メルセデス・ベンツEQA250(後編)

2021.08.26 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が、メルセデス・ベンツの新型EV「EQA250」に試乗。一般のドライバーでは感じ取れないかもしれない、“ちょっと気になる挙動”についてリポートする。
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問題は出口で起きる

メルセデス・ベンツEQAのコーナリングに最初はあまり納得していない様子だった谷口信輝。しかし、少しペースを上げたところ「よく曲がるし、安定しているし、メルセデス・ベンツらしい走りの味が感じられる」とその評価は一変した。ただし、詳しく話を聞いてみると、必ずしももろ手を挙げて称賛できるほど、コーナリング中の挙動が優れていたわけでもなかったらしい。どこに物足りなさを感じたのか。谷口にさらに突っ込んで解説してもらった。
「本当にコーナリングしている最中はいいんです。クルマがロールしたときの粘り感みたいなのもあって、挙動としては安定しています。ただ、コーナーの出口が近づいてステアリングを直進方向に戻したとき、クルマがロール方向にちょっとフワフワっとします。おそらく、この動きはほんのわずかなものなので、一般の方は気づかないかもしれないし、街なかの走りとかには、なんら影響はないと思います。ただし、クルマのプロとして見たとき、この動きはちょっと気持ち悪いですね」

谷口も明言しているとおり、この“フワフワとした動き”はごく小さいので、日常的な走りをしている範囲で言えばなにも支障はないし、一般の方のほとんどは、おそらく気づかないはず。ただ、谷口くらい繊細な感覚の持ち主だとどうしても目についてしまう。この、谷口の微妙な評価を、読者の皆さんにはぜひ、ご理解いただきたいと思う。
「例えば、ウチの奥さんであれば、EQAをものすごく気に入ると思いますよ」

それは、なぜだろうか?
「ウチの奥さんは、大きいクルマを運転するのが苦手。普段は『メルセデスAMG A45』に乗っているんですが、あのサイズが扱いやすいみたいだから、EQAもきっと大丈夫だと思います。そうそう、ウチの奥さんはSUV好きだし、もっと言えばメルセデスが大好き。それに、普段からメルセデスに乗り慣れているので、EQAに乗り換えても操作系で迷うことはないはず。僕が今日、このEQAに乗って帰ったら、きっと奥さんは喜ぶはずですよ」

 
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