ボルボ122Sアマゾン(FR/4MT)/240ワゴン タック(FR/4AT)
スマートフォンに疲れたら 2019.03.22 試乗記 ボルボの歴史を彩る名車「122Sアマゾン」と、「ボルボといえばワゴン」というイメージを定着させた「240ワゴン」。日本法人のクラシックカー部門「クラシックガレージ」が整備した2台の試乗を通し、他の時代の、他のブランドのクルマにはない魅力に触れた。日本人の気質に合うブランド
日本におけるボルボ販売の歴史は長く、アメリカ車が全盛だった1950年代の後半から輸入が開始されている。ディストリビューターは北欧自動車(ヤナセ)から帝人ボルボへと移行し、1980年代には本社出資による法人が設立。この辺りの時系列はメルセデスやBMWと比べても遜色のない早さだ。すなわち、日本人にとってボルボは相性のいいブランドでもあるのだろう。
ボルボが好まれてきた理由は日本人の気質とも関係していると思う。安全性に対する真摯(しんし)な取り組みや、いわゆる“外車”的な悪目立ち感のなさが、質実剛健を好む医師や士業といったアカデミックな富裕層を中心に支持されてきた。ボルボがいる風景として真っ先に思い出すのは、近所のお医者さんの家の車庫に止まっている姿……という人はまずまずなオッさんかもしれないが、少なからずいるのではないかと思う。
そういう環境で飼われてきたクルマだけに、日本にすむ古いボルボの中には良好な保管状況で健康が保たれてきたものも多い。が、今、オーナーの高齢化などもあって、こういった個体が表に出てくることが増えているという。
「全国のディーラーを通じて古いボルボたちの情報が、われわれのところに入ってきます。それを次なるお客さまとのよき出会いにつなげるのがわれわれの仕事です」
そう語るのは、ボルボ・カー・ジャパンの阿部昭男さんだ。インポーターにあって勤続30年以上と筋金入りのボルボマンにして、技術畑でのキャリアが長いこともあり、阿部さんは現在古いボルボの整備から販売を統括するクラシックガレージという部門の責任者となっている。
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