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スズキ・スイフト(FF/5MT)【海外試乗記】

お値段以上の価値がある 2024.08.20 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 世界で900万台以上が販売されてきた大人気モデル「スズキ・スイフト」。7代目となる新型は、海外でどのように評価されているのか? これまでの成功をさらに発展させることを目指し、スズキが投入した小さな巨人に、『AUTO BILD』のスタッフが試乗した。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
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「スイフト」には40年の歴史がある

これまでに世界で900万台以上が販売されたスズキ・スイフトは、2024年に誕生40周年を迎える。この40周年を記念して、スズキは7代目となるスモールカーを発表した。

その価格が発表されたが、予想どおり、新世代スイフトは2万ユーロ(約324万円)以下のままだ。価格は1万8900ユーロ(約306万円、それでも日本より約100万円高い!!)から。装備のバリエーションは3種類。エントリーレベルには「クラブ」グレードがあり、その上には「コンフォート」と「コンフォート+」がある。

CVTギアボックス付きのスイフトを注文したい場合は、上位2つのグレードから選ぶ必要がある。最近までは全輪駆動の「オールグリップ」バージョンも同様だった。しかしスズキは現在、ベーシックなクラブにも全輪駆動を設定しており、オールグリップバージョンは2万0700ユーロ(約335万円)からとなっている。

欧州でも新型スイフトはすでに注文を受け付けており、2024年4月から販売店に並んでいる。全輪駆動モデルも2024年10月に続く。

40年にわたり世界で900万台が販売されてきたスズキの人気モデル「スイフト」。7代目となる新型でも、リーズナブルな価格設定は変わらない。
40年にわたり世界で900万台が販売されてきたスズキの人気モデル「スイフト」。7代目となる新型でも、リーズナブルな価格設定は変わらない。拡大
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ビジュアルは先代モデルに忠実

外見上、新型スイフトはほぼ従来型そのままで、ヘッドライトの形状(LED化)もほとんど変わっていない。ライトエレメントの間には大きなラジエーターグリルがあるが、そこを横断していた中央の支柱は消えている。最も印象的なディテールは、ボンネットの形状だろう。

全長わずか3.86m、全幅はわずか1.74mである。全高は駆動方式によって1.5~1.52m、ホイールベースは2.45mだ。

新型スイフトのトランク容量は265リッター。リアシートを倒せば最大589リッターの容量を確保できる。トノカバーを上げれば、その容量は980リッターに拡大する。

【サイズ一覧】

  • 全長:3860mm
  • 全幅:1735mm
  • 全高:1495mm
  • ホイールベース:2450mm
  • ラゲッジコンパートメント容量:265~589リッター(最大980リッター)

モデルチェンジに伴い、新色の「ブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック」が追加された。このページの写真車両も新塗装色「バーニングレッドパールメタリック」。カラーバリエーションは全13色で、そのうち3色はツートンカラーとなっている。

パワーユニットは1種類のみ。新世代の48Vマイルドハイブリッドシステム付き1.2リッター3気筒エンジンのみで、83PSの最高出力と112N・mの最大トルクを発生する。動力は5段マニュアルギアボックスまたは無段変速のCVTで伝達される。全輪駆動も選べるが、マニュアルギアボックスとの組み合わせとなる。最高速はマニュアルが165km/h、CVTが170km/h、全輪駆動モデルは160km/hである。

外装における新型「スイフト」のイメージは、従来型とほとんど変わっていない。
外装における新型「スイフト」のイメージは、従来型とほとんど変わっていない。拡大
全長3.86m、全幅1.74mとコンパクトな「スイフト」は、市街地走行に最適だ。
全長3.86m、全幅1.74mとコンパクトな「スイフト」は、市街地走行に最適だ。拡大
ラゲッジコンパートメントの容量は265リッターで、後席を倒せば589リッターの空間を確保できる。
ラゲッジコンパートメントの容量は265リッターで、後席を倒せば589リッターの空間を確保できる。拡大

インテリアの質感は……もう一声!

新型スイフトのインテリアは、先代モデルと比べて大きく変わった。独立型の9インチインフォテインメントディスプレイはタッチ操作が可能で、「Apple CarPlay」と「Android Auto」によりワイヤレスでスマートフォンと接続する。また、衝突警告システムやブレーキアシストなどの安全装備もより充実したものとなった。

ステアリングホイールの後ろは、アナログの丸型計器が並ぶ少しクラシックな雰囲気だ。新型スイフトでは、ステアリングホイールとセンターコンソールにハプティックボタンが採用されている。センターコンソールはドライバー側に少し傾いており、ブラックとライトグレーのツートンカラーのダッシュボードは、インテリアにスポーティーでダイナミックな印象を与えている。

コックピットの素材だけは、正直、もう少しよかったらと思う。なぜなら、そこには硬質プラスチックしか使われていないからだ。

グレードは、今回もおなじみのクラブ、コンフォート、コンフォート+が用意されている。ベーシックなクラブでも衛星ナビゲーション、キーレススタート、アダプティブクルーズコントロール、LEDヘッドライトを装備。さらにコンフォートには、16インチホイール、レザーステアリング、フロントシートヒーター、6スピーカー付きサウンドシステム、充電用USB-AおよびUSB-Cポート、スモークリアウィンドウが装備され、コンフォート+には、オートエアコンと電動エクステリアミラーも追加される。

インストゥルメントパネルまわりはすべてハードプラスチックでできており、その質感はちょっと残念だ。
インストゥルメントパネルまわりはすべてハードプラスチックでできており、その質感はちょっと残念だ。拡大
独立型の9インチインフォテインメントディスプレイはタッチ操作が可能。携帯端末とワイヤレスで接続できる。
独立型の9インチインフォテインメントディスプレイはタッチ操作が可能。携帯端末とワイヤレスで接続できる。拡大

実直なエンジン、硬めの足まわり

路上では、スイフトはその低燃費が実に魅力的だ。意欲的にアクセルを踏み込んでも、市街地や田舎道ではオンボードコンピューターが計算する5リッター/100km(20km/リッター)という数字を大きく超えることはほとんどない。5段マニュアルギアボックスの4.4リッター/100km(22.7km/リッター)という工場出荷時の仕様も、非現実的とは思えない。穏やかに走行しているとき、カラーディスプレイは4リッター/100km(25km/リッター!)を示すこともあった。

走行性能については、ほぼほぼ想定内だ。0km/hから100km/hに達するのに12.5秒かかり、速度の終点は165km/hだ。しかし、112N・mの低トルクにもかかわらず、スイフトには弾むようなフィーリングがあり、ギアスティックははっきりとかみ合う。

スズキがよりフィーリングを向上させたと主張するステアリングには、滑らかすぎず、心地よいダイレクト感がある。やや控えめなダンピングも、ここではあまり重要ではない。しかし、スプリングとダンパーが硬めに設定されているため、路面状況を常に意識させられる。「スイフト スポーツ」は言うに及ばず、よりパワフルなエンジンがラインナップされなくなったのは残念だ。

硬質プラスチックで覆われた車内では、警告音はピーピーと鳴り響き、ことあるごとに耳につく。これは新しい速度警告にも関係しており、オンボードコンピューターディスプレイのさまざまな操作ステップで解除するのは非常に複雑だ。

新しい9インチのインフォテインメントシステムは、先代モデルよりも反応が速く、必要に応じてスマートフォンをワイヤレスでミラーリングできるようになった。しかし最初のペアリングに時間がかかりすぎ、グラフィックも基本的なものだ。ナビゲーションは標準で装備されていて、新搭載のクルーズコントロールが地図データに基づいてカーブを予測し、適切なタイミングでのブレーキングに役立つ。

結論

新型スイフトは、比較的安価で多くの要素を手に入れられることを示している。インテリアの素材の質感だけはもう少しよくなってもいいだろう。しかし、基本的には、この小さなクルマはとてもよくできている。

われわれのお気に入り

  • リーズナブル
  • 最新のインフォテインメント

不満な点

  • インテリアの質感の低さ
  • スポーツバージョンの廃止

(Text=Sebastian Friemel/Photos=Christoph Börries)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

82PSのパワーと112N・mのトルクを持つ「スイフト」は、楽しさよりも経済性を重視して設計されている。
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1.2リッターのガソリンエンジンは、従来型が4気筒だったのに対し、新型では3気筒に。スペックは控えめだが、実際には数字以上に元気に走ってくれる。
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9インチのインフォテインメントシステムは、先代モデルよりも反応が速い。ナビゲーションも標準で装備される。
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「スイフト」は停止状態から100km/hまで12.5秒で加速。しっかりとしたサスペンションが路面状況を常に伝える。
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新型「スズキ・スイフト」と筆者。
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AUTO BILD 編集部

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