普及が進む車載アイテム
ドライブレコーダーってどんなもの?
2017.09.29
デイリーコラム
元は商用の記録装置
自動車用品の世界では、たびたびヒット商品が登場する。カーナビやレーダー探知機、ケミカル製品でも、過去にヒット作は数多く生まれてきた。量販店はもちろん、ユーザーはこういった“金の鉱脈”に敏感である。その中で昨今勢いの見られる商品が、ドライブレコーダー、略して「ドラレコ」である。
そもそもドラレコはタクシーやバス、物流トラックなど商用車での利用がメインだった。運行時の速度変化などを記録するタコグラフなどは以前からあったが、ドラレコは事故などが起きた際に、映像で客観的に状況を把握するために用いられてきたのだ。これを一般用に展開した製品が現れ、それが昨今のドラレコブームの始まりとなった。
実際、5~6年前に比べると出荷台数では約10倍になり、価格はピンキリで5000円未満で買える海外製のものから6万円以上まで幅広く流通している。平均売価は日々変化するが、おおむね2万円前後の商品が人気である。
読んで字のごとく、ドラレコは走行状況を専用のカメラで記録する商品だ。音声を記録できるモデルも多い。基本、フロントウィンドウの内側に取り付けるものだが、保安基準により、クルマの中心線から左右250mm以内、縦方向ではウィンドウの上端から30%以内の位置に取り付けなければならない。要は前方視界を妨げてはいけない、ということだ。
構造としてはフロントウィンドウ内側に貼り付けるだけのカメラ・本体一体型と、カメラ部分のみ貼り付け本体はセンターコンソールなどに設置する本体分離型の2種類に大別される。ミニバンなどウィンドウ面積の大きいクルマならば一体型で問題ないが、スポーツカーなどフロントウィンドウの縦方向の寸法が短い車両などでは分離型、あるいはいくつかの機能を省いたコンパクト型を選ぶのが良い。
将来的には標準装備に?
メインとなる用途は交通事故などのトラブルを記録することだが、ドライブのログ(記録)は車内でのみ確認するわけではない。例えば、専用ソフトをPCやスマートフォンにインストールすることでデータを車外に持ち出し、旅の思い出として楽しむこともできる。これがドラレコ人気を後押しした理由のひとつとも言われている。
録画機能に関しては、一定時間でループさせながら常時録画するのが一般的。ただしこの時点では保存されておらず、事故が起きたり車体およびドラレコ本体に衝撃(G)が加わったりすると、その瞬間から保存を開始したり、その前後数秒間の動画を保存するものが多い。駐車時の自動車盗難やいたずらに対して監視&記録を行うモデルも出回っており、昨今では、こうして得られたログが裁判の物的証拠として活用されるケースも増えてきている。
そんなドラレコでは、位置情報が記録できるGPS機能、または連携カーナビから位置情報を得て記録できるものが主流だ。カメラの記録画素数は200万画素(フルHD録画)以上。夜間やトンネルなど明暗差が発生する場所でも確実に録画するためのHDR(ハイダイナミックレンジ)やWDR(ワイドダイナミックレンジ)といった機能、さらに、前述した盗難時などにも必要な加速度センサーは必須といえる。すでに商品化されているが、2つのカメラを常時作動させて車体前後方向の記録が同時にできるものや、車体の全方位を映し出す超広角カメラを使って360度録画可能なもの、カーナビゲーションとの連携によりナビ側でコントロールできる商品が今後のトレンドになっていくはずだ。
昨今は、スマートフォンをドラレコとして利用できるアプリも数多く出ているが、こうした端末は本体の発熱や外部からの熱・振動に弱く、誤動作や故障の心配もある。ドラレコの世界をまずは体験してみたいという人にとってはいいが、最終的には、ドラレコ専用機にはかなわないだろう。
これまで説明したようにドラレコの装着は今後の常識になっていくに違いないし、まだ所有していないのであれば、今後は積極的に購入を検討すべきだろう。将来的には先進安全装備のひとつとしても標準化が期待できるが、法整備も含めまだ時間がかかるはず。それまでは「自分の身は自分で守る」必要がある。
(文=高山正寛/写真=webCG/編集=関 顕也)

高山 正寛
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