【F1 2020】力量の差をまざまざと見せつけてハミルトンが記録を更新

2020.10.26 自動車ニュース
F1第12戦ポルトガルGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右)。今シーズン8勝目、通算92勝目を飾り、ミハエル・シューマッハーを抜いて歴代最多勝ドライバーとなった。メルセデスに移籍してから苦楽をともにしてきた盟友、担当エンジニアのピーター・ボニントン(同左)と喜びを分かち合った。(Photo=Mercedes)
F1第12戦ポルトガルGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右)。今シーズン8勝目、通算92勝目を飾り、ミハエル・シューマッハーを抜いて歴代最多勝ドライバーとなった。メルセデスに移籍してから苦楽をともにしてきた盟友、担当エンジニアのピーター・ボニントン(同左)と喜びを分かち合った。(Photo=Mercedes)拡大

2020年10月25日、ポルトガルのポルティマオにあるアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベで行われたF1世界選手権第12戦ポルトガルGP。24年ぶりに復活した同GPで、ミハエル・シューマッハーが19年間保持し続けた最多勝ドライバーの称号が、ルイス・ハミルトンに移ることとなった。

週末の入りはチームメイトのバルテリ・ボッタスが上手(うわて)。でも予選、決勝と盛り返してくるのが今季のハミルトン(写真)の必勝パターンだ。12戦して9回目の予選P1を決めると、レースではスタートの混乱で3位に落ちるも、20周して再びトップに立ち完勝を遂げた。ハミルトンは、今回更新した最多勝記録に加え、ポディウム回数、ポイント数、リードラップ数、そしてポールポジション数でもレコードを打ち立てている。(Photo=Mercedes)
週末の入りはチームメイトのバルテリ・ボッタスが上手(うわて)。でも予選、決勝と盛り返してくるのが今季のハミルトン(写真)の必勝パターンだ。12戦して9回目の予選P1を決めると、レースではスタートの混乱で3位に落ちるも、20周して再びトップに立ち完勝を遂げた。ハミルトンは、今回更新した最多勝記録に加え、ポディウム回数、ポイント数、リードラップ数、そしてポールポジション数でもレコードを打ち立てている。(Photo=Mercedes)拡大
3回のフリー走行すべてでトップタイムを記録したバルテリ・ボッタス(写真)。だが優勢だったのはプラクティスまでで、予選Q3に入ると、ハミルトンの“ミディアムタイヤ2回アタック作戦”に敗れ、またもポールを逃してしまう。スタート後にトップを奪ったまではよかったが、20周してハミルトンにリードを奪われるとペースに苦しみ、25秒という大差をつけられ2位に甘んじた。今季4度目の1-2を決めたメルセデスは、既に今季型マシンの開発を終了しており、来季に向けた準備を着々と進めているという。(Photo=Mercedes)
3回のフリー走行すべてでトップタイムを記録したバルテリ・ボッタス(写真)。だが優勢だったのはプラクティスまでで、予選Q3に入ると、ハミルトンの“ミディアムタイヤ2回アタック作戦”に敗れ、またもポールを逃してしまう。スタート後にトップを奪ったまではよかったが、20周してハミルトンにリードを奪われるとペースに苦しみ、25秒という大差をつけられ2位に甘んじた。今季4度目の1-2を決めたメルセデスは、既に今季型マシンの開発を終了しており、来季に向けた準備を着々と進めているという。(Photo=Mercedes)拡大

プロスト、セナ、マンセルが戦ったポルトガルGP復活

今年、24年ぶりにF1に復活したポルトガルGPだが、その歴史は意外に古く、F1世界選手権としての初開催は1958年にまでさかのぼる。オポルトとモンサントで3回続いた同GPは、1960年を最後に一時姿を消すも、偶然にも今回と同じ24年のブランクを経て、1984年にエストリルを舞台にカムバック。その後はおなじみのヨーロッパ戦として定着し13年連続で開かれた。

エストリルでは数々の名勝負が繰り広げられており、例えばシーズン最終戦として行われた1984年のレースでは、マクラーレンのニキ・ラウダが、若きアラン・プロストを史上最小0.5点差で抑えチャンピオン獲得。また翌年にはロータス駆るGP2年目のアイルトン・セナが大雨のレースで独走し初優勝を飾った。さらに1989年にはナイジェル・マンセルがピットレーンをリバースギアで走行する違反を犯しながらレースを続行、セナを道連れにクラッシュする“事件”が発生。1996年はウィリアムズのジャック・ビルヌーブが優勝し、チームメイトのデーモン・ヒルとのタイトル争いが最終戦日本GPまでもつれ込むという熱戦もあった。

今年のコロナ禍がもたらしたカレンダーの大幅変更により、奇跡的にF1に返り咲くことができたポルトガルGP。そのコースとなるアルガルベは、9月に行われたトスカーナGPのムジェッロと同様にF1初開催のサーキット。起伏に富んだ地形に横たわる一周4.6kmのコースはアップ&ダウンの連続で、ブラインドコーナーや下った先のブレーキングなど難所も多い。さらに路面が再舗装されたばかりでグリップが乏しく、ドライバーにいっそうのチャレンジを強いることとなった。

ポルトガルでの最大の話題は、アイフェルGPで通算91勝目を飾ったルイス・ハミルトンが、ミハエル・シューマッハーの歴代最多勝記録を更新するかどうか。かつてラウダやプロスト、セナやマンセルが覇を競ったユーラシア大陸最西端の地で、新たな記録樹立に向けたレースが行われることとなった。

初日にスピンやランス・ストロールとの接触といった話題を提供したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真)。土曜日の予選では定位置の3位を獲得し、メルセデスとの差を0.252秒まで詰めるも、実はグリップ不足に悩みQ1での自己ベストタイムを更新できなかったという苦しい状況だった。レースではスタートで一時2位を走るも、セルジオ・ペレスとの接触で5位に落ちてしまう。そこから3位まで挽回はできたが、メルセデス勢には歯が立たず、3位のまま今季9回目の表彰台にのぼった。チームメイトのアレクサンダー・アルボンは、来季を見据えて好成績が求められているものの、予選6位からポイント圏外の12位と残念な結果に終わっている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
初日にスピンやランス・ストロールとの接触といった話題を提供したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真)。土曜日の予選では定位置の3位を獲得し、メルセデスとの差を0.252秒まで詰めるも、実はグリップ不足に悩みQ1での自己ベストタイムを更新できなかったという苦しい状況だった。レースではスタートで一時2位を走るも、セルジオ・ペレスとの接触で5位に落ちてしまう。そこから3位まで挽回はできたが、メルセデス勢には歯が立たず、3位のまま今季9回目の表彰台にのぼった。チームメイトのアレクサンダー・アルボンは、来季を見据えて好成績が求められているものの、予選6位からポイント圏外の12位と残念な結果に終わっている。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
ポルトガルにもアップグレードパッケージを持ち込んだフェラーリは、シャルル・ルクレール(写真)が2戦連続で予選4位となり、マシン開発に好感触を得た。いっぽうセバスチャン・ベッテル(写真)は9戦連続でチームメイトにグリッドで負け越し、Q2勢最後尾の15位。レースではルクレールがトップ3に次ぐ4位を守りきり、またベッテルも10位フィニッシュで今季6回目の入賞を果たしている。(Photo=Ferrari)
 
ポルトガルにもアップグレードパッケージを持ち込んだフェラーリは、シャルル・ルクレール(写真)が2戦連続で予選4位となり、マシン開発に好感触を得た。いっぽうセバスチャン・ベッテル(写真)は9戦連続でチームメイトにグリッドで負け越し、Q2勢最後尾の15位。レースではルクレールがトップ3に次ぐ4位を守りきり、またベッテルも10位フィニッシュで今季6回目の入賞を果たしている。(Photo=Ferrari)
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ハミルトンはミディアムタイヤでポール獲得

アイフェルGPではドイツ・ニュルブルクの山中で寒さに震えていたF1サーカスも、アルガルベがあるポルトガルの最南端では20度前後の温暖な気候に恵まれることとなった。しかし再舗装後のスムーズな路面に各陣営とも苦しむことになり、多くがタイヤを適温まで温めることに苦心していた。

コース脇の排水溝が壊れるというトラブルで30分遅れた予選では、メルセデスの2台が定位置のフロントローに。ポールポジションを奪ったのはハミルトンで、今シーズン9回目、通算97回目の予選P1。Q3最初のラップはソフトタイヤで走るも、最後のアタックはミディアムに履き替え、そのタイヤで2回も計測ラップを刻み、見事バルテリ・ボッタスを1位の座から引きずり下ろした。

3回のフリー走行すべてでトップだったボッタスは、0.102秒差で予選2位。メルセデスにとっては今季9回目、通算73回目の最前列独占となった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンも、今季すっかりおなじみとなった3番グリッド。こちらはポールタイムの0.252秒差まで接近、シーズン序盤の大きな差はなくなった。

フェラーリのシャルル・ルクレールが2戦連続4番グリッドと健闘。レーシングポイントのセルジオ・ペレスは5位につけ、レッドブルのアレクサンダー・アルボンは6位だった。その後ろにはマクラーレンの2台が並び、カルロス・サインツJr.7位、ランド・ノリス8位。アルファタウリのピエール・ガスリーが12戦して7度目のQ3進出で9位、ルノーのダニエル・リカルドはQ2セッション中のスピンでマシンを壊し、Q3ではノータイムの10位だった。

アルファタウリは、フリー走行2回目でピエール・ガスリー(写真)のマシンが炎上する事態に見舞われるも、プールされていたパワーユニットや交換されたシャシーで再び上位勢の仲間に入り、予選では今季7回目のQ3進出で9位。レースでも好走して5位フィニッシュを遂げている。対するダニール・クビアトは予選13位から2周遅れの19位と明暗が分かれた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリは、フリー走行2回目でピエール・ガスリー(写真)のマシンが炎上する事態に見舞われるも、プールされていたパワーユニットや交換されたシャシーで再び上位勢の仲間に入り、予選では今季7回目のQ3進出で9位。レースでも好走して5位フィニッシュを遂げている。対するダニール・クビアトは予選13位から2周遅れの19位と明暗が分かれた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
レーシングポイントは、セルジオ・ペレス(写真)が予選4位。前戦アイフェルGPを欠場したランス・ストロールは同12位からレースに臨んだ。ペレスはスタート直後に3位となるも、フェルスタッペンと接触してしまいスピン、最後尾に脱落。それでも2ストップながら着々と順位を挽回し、7位でポイントを稼ぐのだからさすがである。一方ストロールは散々な戦いを披露。ランド・ノリスのマクラーレンを強引に抜こうとして接触、フロントウイングを壊し、さらにはペナルティーで最後尾まで落ち、レース終盤にリタイアとなった。ペレスの得点が効き、チームは僅差でコンストラクターズランキング3位を死守している。(Photo=Racing Point)
レーシングポイントは、セルジオ・ペレス(写真)が予選4位。前戦アイフェルGPを欠場したランス・ストロールは同12位からレースに臨んだ。ペレスはスタート直後に3位となるも、フェルスタッペンと接触してしまいスピン、最後尾に脱落。それでも2ストップながら着々と順位を挽回し、7位でポイントを稼ぐのだからさすがである。一方ストロールは散々な戦いを披露。ランド・ノリスのマクラーレンを強引に抜こうとして接触、フロントウイングを壊し、さらにはペナルティーで最後尾まで落ち、レース終盤にリタイアとなった。ペレスの得点が効き、チームは僅差でコンストラクターズランキング3位を死守している。(Photo=Racing Point)拡大

混乱のスタートからハミルトンが首位奪還

強い風が雨を予感させた決勝日。66周レースの幕開けで、タイトなターン1に真っ先に飛び込んだのはハミルトンだったが、既に降り出していた小雨で路面はいっそうグリップしなくなり、各車が翻弄(ほんろう)される展開に。オープニングラップは、1位ボッタス、2位サインツJr.、3位ハミルトン、4位ノリス、5位はペレスと接触し順位を落としたフェルスタッペン、そして6位は16番手と後方からのスタートだったアルファ・ロメオのキミ・ライコネンという、混乱のスタートとなった。

2周目にソフトタイヤを履くサインツJr.がトップに躍り出るも、ミディアムタイヤがようやく温まったメルセデス勢の追い上げにあい、6周目にボッタスが首位、程なくしてハミルトンも2位に上がった。またフェルスタッペンも8周目にサインツJr.をオーバーテイクし3位に復活した。

10周してボッタスのリードは2.1秒、2位ハミルトンは3位フェルスタッペンに3.4秒のギャップを築いていた。だが、その後、この3人の間では、タイヤマネジメントの違いがまざまざと浮き彫りになる。そもそもソフトタイヤでスタートしていたフェルスタッペンは早々にペースを落とし始め、15周目にはトップから10秒遅れとなる。一方、1位ボッタスも遅れ始め、ひとり気を吐きファステストラップを連発していたハミルトンが、20周目に1位に躍り出ることとなった。

24周目、フェルスタッペンがピットに入り、ソフトからミディアムに交換。ミディアムスタートのハミルトンはその間にもファステストラップで快走を続け、同じタイヤながら苦戦していた2位ボッタスをどんどん突き放していった。

ポルトガルGP直前の10月22日、ハースのロメ・グロジャン(写真左)とケビン・マグヌッセン(同右)が今季末でチームを離れることを発表。グロジャンはチーム参戦初年度の2016年から、マグヌッセンは翌年からこのアメリカ発の新興チームで戦ってきた。コロナ禍で台所事情が厳しくなったことが大きな要因といわれるが、新レギュレーションが始まる2022年に向けて新たなドライバーと手を組むということは、ハースにとって悪い決断でもない。来季誰がシートにつくかは未定だが、ミック・シューマッハーらフェラーリ育成ドライバーが起用されるのではとうわさされている。ポルトガルGPではグロジャンが予選18位から17位、マグヌッセンは同19位から16位。今季はポイント3点でコンストラクターズランキング9位と苦しい戦いが続いている。(Photo=Haas)
ポルトガルGP直前の10月22日、ハースのロメ・グロジャン(写真左)とケビン・マグヌッセン(同右)が今季末でチームを離れることを発表。グロジャンはチーム参戦初年度の2016年から、マグヌッセンは翌年からこのアメリカ発の新興チームで戦ってきた。コロナ禍で台所事情が厳しくなったことが大きな要因といわれるが、新レギュレーションが始まる2022年に向けて新たなドライバーと手を組むということは、ハースにとって悪い決断でもない。来季誰がシートにつくかは未定だが、ミック・シューマッハーらフェラーリ育成ドライバーが起用されるのではとうわさされている。ポルトガルGPではグロジャンが予選18位から17位、マグヌッセンは同19位から16位。今季はポイント3点でコンストラクターズランキング9位と苦しい戦いが続いている。(Photo=Haas)拡大
2週間前のアイフェルGPを体調不良で欠場したレーシングポイントのストロール(写真)。その後のテストで新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたことが、ポルトガルGP目前に判明した。その前のロシアGPから体調を崩していたというが、アイフェルGP前は陰性、土曜日に欠場を決め、日曜日の帰宅後のテスト結果で陽性だったという。自主隔離を終え陰性となったことでポルトガルGPには出場したが、一連の公表が遅れたことで、コロナ関連の規則を定めるFIA(国際自動車連盟)はレーシングポイントに注意を促すとともに、サーキットに入る24時間以内にテストを受けるよう規則を厳格化した。なおチームオーナーでありランスの父であるローレンス・ストロールも無症状ながら感染していたという。(Photo=Racing Point)
2週間前のアイフェルGPを体調不良で欠場したレーシングポイントのストロール(写真)。その後のテストで新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたことが、ポルトガルGP目前に判明した。その前のロシアGPから体調を崩していたというが、アイフェルGP前は陰性、土曜日に欠場を決め、日曜日の帰宅後のテスト結果で陽性だったという。自主隔離を終え陰性となったことでポルトガルGPには出場したが、一連の公表が遅れたことで、コロナ関連の規則を定めるFIA(国際自動車連盟)はレーシングポイントに注意を促すとともに、サーキットに入る24時間以内にテストを受けるよう規則を厳格化した。なおチームオーナーでありランスの父であるローレンス・ストロールも無症状ながら感染していたという。(Photo=Racing Point)拡大
いま最もF1に近い日本人ドライバーは、今季F2選手権で3位につけている角田裕毅(写真)。レッドブルとホンダの後押しを受ける彼は、ポルトガルGPの次に控えるエミリア・ロマーニャGPの後に2年落ちのトロロッソのマシンをドライブすることが決まっており、既にシート合わせなどが行われている。アルファタウリのフランツ・トスト代表も、金曜日フリー走行1回目に彼を出走させることを示唆しており、今季中に最新のF1マシンをドライブする機会が巡ってきそうである。ダニール・クビアトの代わりに来季アルファタウリでデビューするのでは、とのうわさもあるが、果たして。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
いま最もF1に近い日本人ドライバーは、今季F2選手権で3位につけている角田裕毅(写真)。レッドブルとホンダの後押しを受ける彼は、ポルトガルGPの次に控えるエミリア・ロマーニャGPの後に2年落ちのトロロッソのマシンをドライブすることが決まっており、既にシート合わせなどが行われている。アルファタウリのフランツ・トスト代表も、金曜日フリー走行1回目に彼を出走させることを示唆しており、今季中に最新のF1マシンをドライブする機会が巡ってきそうである。ダニール・クビアトの代わりに来季アルファタウリでデビューするのでは、とのうわさもあるが、果たして。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

記録はプロストからシューマッハー、そしてハミルトンへ

レースは折り返しを過ぎ、「タイヤはまだ絶好調だ」と豪語していたハミルトンにもピットストップの番が巡ってくる。41周目にミディアムからハードに換装すると、翌周チームメイトのボッタスもその動きにならうことになり、これで1位ハミルトンは10秒リード、2位ボッタスと3位フェルスタッペンの間も9秒と、間延びした間隔で戦いは終盤を迎えることとなった。

順調なペースでトップをひた走るハミルトン。敵がいるとすれば天気の崩れぐらいだと思われたが、空模様はせいぜい小雨程度で済んでいた。それよりもコックピットの中で右足がつってしまい、痛みに耐えながら周回を重ねていたことをレース後に明かしていた。

スタート直後の混乱も小雨も、つった足もなんのその。2位ボッタスに25秒もの大差をつけて完勝を遂げたハミルトンが、ついに単独で歴代最多勝ドライバーとなった。デビューイヤーの2007年第6戦カナダGPで初優勝してからマクラーレンで21勝、2013年にメルセデスに移籍してからは71勝を積み重ねてきたことになる。

2001年にプロストの記録51勝を抜いてから、長く最多勝ドライバーといえばドイツの巨人、シューマッハーだった。それから19年を経て、35歳のイギリス人ハミルトンがこのワールドレコードを更新した。くしくもプロストがジャッキー・スチュワートの27勝を超え歴代最多勝記録を更新したのは、1987年のポルトガルGPでのこと。記録は破られるものという決まり文句も聞こえてきそうだが、少なくとも当面は破られそうもない、孤高の記録が今回樹立されたことは間違いないだろう。92勝といえば、歴代3位のベッテル(53勝)より39勝も多く、4位プロスト(51勝)と5位セナ(41勝)を足した数に匹敵する、途方もない数字なのだから。

ポルトガルGPに続く第13戦は、2006年以来となるイタリアはイモラでのエミリア・ロマーニャGP。決勝は11月1日に行われる。

(文=bg)

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