第683回:これが発売されていたら歴史は変わった? 激レアなランボルギーニのコンセプトカー5選
2022.04.25 エディターから一言 拡大 |
2022年第1四半期の販売台数が過去最高を記録するなど、好調が伝えられるランボルギーニ。しかし過去を振り返れば、不振にあえいだ時期もあった。今回はそうした低迷期に発表されたがゆえに市販化に結び付かなかった、レアなコンセプトカーを5モデル紹介する。
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カロッツェリアからの提案
ランボルギーニの歴史も半世紀を優に超えた。途中、石油危機を直接の理由とした経営難や、年々厳しさを増す排出ガス規制に苦しめられ、次々に親会社を変えた時代もあった。しかし、現在のアウディグループに属してからは安定。すでに四半世紀という節目も見えてきた。その間の成長ぶりは誰の目にも明らかなところである。
ここではそのランボルギーニの歴史のなかで、生産化に至ることなくひっそりと消えていったコンセプトカーを紹介していく。その歴史をひも解けば、ランボルギーニはもちろんのこと、カロッツェリアと呼ばれるデザイン工房からは、さまざまなコンセプトカーが提案されていることがわかる。コンセプトカーを実際の製品として開発・製造・販売し、それが成功するか否かの判断はもちろんのこと、時代によっては製品化するチャンスや資金力に恵まれなかったという事情もあっただろう。
設立当初のランボルギーニには、ランボルギーニのパワートレインやシャシー、メカニズムを使用したさまざまなアイデアがカロッツェリアから寄せられていた。カロッツェリア・トゥーリングによる「350GT」ベースのオープンモデル「350GTS」や「400GT 2+2」ベースの「フライングスターII」、巨大なガルウイングドアを持ち4リッターV12エンジンの片側バンクのみを使用した2リッター直6エンジンをリアに搭載するベルトーネの作品「マルツァル」などは、1960年代に誕生したコンセプトカーだ。ベルトーネからは1968年に「ミウラ」のオープン仕様である「ロードスター」も発表されたが、これも1台が製作されたのみで量産には至らなかった。
では、そうしたメジャーなコンセプトカーとは異なり、ランボルギーニのファンでもすでにその存在を忘れてしまったような、よりコアなコンセプトカーを紹介することにしよう。
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ベルトーネのランボルギーニ3部作
まずは1970年代のベルトーネが、1970年代から1980年代という、ランボルギーニが経営的に最も苦しかった時代に生み出した、「ブラーボ」「アトン」「ジェネシス」の3モデルである。
この3モデルのなかで、ブラーボは比較的知られた存在だろう。発表は1974年のトリノショー。ランボルギーニにとって初となるV8エンジンのコンセプトカーであり、「ウラッコ」の後継車像を探る重要な役割を担っていたことも事実であった。
ボディーデザインを手がけたのはもちろんマルチェロ・ガンディーニ。リアミドには3リッターV8を搭載したほか、後に「カウンタック」でも使用され、ダイヤル型として現在にまでモチーフが続く5穴デザインのホイールも採用されている。
続いてベルトーネがランボルギーニに提案したのが、アトンだ。デタッチャブルトップの「シルエット」をベースに、フルオープンのエクステリアを直線基調で描き出した未来的な感覚に満ちあふれた大胆なデザインだ。発表は1980年。しかしこの時すでにランボルギーニは、イタリア政府の管轄下に置かれるまでに、その経営状況は悪化していた。
だがベルトーネはランボルギーニの再興を信じ、1988年にはモノボックス&ディヘドラルドアスタイルのジェネシスを製作。当時は「カウンタック5000クアトロバルボーレ」のV12エンジンを流用したジェネシスに対し、ランボルギーニがミニバン? と、画期すぎる提案を訝(いぶか)ったものだが、最近は「現代のランボルギーニのラインナップにあってもおかしくはないのでは」と考えるようになってきた。
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ジウジアーロのデザインスタディー「マルコポーロ」
「ランチア・ベータ」のプラットフォームを使用して、究極的なエアロダイアミクスボディーを開発したイタルデザイン・ジウジアーロ。その「メドゥーサ」とネーミングされた1980年発表のコンセプトモデルは、当時としては画期的なCd値=0.26を実現するに至ったが、それを超えるべく同社がランボルギーニのワンオフシャシーをベースに製作したのが、1982年の「マルコポーロ」だった。空力性能を追求した結果、得られたCd値は0.24。それは提案側のジウジアーロはもちろんのこと、ランボルギーニにとっても、大いに喜ばしいニュースであっただろう。
イタルデザインからはもう1台、V10エンジンを搭載した「カラ」も紹介しておこう。1995年のジュネーブモーターショーで発表されたカラは、新世代のスモールランボルギーニとして期待されたが、結局1998年に新たな親会社となったアウディの意向で、その計画は白紙撤回された。
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フルアが手がけた「ファエーナ」
時間は若干さかのぼるが、1978年にカロッツェリア・フルアがトリノショーに出品した、「ファエーナ」も、実に美しい4ドアファストバックモデルだった。ベースとなったのは、そのボディーの大きさからも想像できるように「エスパーダ」で、シャープなライン構成は生産化に至れば上流層にかなりの人気を博したに違いない。
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50周年記念として登場した「エゴイスタ」
そして最後に、「もう忘れてもいいでしょう」というのが正直な印象のコンセプトカーを1台。それはランボルギーニ創立50周年、2013年にサンタアガタ・ボロネーゼの本社で開催された記念式典のディナーでサプライズデビューを飾った「エゴイスタ」だ。
当時フォルクスワーゲン・アウディグループのデザイン部門を統括していたワルター・デ・シルヴァによるそのエクステリアデザインは、戦闘ヘリコプター「AH-64アパッチ」にインスピレーションを得たものとされ、キャビンは1人用。搭載エンジンは600PS仕様の5.2リッターV10であるというのだが、栄えある50周年記念コンセプトカーに「これは、あまりにも攻めすぎでは……」というのが会場の雰囲気だったように記憶している。
ちなみにこのエゴイスタは、現在も本社に併設されるランボルギーニミュージアムに展示されているので、人々の記憶から消え去ってしまうことはないだろうが。
(文=山崎元裕/写真=アウトモビリ・ランボルギーニ、ベルトーネ、RMサザビーズ、イタルデザイン、Newspress/編集=櫻井健一)

山崎 元裕
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