BMWアルピナXD4(4WD/8AT)
硬派なアルピナ 2020.03.03 試乗記 流麗なクーペフォルムが特徴の「BMWアルピナXD4」に試乗。最高出力388PS、最大トルク770N・mを誇る3リッター直6ディーゼル「クワッドターボ」エンジンの実力と、低重心化された足まわりの仕上がりを確認した。SUVの2作目
玄人好みの端正で控えめな高性能セダンで知られるアルピナだが、最近はディーゼルのSUVを見かけることが珍しくない。アルピナ初のSUVモデルは「XD3ビターボ」だが、実際2013年の発売以来、世界中でこれまでにおよそ1000台が販売されたヒット作になったという。え? ヒット作なのにそれっぽっち? と訝(いぶか)る向きもあるだろう。
繰り返しになるが、多少の上下はあるもののアルピナの年間生産台数は現在も1600台程度だ。ニューモデルを投入する場合には既存モデルの生産を抑えなければならないアルピナにすれば、これはかなりの数なのである。ちなみにこだわりエンスーが多い日本は、そのおよそ2割が上陸するお得意さまである。
そんなアルピナの最新作もSUVだ。しかもクーペSUVの「X4」をベースとしたXD4である。クーペSUVのアルピナとしてはこちらも初めてとなるこれは、輸入車メーカーが軒並み欠席した2019年の東京モーターショーでお披露目された(ジャパンプレミア)新型車。ワールドプレミアの新型「B3」(こちらのデリバリーは2020年後半の予定)とともに、日本市場正規輸入開始から40周年を祝った記念すべきニューモデルである。
エンジンはBMWのB57型3リッター直6ディーゼルターボをベースとしながらも、例によって独自の冷却系やターボを採用したもの。シーケンシャル2ステージターボを2基搭載することから、アルピナの代名詞でもある「ビターボ」ではなく「クワッドターボ」と称している。