仏ルノーが新戦略「Renaulution」発表 高収益グループへの転換を目指す
2021.01.14 自動車ニュース![]() |
仏ルノーは2021年1月14日(現地時間)、オンラインによる発表会を開催し、グループ・ルノーの新戦略「Renaulution(ルノーリューション)」の概要を説明した。
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台数よりも収益を重視
Renaulutionは「ボリュームからバリューへのシフト」、すなわち「市場シェアや売上高のアップではなく、収益性やキャッシュ創出、投資効果の向上」を目標とする、ルノーの新たな事業戦略だ。
まず2023年までの「復活」段階ではマージンの回復に注力し、2025年までの「リノベーション」ではラインナップの刷新と充実を図りブランドの収益性を向上させ、2025年以降の「レボリューション」では、ビジネスモデルを技術・エネルギー・モビリティーへと転換、グループ全体を変革していくという。
発表会に登場したグループ・ルノーCEOのルカ・デメオ氏はこの戦略について、「エンジニアリングをはじめとする業務の合理化や、将来性の高い製品や技術へのリソースの再配分は、将来的な製品ラインナップ、つまり新技術を搭載する、電化された、競争力のある製品を生み出す原動力となる」「それがブランドの強みとなり、おのおのが明確で差別化された独自のテリトリーを持ち、収益性と顧客満足度に責任を持つことにつながる」などと説明。さらに、2030年までにはグループ・ルノーが「テクノロジーを活用した自動車会社」から「自動車を活用したテクノロジー会社」に移行し、収益の少なくとも20%をサービス、データ、エネルギー取引から得る組織になるという見通しを示した。
新戦略においては、日産自動車や三菱自動車も含めたアライアンスによるエンジニアリングと製造の効率化も図られ、車両のベースとなるプラットフォームは6つから3つに削減。パワートレインについても合理化が図られ、8つから4つに集約される。また生産計画についても、2019年の400万台から2025年には310万台に減らすなど“適切なダウンサイジング化”が展開される。さらに、サプライヤーとの効率的な連携を追求し、固定費の削減も加速させ、グループの回復力を高めるという。
具体的なビジネスユニットとして展開されるブランドは、「ルノー」「ダチア」「ラーダ」「アルピーヌ」。なかでもルノーブランドはエネルギー、技術、モビリティーサービスなど、自動車産業の内外を問わず、現代性と革新性を体現していくことが目標とされている。2021年シーズンからF1に参戦するアルピーヌはノスタルジックなブランドから前衛的なブランドへと変貌。今回、ピュアスポーツカーだけでなく、EVのBセグメントハッチバックを開発する計画も明らかにされた。
さらにグループでは、“クルマの先の新ビジネスユニット”として、Mobilize(モービライズ)も設定。これはクルマの残存価値改善や車両の利用時間の拡大、カーシェアリング車両のリサイクルなど、自動車ユーザーの利益につながるもので、データやエネルギー関連サービスから新たなプロフィットプールを開発し、2030年までにグループの収益の20%以上を生み出すことを見込んでいるという。
(webCG)