三菱自動車トップ交代 新CEOに加藤隆雄氏
2019.05.20 自動車ニュース![]() |
三菱自動車は2019年5月17日、益子 修会長兼CEOが同年6月21日の定時株主総会でCEOを退任すると発表。これに伴う記者会見を同年5月20日に開催した。
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今回の人事は、同社が監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行することに伴うもの。益子氏は取締役会長執行役となり、後任として、現在インドネシアの合弁会社、ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(MMKI)の社長を務める加藤隆雄氏が執行役CEOとなる。なお、ルノーおよび日産自動車とのアライアンス関係の業務については、これまでの経緯を踏まえた上で、今後も益子氏が主導する。
このほか新体制では、現COOのグプタ・アシュワニ氏が新たな執行役COOに、現副社長執行役員CFOの池谷光司氏が執行役副社長に、現副社長執行役員の安藤剛史氏が執行役副社長に就任する。
益子氏は今回のCEO交代の背景について、指名委員会等設置会社への移行にあたり、さらなるガバナンスの強化が必須であることを強調。三菱の事業について、「会長が監査役、CEOが執行役のような役割となることが望ましい」と説明した。さらに、米中の貿易摩擦などの影響により2019年度については不透明とした上で、2017、2018年度の業績はしっかりとした数字を残せており、業績が回復基調にあること、2016年からの一連の不良債権処理に一定のメドが付いたことも加えた。2020年には新たな中期経営計画の作成が予定されており、この計画の立案および実行に責任をもてる若いリーダーへのバトンタッチが必要であるともコメントした。
1984年入社の加藤氏は、2007年には名古屋製作所工作部の次長に、2014年には同製作所の副所長に就任するなど、一貫して生産畑を歩んできた。現職のほか、三菱がプジョー・シトロエンとの合弁で設立したロシア工場の立ち上げにも参加するなど、海外の生産事情にも精通しているほか、「ものづくりに対する知見と誠実な人柄」(益子氏)が魅力的な人物だ。加藤氏は報道陣を前に「現職を通じて経営の大変さは身をもって知っているつもりだが、三菱自動車本体のかじ取りとなれば、さらに大変であろうと想像する。身の引き締まる思いだ。三菱らしさを追求するために努力したい」とあいさつした。
この代表者の異動は、6月21日に開催される第50回定時株主総会で承認される見込み。なお同総会では、カルロス・ゴーン取締役退任の承認も予定されている。
(webCG)