BMW M4カブリオレ コンペティションM xDrive(前編)

2022.10.02 池沢早人師の恋するニューモデル 池沢 早人師 漫画『サーキットの狼』の作者・池沢早人師が「BMW M4カブリオレ コンペティションM xDrive」に試乗。プライベートでもそのクーペバーションをオーダーするほどM4をお気に入りだが、開放感あふれるオープンモデルの印象やいかに。

安定感は抜群ながら……

最新世代のBMW M4は、まずはクーペで後輪駆動のラインナップから導入が開始された。最高出力480PSの3リッター直6ツインターボを搭載するベースグレード「M4」と、最高出力を510PSにアップした「M4コンペティション」、サーキットでの走りを追求した軽量バージョン「M4コンペティション トラックパッケージ」が2021年1月に上陸。そして同年9月に四輪駆動バージョン「M xDrive」のBMW M4クーペ コンペティションと同トラックパッケージが、さらにそのオープンバージョンとなるM4カブリオレ コンペティションが続いた。

今回の試乗車はそうしたM4の導入ラインナップにおいて唯一のオープンモデル、M4カブリオレ コンペティションM xDrive(以下、M4カブリオレ)である。

試乗を終えて車両右側のドアから降りてきたのは、池沢早人師先生。言わずと知れた漫画界のレジェンドであり、元JTCCレーサーだ。ついでに言えば、カブリオレではなくクーペのほうのM4コンペティションM xDriveをオーダー済みで、現在その納車を待っている人物でもある。

そんな池沢先生の表情が、いまひとつさえない。……何があったのか?

先生、どうされましたか? まさかまさかの展開で、M4カブリオレがイマイチだったとか?
「いえいえ、そんなことはまったくありませんよ。全体的に非常に引き締まっている印象がありますし、コーナーにおける安定感も抜群です。素晴らしいクルマですよ」

しかし、そうおっしゃっている先生の目に、失礼ながらいつもの輝きがないようにも見えるのですが?
「うーん、なんといいますかうまい言葉が見つからないのですが、少し期待と違ったというか、あれ? こんな感じだったかな……というか。あまりに次元の高い安定感のせいで、速さはあるのに物足りないというか、ビビッとくる刺激が良くも悪くもなかったんです」

2021年9月に導入が発表された「BMW M4」のオープントップモデル「M4カブリオレ コンペティションM xDrive」。車両本体価格はクーペモデルよりも56万円アップの1463万円となる。
2021年9月に導入が発表された「BMW M4」のオープントップモデル「M4カブリオレ コンペティションM xDrive」。車両本体価格はクーペモデルよりも56万円アップの1463万円となる。拡大
最高出力510PS、最大トルク650N・mを発生する3リッター直6ツインターボエンジンに、Mモデル専用の4WDシステム「M xDrive」が組み合わされる。
最高出力510PS、最大トルク650N・mを発生する3リッター直6ツインターボエンジンに、Mモデル専用の4WDシステム「M xDrive」が組み合わされる。拡大
【BMW M4カブリオレ コンペティションM xDrive】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4805×1885×1395mm/ホイールベース:2855mm/車重:1930kg/駆動方式:4WD/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:510PS(375kW)/6250rpm/最大トルク:650N・m(66.3kgf・m)/2750-5500rpm/タイヤ:(前)275/35ZR19 100Y/(後)285/30ZR20 99Y(ミシュラン・パイロットスポーツ4 S)/燃費:9.6km/リッター(WLTCモード)/価格:1462万円

【取材時の燃費データ】
テスト距離:267.9km(市街地2:高速道路6:山岳路2)/使用燃料:54.2リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:4.9km/リッター(満タン法)/5.3km/リッター(車載燃費計計測値)
【BMW M4カブリオレ コンペティションM xDrive】
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4805×1885×1395mm/ホイールベース:2855mm/車重:1930kg/駆動方式:4WD/エンジン:3リッター直6 DOHC 24バルブ ツインターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:510PS(375kW)/6250rpm/最大トルク:650N・m(66.3kgf・m)/2750-5500rpm/タイヤ:(前)275/35ZR19 100Y/(後)285/30ZR20 99Y(ミシュラン・パイロットスポーツ4 S)/燃費:9.6km/リッター(WLTCモード)/価格:1462万円
	
	【取材時の燃費データ】
	テスト距離:267.9km(市街地2:高速道路6:山岳路2)/使用燃料:54.2リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:4.9km/リッター(満タン法)/5.3km/リッター(車載燃費計計測値)拡大
関連記事
  • BMWアルピナB4グランクーペ(4WD/8AT)【試乗記】 2023.5.6 試乗記 ベースとなるメカニズムが同じでも、Mとアルピナでは目指す性能の方向が大きく違う。「BMWアルピナB4グランクーペ」は、アクセルを深く踏んでもタイトなコーナーを曲がっても、ことさらに主張することなくただただクールに速い。これこそがアルピナマジックである。
  • BMW M440i xDriveカブリオレ(4WD/8AT)【試乗記】 2021.9.20 試乗記 BMWの「4シリーズ カブリオレ」が2代目に進化。“Mパフォーマンス仕上げ”の最上級モデル「M440i xDriveカブリオレ」を郊外に連れ出し、伝統のストレート6と4WDのシャシー、そしてオープンスタイルが織りなす走りを確かめた。
  • BMW M850i xDriveカブリオレ(4WD/8AT)【試乗記】 2019.7.12 試乗記 BMWの最上級オープンカーなんて、お金持ちが気軽に乗り回すだけのクルマじゃないか? そんな偏見を吹き飛ばす、完璧と言いたくなるほどの走りを、新しい「M850i xDriveカブリオレ」は味わわせてくれた。
  • レクサスUX300e“バージョンL”(FWD)【試乗記】 2023.5.26 試乗記 レクサス初の電気自動車「UX300e」が、一充電走行距離を大幅に拡大する大規模な改良を受けた。2035年のBEV専業ブランド化に向けてニューモデルがどんどん登場することだろうが、やはり初号機へのケアは手厚い。高速道路を中心に300km余りをドライブした。
  • 「DS 3」のマイナーチェンジモデルが日本上陸 2023.5.23 自動車ニュース ステランティス ジャパンは2023年5月23日、「DS 3」のマイナーチェンジモデルの国内導入を発表し、販売を開始した。デザインのブラッシュアップに加えて機能装備も強化。車名も「DS 3クロスバック」から改めている。
ホームへ戻る