これが未来の高級セダン アウディが「グランドスフィア コンセプト」を発表
2021.09.03 自動車ニュース![]() |
独アウディは2021年9月2日(現地時間)、新たなコンセプトカー「グランドスフィア コンセプト」を発表した。
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「いかに走るか」より「どう過ごせるか」
グランドスフィア コンセプトは、未来のラグジュアリーセダンをイメージしたという、100%電動のコンセプトカー。飛行機のファーストクラスを連想させる快適な空間と、デジタル技術による包括的な乗車体験を融合させるモデルとうたわれる。レベル4の自動運転にも対応しており、フォルクスワーゲン グループのソフトウエアシンクタンクであるCARIADとの協力により2020年の後半に実現することが目標とされている。
全長×全幅×全高=5.35×2.00×1.39mと大柄なグランドスフィア コンセプトだが、車体にBピラーはなく、ドアは観音開き。「シングルフレームグリルの革新的解釈」とされるフロントデザインやダイナミックなルーフライン、23インチの大径ホイールなどが外観上の特徴となっている。
インテリアは従来型のダッシュボードを持たない、広々としたガラス面や透明なルーフを組み合わせた開放的な空間で、パーソナライズされたディスプレイとアンビエントライトが乗員を迎える。シートのレイアウトは2+2でアームレスト一体型の後席とシートベルト統合型の前席が組み合わされる。「道路を走るプライベートジェット」の比喩にふさわしく、フロントのシート間にはグラスや車載クーラーも装備。ドライバーを含む乗員の着座位置は自動検出され、おのおのにとって最適なポジションとエアコンディションが提供される。
自動運転を使用しない手動走行モードでは、車両を思いのままに操ることが可能だ。グランドスフィア コンセプトには前後2基のモーターが搭載されており、システム最高出力721PS(530kW)、同最大トルク960N・mを発生。0-100km/h加速4.0秒強という動力性能を発揮する。オンデマンド型AWDシステムに加えて4輪操舵システム、エアサスペンションとアクティブサスペンションも装備しており。ボディーの挙動をほとんど感じさせない快適性と、優れた小回り性を両立させるという。
フロア下に搭載されるバッテリーの容量は約120kWh。最大出力270kWの急速充電システムを活用すれば、300kmの走行に必要なエネルギーを10分で蓄えることが可能。バッテリー残量が5%を切った状態からでも、25分未満で容量の80%まで回復できる。
一方、自動運転モードではステアリングホイールとペダル類が格納され、インテリアは広々とした体験空間へと変化する。ドライバーはシートを後方に移動させ、大きくリクライニングさせたリラックスポジションがとれ、アイトラッキングやジェスチャーコントロールで快適装備を操作できるようになる。アウディ独自のサービスとデジタルサービスが統合された結果、例えば、乗員の現在地情報をもとに迎えに行ったり、駐車や充電を無人で行ったりもできる。次世代型のインフォテインメントシステムでは、自宅で利用しているサービスとのシームレスなリンクが可能となるほか、エクスクルーシブなイベントをはじめとする、ラグジュアリーカーに特化した専用オプションの提供も想定されている。
このようにグランドスフィア コンセプトにおいては、自動車を従来の輸送機器から“体験型デバイス”に変化させるというコンセプトがポイントとなっている。
(webCG)