【オートモビル カウンシル2017】マツダはロータリーエンジン50年の歴史を紹介
2017.08.04 自動車ニュース![]() |
マツダは、自動車イベント「オートモビル カウンシル 2017」において、同社が開発したロータリーエンジン搭載車の歴史を振り返る展示を行った。
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数々の苦難を乗り越えたエンジン
古いクルマから立ち上るのは、生ガスまじりの排ガス……ではなく自動車文化の香り。そんな「CLASSIC MEETS MODERN」をテーマとするイベント「オートモビル カウンシル2017」が、幕張メッセにて8月4日に開幕。6日までの日程で開催される。
このイベントに出展する自動車メーカーのひとつがマツダだ。マツダのテーマは「飽くなき挑戦の歴史 ― ロータリーエンジン誕生50周年」というもの。マツダがロータリーエンジンを搭載する「コスモスポーツ」を発売したのは1967年のこと。誰もが不可能と考えていた実用化を、東洋のしかも地方の小さなメーカーが達成したことに誰もが驚いた。それから50年の間に、マツダとロータリーエンジンは数多くの苦難を乗り越えてきた。
「作り手の魂を感じ、語り続けることが大切ではないでしょうか。歴史の1ページに思いをはせてほしい」とマツダのロードスターアンバサダーである山本修弘氏は言う。ロードスターの開発者として知られる山本氏だが、若いころはレーシングカーや「RX-7」などのロータリーエンジンの開発を担当。ルマン24時間レースや、オイルショックや排気ガス規制と戦ってきたロータリーエンジンの歴史は、山本氏のエンジニア人生の歴史とも重なる。
貴重な社内資料に触れられる
そんなマツダの戦いの歴史を知ることができるのが、今回の展示だ。注目は、廃棄処分の箱の中から、つい最近になって発見されたというビデオ。1966年ごろのロータリーエンジンの開発の様子や、試作車による九州での試験走行の様子が撮影されている。もちろん本邦初公開だ。あわせて展示されるのが、「悪魔の爪痕」とも呼ばれたチャターマークが刻まれたローターハウジング。本来はツルツルであるべきエンジン内壁に、ギザギザの跡をはっきりと見ることができる。これも開発部が死蔵していたものだという。マツダブースに立ち寄った際は、ぜひとも、この2つをチェックしてほしい。さらにコスモスポーツのデザイン線図という、開発当時の図面のコピーも奥のテーブルの上にある。これも必見だ。
車両の展示は、耐久性を確認するために47台作られたうちの1台であるコスモスポーツの試作車。そして量産型のコスモスポーツに初代RX-7、そして2台の「マツダ・ファミリアプレスト ロータリークーペ」。さらに1991年のルマン24時間レース総合優勝車「787B」(55号車)が展示されている。まさに、マツダのロータリーの歴史を見て感じとることのできる展示となっていたのだ。
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「ロードスター」のレストアプロジェクトも始動
マツダのブースの一番奥に飾られるのは、1990年式の「ユーノス・ロードスターVスペシャル」。マツダが進めるロードスター(NA)レストア事業の、第1号のテスト車だ。その前で、ロードスターアンバサダーの山本氏はレストア事業に関する発表を行った。内容は、「2017年の年内にNAレストアサービスの受け付けを開始」「同レストアサービスを2018年初頭に開始」「あわせて2018年初頭に復刻パーツを発売」するというもの。
復刻パーツは、「NAソフトトップ」「ブリヂストンタイヤSF325」「NARDI(ナルディ)ウッドステアリング」「NARDIウッドシフトノブ」だ。サービス開始の宣誓だけでなく、新たにNARDIのステアリングとシフトノブも復刻されるといううれしいニュースがプレゼントされたのだ。今後は、専用サイトにて、最新情報を随時更新していくという。気になる方は、定期的にチェックすることをおすすめしたい。
(文と写真=鈴木ケンイチ)
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