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BMW M2プロトタイプ(FR/8AT)【海外試乗記】

もっともコンパクトな“駆けぬける歓び” 2022.07.20 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 2022年秋の市場投入へ向け、着々と準備が進められている新型「BMW M2」。兄貴分である「M3/M4」のエンジンを手に入れた後輪駆動のコンパクトスポーツは、いかなクルマとなっているのか? プロトタイプの走りをサーキットで試した。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
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最高出力450PS、最大トルク550N・m

ほとんどのモデルでキドニーグリルがXXLサイズになっているし、現行「1シリーズ(F40)」は横置き3/4気筒エンジンのみ、後輪駆動なしと、最近のBMWファンは楽しみが少ない。また、非常に大胆なデザインの電気自動車SUV「iX」もある。しかし、遅くとも2022年秋までには、旧来のBMWファンも納得するような真の内燃機関の目玉モデルが登場する。それが新型M2(G87)だ!

BMWは現在、新型M2を公式に予告し、独自のウェブサイトを開設している。外観の予告に加え、コンパクトスポーツカーのエンジンについてもヒントを与えている。新型BMW M2のこれまでの情報をおさらいしよう。

ひとつだけ確かなことがある。新しいBMW M2もまた運転する楽しさを保証してくれるに違いない。従来型「M2コンペティション」は、すでに「S55」型直列6気筒で410PSを発生していたが、後継モデルはさらに数十馬力を上乗せする。

パワートレインは、「M3」や「M4」に搭載されている排気量3リッターの新型エンジン「S58」が採用されることが明らかになっている。「ノーマル」バージョンで480PS、「コンペティション」バージョンで510PSを発生する。

しかし、今度のM2は、それらのモデルに対して、ある種の敬意を払って距離を置いている。とはいえ、ベーシックバージョンでは、最高出力450PS、最大トルク550N・mを後輪で引き裂く。トランスミッションは標準で6段MT、オプションでZF製8段ATが用意されている。

M3やM4にオプションで用意されている全輪駆動はなく、後輪駆動のみのようだ。「xDrive」を搭載しないことでより軽量化されたM2は、兄弟モデルを性能面で凌駕(りょうが)し、シェアを奪うと推測される。

新型「BMW M2」には、「M3」や「M4」に搭載される排気量3リッターの新型直6エンジン「S58」が採用される。
新型「BMW M2」には、「M3」や「M4」に搭載される排気量3リッターの新型直6エンジン「S58」が採用される。拡大
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安定性が高く、動きはシャープ

われわれは今回まだ厳重にカムフラージュされたプロトタイプで、最初の周回をすることを許された。高速走行時には、新型M2は先代モデルよりもはるかに安定性が高く、同時に短いホイールベースによって縦軸方向の動きも十分に確保されている。クーペは約4秒で0-100km/hまで加速し、最高速度は280km/hに設定されている。

この敏しょう性は、自発的でありながら予測可能なセルフステアリング挙動も決定する。新型M2のターンイン挙動は、フロントアクスルに装着された275タイヤのおかげもあって、さらにシャープになっている。

限界域での反応も、よりプログレッシブになっており、調整可能なスプリングとダンパーのセットアップが成功している。そして450PSの直6の音は? 穏やかなものから猛烈なものまで、あらゆるものがそろっている。だから、新しいM3やM4は高すぎる、あるいは気取りすぎだと思う方は、2023年に登場するこのM2を待ったほうがいいだろう。この価格帯でこれ以上のものはない。

短いホイールベースと275幅のフロントタイヤの組み合わせで、クルマの挙動はシャープそのものだ。
短いホイールベースと275幅のフロントタイヤの組み合わせで、クルマの挙動はシャープそのものだ。拡大

エントリー価格は6万5000ユーロ程度か

新型M2のウイングは、先代のM2(F87)や、伝説の「1シリーズMクーペ」と同様に、真のMモデルにふさわしく、フレア形状を採用している。リアでは、トップモデルが4本出しのエキゾーストによってその姿を現す。この4本のテールパイプがフェイクでなく本物であることは、M2にとっては名誉なことなのだ。

話題の“ビーバーキドニー”は、Mバージョンとノーマルモデルとの区別をより強くするためのものだそうだ。しかし、“普通”の「BMW 2シリーズ クーペ(G42)」の現行モデルは比較的ワイドなキドニーを装着しているものの、「4シリーズ」とは異なり、大きさはそれほどでもない。M2に関しては、大型のキドニーグリルの採用を批判する人たちの、コンパクトサイズのキドニーグリル採用に対する大きな期待を集めているのは確かだ。

BMW M社は、すでに「Mパフォーマンスパーツ」の予告を行っている。どうやら、上位の「2シリーズ」には、将来的に、リアにスポイラーやカラーリムを装着することも可能なようだ。カムフラージュされたプロトタイプでは、テールパイプが斜めにオフセットされ、1本ずつ上に配置された、M3やM4でおなじみのパフォーマンスエキゾーストシステムも確認することができる。

2022年秋に新型BMW M2が登場するとき、おそらく先代モデルよりも少し高価になることだろう。410PSのM2コンペティションは、前回は約6万2500ユーロ(約875万円)から販売されていた。次期M2のエントリー価格は、おそらく6万5000ユーロ(約910万円)程度になると思われる。登場を楽しみに待っていたい。

(Text=Katharina Berndt, Andreas Huber and Jan Götze/Photos=BMW AG)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

「M3」や「M4」で物議を醸している巨大なキドニーグリルは、新しい「M2」にも採用されるのだろうか?
「M3」や「M4」で物議を醸している巨大なキドニーグリルは、新しい「M2」にも採用されるのだろうか?拡大
AUTO BILD 編集部

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