スズキが「GSX‐R1000R ABS」の日本仕様を発売

2017.07.13 自動車ニュース webCG 編集部
「スズキGSX‐R1000R ABS」。ボディーカラーは「トリトンブルーメタリック」。
「スズキGSX‐R1000R ABS」。ボディーカラーは「トリトンブルーメタリック」。拡大

スズキは2017年7月12日、スーパースポーツバイクの新型「GSX‐R1000R ABS」の日本仕様を、同年7月28日に発売すると発表した。価格は204万1200円。

「GSX‐R1000R ABS」。ボディーカラーは「グラススパークルブラック」。
「GSX‐R1000R ABS」。ボディーカラーは「グラススパークルブラック」。拡大

MotoGPマシンの技術を取り入れた新機構を採用

新型GSX‐R1000R ABSは、「No.1スポーツバイク」をコンセプトに、GSX‐Rシリーズの特徴である、エンジンと車体が調和した「走る・曲がる・止まる」の基本設計を徹底的に見直し、MotoGPで培った技術を採用することでさらに進化させた。今回8年ぶりにフルモデルチェンジした6代目で、初めて日本仕様を設定。GSX‐R史上最もパワフルで、最も環境性能に優れたモデルとうたわれる。

新開発の999ccエンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用し、低中速域のパフォーマンスを損なうことなく最高出力を向上させながら、スムーズな出力の伝達と全回転域での強力な加速性能を実現している。車体は空力性能を高め、フレームの軽量化と強度の最適化を図り、エンジンの搭載角度を変更することで、コーナリング性能と操縦性を高めた。レースで開発された、ショーワ製の高性能な前後サスペンションにより高い接地性と吸収性を実現し、フロントブレーキにはブレンボ製のキャリパーとディスクを装備した。

また、ライダーをサポートする高度な電子制御として、制動時の姿勢を安定させる「モーショントラック・ブレーキシステム」や、エンジン出力を制御し10段階から選択できる「モーショントラック・トラクションコントロール」などの装備に加え、スムーズな変速を支援するクイックシフトシステムを採用した。さらに、サーキット走行でのアシスト機能として、理想的なスタートの加速を支援するローンチコントロールシステムも採用している。

さらに日本仕様の特徴として、欧州仕様と同程度の最高出力と最大トルクを実現し、国内専用装備としてETC車載器を標準装備した。

新型GSX‐R1000R ABSの主な特徴は以下の通り。

【エンジン】
新開発999cc直列4気筒エンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構ブロードパワーシステムを採用。ブロードパワーシステムとは、以下の4つの機構の総称で、高回転域での出力向上と低中速域での出力を両立する技術である。

  • カムスプロケットに内蔵したベアリングが高回転域に遠心力で外側に広がることでカムタイミングが可変する吸気VVT
  • 燃焼効率、スロットルレスポンス、最高出力を向上させる、スズキ二輪車初の電子スロットル
  • 正確なバルブコントロールとエンジンの高回転化を実現する動弁装置
  • エンジン回転数、スロットルポジション、ギアポジションに基づいて排気圧を最適化することで、全回転域でトルクを向上させる、3つの排気圧調整バルブ

【車体】

  • 新開発のフレームは全幅を抑えることで空力性能を高め、メインフレーム部分で約10%の軽量化を実現しながら強度の最適化を図った。
  • エンジンの搭載角度を変更し、前輪の中心からスイングアームの前軸までの距離を短縮することでコーナリング性能と操縦性を高めた。
  • 前面の表面積を縮小したカウルを完全新設計し、空気抵抗を大幅に低減した。

【装備】

  • レースで開発された、ショーワ製の高性能な前後サスペンション「BFF(バランスフリーフロントフォーク)」と「BFRC lite(バランスフリーリアクッションライト)」を標準装備。
  • 前輪にはブレンボ製モノブロックラジアルマウントブレーキキャリパーを採用。制動力をより効率的に伝達できる、同じくブレンボ製Tドライブブレーキディスクを量産車向けに改良して装備した。
  • ABSには、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)により、フルブレーキ時に後輪が浮くのを抑制するモーショントラック・ブレーキシステムを採用。さらに、コーナリング時のブレーキングにおいても、傾斜角度を基準にフロントブレーキ圧を最適化することで、フロントタイヤのグリップ低下を抑止する機能も装備。
  • 10段階から選択可能なモーショントラック・トラクションコントロールは、ライダーの好みやライディングスキル、路面状況に応じてエンジン出力をより効率よく路面に伝達することを可能とした。
  • ライダーの好みに応じて出力特性を3つの走行モードから選択できる「S-DMS(スズキドライブモードセレクター)」を搭載。
  • クラッチやスロットルの操作をせずに、より機敏でスムーズなギアチェンジが可能となる、レーサータイプの双方向クイックシフトシステムをスズキの二輪車で初めて採用。
  • サーキット走行においてエンジン回転数とトルクを制御し、前輪が浮くのを抑制することで、より効率的なスタートをアシストするローンチコントロールシステムをスズキの競技車両以外の市販車で初めて採用。
  • 発進時や低回転走行時においてエンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」や、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。
  • メーター内の表示で動作状況の確認が可能なETC車載器を標準装備。
  • ボディーカラーは、青「トリトンブルーメタリック」と黒「グラススパークルブラック」の2色を設定。

【主要諸元】

  • 最高出力:197ps(145kW)/1万3200rpm
  • 最大トルク:117Nm(11.9kgm)/1万0800rpm
  • 車両装備重量:203kg

(webCG)

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