日産が「NISMO」シリーズのラインナップを大幅拡大
2017.04.25 自動車ニュース![]() |
日産自動車は2017年4月25日、同社のサブブランドである「NISMO」シリーズの事業を拡充。製品ラインナップを強化するとともに、グローバル展開を加速させると発表した。
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ラインナップを現在の2倍以上に
NISMOシリーズは、日産がモータースポーツ活動で得た知見をロードカーにフィードバックさせた、スポーティーなファクトリーカスタムカーであり、2013年1月に発表された「ジュークNISMO」より導入が開始された。
現在は「GT-R」「フェアレディZ」「ジューク」「ノート」「マーチ」「セントラ」「パトロール」の7車種(セントラ/パトロールは日本未導入)にラインナップされているが、日産では今後、SUVやピックアップトラック、ミニバン、電気自動車などにも同シリーズの設定を広げ、将来的にはモデル数を2倍以上に増やすとしている。
さらに、投入市場も既存の日本、北米、欧州、中近東からグローバルに拡大。現在は1万5000台となっている販売台数を、「2020年代の前半には少なくとも10万台以上に伸ばす」(オーテックジャパン/ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル 片桐隆夫社長)と発表した。また商品体系についても見直しを図り、既存の「NISMO」に加え、動力性能を格段に向上させた「NISMOハイパフォーマンス」を設定すると述べた。
ファンサービス、オーナーサービスも重視
また、顧客サービスやマーケティング事業についても大幅に強化するとしている。例えば、情報発信拠点としての機能を備えた「NISMOパフォーマンス・ディーラー」については、現状では26店舗を日本国内のみで展開するのに対し、2022年には国内の店舗数を40店に増やすとともに、欧米を中心にグローバルな展開を図ると述べた。
イベントを通した顧客との交流についても重きを置いており、今年で20回目を迎えるファン感謝イベント「NISMO FESTIVAL」に加え、顧客向けのスポーツ走行講習会「NISMOドライビング・アカデミー」を2017年より開催すると発表した。内容は国際格式のサーキットを用いた日産契約ドライバーによる初級・中級レッスンとなっており、校長にはミハエル・クルム選手を起用。2017年度の開催は全8回で(2月に催されたトライアルイベントは除く)、今後は日本以外の地域でも開催を予定している。
このほかにも、古い日産製スポーツモデルのオーナー向けに、補修部品を販売する「ヘリテージ・パーツ・プログラム」を開始。NISMOと日産のアフターセールス部門とが連携することで、補修部品の再生産・供給体制を構築し、まずは2017年秋より「スカイラインGT-R(R32)」用の部品の供給をスタート。問題がないようであれば、他のモデルにも同サービスを広げていくという。
ファクトリーカスタムカー事業の全体を見直し
こうした目標の実現に向け、日産では特装車の開発や製作を担う子会社、オーテックジャパン内に、新たに「ニスモ・カーズ」事業部を新設した。同事業部は、日産本体やオーテック、NISMOなどから集められた50人の人員からなり、今後は、車両の企画や開発、マーケティング、アフターサービスの企画など、NISMOのロードカーにまつわるすべての事業を引き受けることとなる。
さらに日産では、NISMO以外のファクトリーカスタムカーについてもブランド体系を一新すると発表。現在オーテックジャパンが手がけている「モード・プレミア」「ライダー」「アクシス」「ボレロ」の4モデルを「AUTECH(オーテック)」ブランドに一本化し、「レースのDNAを色濃く受け継いだピュアスポーツの『NISMO』」「カロッツェリアの製品を想起させるプレミアムスポーツの『AUTECH』」の2ブランドを、日本国内における二枚看板とすると述べた。なお、2017年の下期には、NISMO、AUTECHそれぞれの新モデルが発表される予定となっている。
(webCG)