フォルクスワーゲンとフォードが世界規模での提携を自動運転と電気自動車にも拡大
2019.07.17 自動車ニュース独フォルクスワーゲンと米フォードは2019年7月12日、グローバル規模の提携を自動運転と電気自動車(EV)に拡大すると発表した。
両社はすでに同年1月、合併や株式の持ち合いを行わない包括提携を結んでいる。商用車やピックアップトラックでの開発や製造に関する協力に加え、提携の範囲を自動運転やEVの分野に広げる。
具体的には、フォルクスワーゲンがフォード傘下の自動運転技術開発会社「アルゴAI」に10億ドル(邦貨にして約1080億円)を出資。合わせて16億ドル(同1728億円)と評価されているフォルクスワーゲングループの自動運転技術開発会社「オートノマスインテリジェントドライブ(AID)」をアルゴAIに統合し、従業員700人規模で同技術の開発を加速させる見込みだ。新組織となったアルゴAIでは、大都市圏におけるライドシェアリングや配達サービスに利用可能なSEAレベル4の自動運転の開発に焦点を当てるという。
EVにおいてフォードは、フォルクスワーゲンのEV専用プラットフォーム「MEB」を使用し新型EVを開発。2023年以後、6年間で60万台を欧州で販売する計画だという。フォルクスワーゲンは2016年から約70億ドル(邦貨約7560億円)を投じてMEBを開発しており、今後10年間にわたり同グループでMEBを用いて1500万台のEV生産を計画している。フォードはグループ外の企業として初めて、このMEBを採用することになる。
現在、自動運転とEVの分野では、スバル、マツダ、スズキなどがトヨタと提携し、ゼネラルモーターズ(GM)とホンダが、ダイムラーとBMWがそれぞれ協力関係にある。今回、フォルクスワーゲンとフォードの同分野における提携により、4つの大きなグループが構成されることとなった。
フォルクスワーゲンとフォードの提携は最も新しい勢力だが、販売台数は両社合計約1700万台となり、その規模は自動車業界最大である。両社が提携の範囲を商用車やピックアップトラックから、自動運転とEVの分野に広げたことにより、同分野の開発競争がさらに加速するとみられる。
(webCG)
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