MINIジョンクーパーワークス エースマンE(FWD)

寸止めのゴーカートフィール 2025.11.12 試乗記 佐野 弘宗 レーシングスピリットあふれる内外装デザインと装備、そして最高出力258PSの電動パワーユニットの搭載を特徴とする電気自動車(BEV)「MINIジョンクーパーワークス エースマン」に試乗。Miniのレジェンド、ジョン・クーパーの名を冠した高性能モデルの走りやいかに。
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手堅いポジション

今から10年程前には、現在もラインナップされる「ハッチバック」や「クロスオーバー(現在はカントリーマン)」に加えて、「クラブマン」「ペースマン」、そして「クーペ」「ロードスター」など、すでに消えたバリエーションも含めての大所帯を誇ったMINI。しかし、2025年現在は、ご承知のように3車種に整理された。「コンバーチブル」や「5ドア」を含む旧ハッチバック系でコンパクトな「クーパー」とSUVスタイルのCセグメントであるカントリーマンという、いかにも手堅い定番機種に、クーパーとカントリーマンの中間的な位置づけとなる新機種のエースマンが加わった布陣だ。

エースマンはクロスオーバーSUVスタイルのBEV専用モデルとなる。実用的な5ドアワゴン的パッケージをもつという意味では、エースマンにはクラブマンの事実上の後継機種という役割もあるだろう。そう考えると、エースマンも意外なほど手堅い。

実際、エースマンの後席は、身長178cmの筆者が前後に乗っても、にぎりコブシ1個以上の空間が足もとに残るし、天井も十分に高い。また、床下にバッテリーを抱えるBEVながら、背筋を伸ばした健康的な姿勢で座れるのは、SUVパッケージゆえの利点だろう。荷室自体はさほど広くはないが、シートバックはきれいにフラットに倒れるので、ステーションワゴン的な使いかたにも適する。

また、エースマンには、もうひとつ存在価値がある。「3ドア」はエンジン車(ICEV)とBEVの二刀流であるクーパーだが、5ドアにはICEVしか用意されない。つまり、小さめの5ドアBEVがほしいという向きは、MINIでは必然的にエースマンを選ぶことになるのだ。

2025年2月27日に、日本導入が発表されたMINIのハイパフォーマンス電気自動車「ジョンクーパーワークス エースマンE」。チェッカードフラッグロゴがあしらわれたエンブレムや専用デザインの前後スポイラー、チリレッドのアクセントなどで内外装がコーディネートされている。車両本体価格は641万円。
2025年2月27日に、日本導入が発表されたMINIのハイパフォーマンス電気自動車「ジョンクーパーワークス エースマンE」。チェッカードフラッグロゴがあしらわれたエンブレムや専用デザインの前後スポイラー、チリレッドのアクセントなどで内外装がコーディネートされている。車両本体価格は641万円。拡大
「ジョンクーパーワークス」は、MINIブランドのハイパフォーマンスモデルを取り扱うサブブランド。1960年代にモータースポーツ界を席巻したジョン・クーパーの名前がその由来である。
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閉じられたフラットなフロントグリルは、最新世代のMINIにラインナップされるほかの電気自動車とも共通するデザイン上の特徴。車体下部もほぼ全面にわたりアンダーカバーで覆われている。
閉じられたフラットなフロントグリルは、最新世代のMINIにラインナップされるほかの電気自動車とも共通するデザイン上の特徴。車体下部もほぼ全面にわたりアンダーカバーで覆われている。拡大
「MINIエースマン」はクロスオーバーSUVスタイルの電気自動車専用モデル。5ドアハッチバックのみのラインナップで、ボディーサイズは「クーパー5ドア」と「カントリーマン」の中間に位置する。
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