ニッポン総電気自動車化は不可能ではない!? EVをネットワーク化する“VGI”の可能性

2021.01.04 デイリーコラム

誤解を招いたメディアの過熱報道

2020年12月初頭、大手メディアがこぞって「2030年代に日本でもガソリン車販売禁止」という衝撃的な見出しでニュースを報じた。ただ、それは多くの専門家の先生方も論じているように、いわゆる"クルマの電動化"をかなり曲解した先走った内容であった。しかし、一般的には相当なインパクトがあったらしく、その後も「日本からエンジンが消える!」みたいな極端な報道がおさまらず、ついには日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長も、12月17日のオンライン記者会見で苦言を呈さざるをえなくなった。

同会見で豊田会長が語ったのは「電動化=電気自動車(EV)化ではない」という根本的な認識にはじまり、「日本の電動化比率35%はノルウェーの68%に次ぐ世界2位」「日本の自動車業界は2001年度から2018年度にかけてCO2を22%も削減している」「自工会もカーボンニュートラルには賛成だが、簡単ではなく、技術的なブレークスルーがいくつも必要。また、単純にそれだけを追求すれば、製造過程の電力消費も含めて、火力発電中心の日本ではクルマの生産そのものが困難になる」といった趣旨である。ちなみに、このときの豊田氏はあくまで自工会会長の立場であり、トヨタ自動車社長としての発言なら、少しちがうものになっていたかもしれない。

いずれにしても、豊田会長の発言内容は、ある程度クルマに詳しいエンスージアストの皆さんにとって目新しいものはほとんどなかった……のだが、ひとつだけ、注目すべき発言があった。それは“クルマがEV化されたときに必要とされる電力”についての試算だ。

日本の自動車メーカー14社によって構成される日本自動車工業会。今日の会長は、トヨタ自動車社長の豊田章男氏が務めている。
日本の自動車メーカー14社によって構成される日本自動車工業会。今日の会長は、トヨタ自動車社長の豊田章男氏が務めている。拡大
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