と4ドアの「セダン」をラインナップしている。車両本体価格は同年9月に改定され、今回試乗した前者が933万円、後者が952万円に、いずれも27万円値上げされた。
2025年2月に国内導入が発表された「アウディRS 3」のマイナーチェンジモデル。5ドアハッチバックの「スポーツバック」と4ドアの「セダン」をラインナップしている。車両本体価格は同年9月に改定され、今回試乗した前者が933万円、後者が952万円に、いずれも27万円値上げされた。拡大
内外装に加え、シャシーをアップデートした「RS 3スポーツバック」は、ニュルブルクリンク北コースで当時のコンパクトカークラス最速となる7分33秒123のラップタイムを記録している。
内外装に加え、シャシーをアップデートした「RS 3スポーツバック」は、ニュルブルクリンク北コースで当時のコンパクトカークラス最速となる7分33秒123のラップタイムを記録している。拡大
2.5リッター直5ターボエンジン「2.5 TFSI」は、従来型と同じ400PSの最高出力と500N・mの最大トルクを発生。0-100km/h加速は3.8秒、最高速は280km/hとアナウンスされている。
2.5リッター直5ターボエンジン「2.5 TFSI」は、従来型と同じ400PSの最高出力と500N・mの最大トルクを発生。0-100km/h加速は3.8秒、最高速は280km/hとアナウンスされている。拡大
「RS 3スポーツバック」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4380×1850×1435mm、ホイールベースは2630mm。今回の試乗車にはオプションのパノラマサンルーフが装着されており、車重は1610kgとなる。
「RS 3スポーツバック」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4380×1850×1435mm、ホイールベースは2630mm。今回の試乗車にはオプションのパノラマサンルーフが装着されており、車重は1610kgとなる。拡大