ルノー・メガーヌ スポーツツアラーGT(FF/7AT)
名は体をあらわす 2018.01.19 試乗記 新型「ルノー・メガーヌ」のワゴンモデル「スポーツツアラーGT」。205ps&280Nmの高出力ターボエンジンと、四輪操舵システム、そしてハッチバックよりちょっと長めのボディーとホイールベースが織り成す走りをリポートする。新しい名前の理由
新型ルノー・メガーヌ(の日本仕様)でもっとも手頃なのは、ハッチバックに1.2リッターターボを積んだ「GTライン」なのだが、ルノー・ジャポンが、新型メガーヌらしい魅力が詰まったメガーヌと定義する“推しグレード”は上級のGTである。その新型メガーヌGTにはハッチバックとワゴンの2種類があり、今回のテーマは後者だ。
このクルマは見てのとおりメガーヌのワゴン版にほかならないが、「ブレーク」とか「エステート」といった前例のあるネーミングではなく、わざわざ「スポーツツアラー」という独自の新商品名が与えられている。
最近は伝統的なステーションワゴンの人気も下落気味だからか、素直にワゴンと名乗らないワゴンが多い。新型メガーヌの場合の“スポーツ”な“ツアラー”にも、それなりの根拠がある。先代の「メガーヌエステート」以降、メガーヌのワゴンは、キモである車体後半のデザインをあえて“短く、軽く”見せるスポーツワゴン路線のデザインを採用しているからだ。
こうしたスポーツワゴン路線はルノーにかぎらず世界的流行ではあるが、リアクオーターウィンドウの処理などを見るに、ライバルの「プジョー308SW」や「フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント」と比較しても、メガーヌのスポーツワゴン志向は強い。
メガーヌ スポーツツアラーは後述するホイールベースの差を差し引くと、ハッチバックに対してリアオーバーハングを200mm延長している計算になる。その数値はなるほど、308SW(同215mm)やゴルフヴァリアント(同340mm)のそれより短く、そうした姿勢がスポーツツアラーという名前にもあらわれている。