ケンウッド、「彩速ナビ」の新モデル「TYPE M」を発売
2017.10.05 自動車ニュース![]() |
JVCケンウッドは、旧株式会社ケンウッドの設立70周年を記念したAVナビを2017年10月4日に発表した。「TYPE M」と総称される新ナビは同社の「彩速ナビ」シリーズの中核をなすモデルで、8V型ディスプレイの「MDV-M805L」、7V型ディスプレイで200mmワイドの「MDV-M705W」、7V型・2DINサイズの「MDV-M705」の3モデルからなる。発売はいずれも10月中旬から。
![]() |
![]() |
操作性よく、自車位置精度にもこだわった
ケンウッドの彩速ナビには、「TYPE Z」と「TYPE L」がすでにある。今回、彩速ナビのラインナップに追加されるTYPE Mは、その中間に位置するモデルかといえば、決してそうではなく、Mは「マスターモデル」を意味するのだという。マスター=中心的存在、つまり何でもありの“オールラウンドモデル”ということだそうだ。さらにその内容も、既存モデル(特に上級のTYPE Z)の特徴を受け継ぎながら、いっそう磨きをかけたとされている。
まず、基本性能から。「彩速」のゆえんたる操作レスポンスはさらに向上。スマートフォンでおなじみの指を使った操作がより俊敏になり、地図のスクロールはまさに高速。フリック、ピンチ、ドラッグがストレスなく操作できるのも高速描画技術「ジェットレスポンスエンジンIII」によるもの。ディスプレイも大きく進化し、メリハリある高コントラストの画面表示も上級機に迫るものだ。ハード面では6軸ジャイロの搭載が新しい。これまでの3軸に対し、傾斜した路面でも高精度な測位が可能となり、例えばGPS電波の届かない屋内駐車場でも自車位置を見失うことなく正確な自車位置表示を可能としている。新しい機能としては、高速道路などでの逆走警告、スマートフォン置き忘れ警告、ルート案内時に目的地近くになると自動的に音楽音量を下げる機能など、使いやすさに主眼を置いて改善を施したものが多い。
![]() |
ハイレゾ対応ナビの先駆者が打つ次の一手
音楽再生の高音質化も大きな話題だ。音楽ソースのハイレゾへの対応は今年登場したAVナビがこぞって採用しているものだが、そもそも先鞭(せんべん)を付けたのは彩速ナビ。上級のTYPE Zは2年以上前の「MDV-Z702」の時代から対応してきたが、このTYPE Mもハイレゾ対応となる。そのレベルも192kHz/32bitの音源に対応するだけでなく、非ハイレゾの音源も192kHz/32bitにアップコンバートしてハイレゾに近い音質で再生可能という高度なもの。使用するDACや音質設計も上級機に引けを取らないレベルのものだ。今回注目すべきはその伝送方法。ハイレゾ音源の音楽データをナビで再生しようとすると、これまでは自宅等でダウンロードしたデータをハイレゾ対応のUSBなどにインストールしてナビに読ませるのが一般的だったが、TYPE Mではソニーが開発したワイヤレス・オーディオ伝送技術「LDAC」を使うことによって、Bluetooth接続でハイレゾの高音質音源を楽しむことができる。
![]() |
利用シーンを広げる連携型周辺機器も同時発売
高音質再生のほか周辺機器との連携を見据えた設計も売りのひとつ。TYPE Mとともに、ドライブレコーダー、ETC車載器が同時発売されるが、これらとTYPE Mを連携させることで新たな利用形態を提供する。TYPE Mに接続可能なドライブレコーダーは前方用と後方用があり、それぞれの画像をナビのディスプレイに表示できる。特に後方の映像をディスプレイに映せばそのまま「バーチャルルームミラー」として利用でき、後方視界のよくないクルマには有益な機能となる。また、本格的な運用はこれからだが、高度化ビーコン対応ETC2.0車載器をTYPE Mに接続すれば、「信号情報活用運転支援システム(TSPS)」を利用して前方数カ所の信号機情報をナビ画面に表示することで、余裕のある効率的な運転に役立てることができる。まさに最先端のITSツールを真っ先に手にすることができるわけだ。
TYPE Mはすべてオープン価格だが、メーカー想定実売価格は、MDV-M805Lが11万円前後、MDV-M705WとMDV-M705が9万円前後、ナビ連携型ドライブレコーダーフロント用「DRV-N530」が2万2000円前後、同リア用「DRV-R530」が2万7000円前後、ナビ連携型高度化ビーコン対応ETC2.0車載器「ETC-N7000」が3万7000円前後(いずれも税抜き)とされている。
(文=尾澤英彦)
-
NEW
次期フラッグシップはハイブリッドに! ランボルギーニの戦略についてキーマンが語る
2021.2.26デイリーコラム環境問題にコロナウイルスの影響。スーパースポーツカーを取り巻く環境が厳しさを増すなか、ランボルギーニはどう時代を乗り越えていくのか? 「アヴェンタドール」後継モデルの情報もあわせ、日本のトップに話を聞いた。 -
NEW
第640回:個性よりもバランス グッドイヤーのミニバン専用タイヤ「エフィシェントグリップRVF02」を試す
2021.2.26エディターから一言快適性を追求したミニバン専用タイヤ「グッドイヤー・エフィシェントグリップRVF02」が登場。13インチから20インチの全40サイズが2021年3月1日に発売される。早速、クローズドコースでその実力を確かめた。 -
NEW
ランドローバー・レンジローバー イヴォークSE P250(4WD/9AT)【試乗記】
2021.2.26試乗記ランドローバーが擁するプレミアムSUV製品群の「レンジローバー」シリーズ。その中にあって最もコンパクトなモデルが「レンジローバー イヴォーク」だ。東京から雪の群馬・嬬恋へのドライブを通し、そのボディーに凝縮されたレンジローバーの魅力に触れた。 -
NEW
三菱の最新電動SUV「エクリプス クロスPHEV」「アウトランダーPHEV」の魅力に迫る
2021.2.25電気の力を多彩に活用 三菱の最新PHEVを味わう<AD>三菱自動車のプラグインハイブリッド車は電気の使い方が多彩だ。環境対応は当然として、走りの楽しさと上質さも追求。さらにクルマ自体を“電源”としても使えるようにしている。「エクリプス クロスPHEV」と「アウトランダーPHEV」、2台の最新モデルでその世界を味わってみた。 -
第695回:欧州カーシェアリングの切ない傷跡 ピニンファリーナのブルーカーにささげる言葉
2021.2.25マッキナ あらモーダ!かつて欧州におけるカーシェアの先駆けとしてパリで展開されていた「オトリブ」の車両に、イタリア・トリノで出会った大矢アキオ。「どうしてこんなところに?」と考えるうちに、同市のカーシェアを巡る意外な事実が判明したのだった。 -
ポルシェ・タイカン ターボ(後編)
2021.2.25谷口信輝の新車試乗高性能を誇るポルシェのEV「タイカン ターボ」にすっかり感心した様子の谷口信輝。しかし、試乗を続けるなかで、走りの特性にちょっと気になる点もあるという。それは一体……?