ボルボが「EX90」を発表 自動運転も見据えた7人乗りの電動SUV
2022.11.10 自動車ニュース![]() |
スウェーデンのボルボ・カーズは2022年11月9日(現地時間)、7人乗りの100%電気自動車(EV)「ボルボEX90」を発表した。
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最新技術でデジタル化を推進
ボルボは2040年までにクライメートニュートラル(気候中立=温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組み)な企業になるという目標を掲げている。今回発表された新型車EX90は、同社の完全な電動化に向けての方向性を示すフラッグシップモデルと位置づけられる。EX90の登場を皮切りに、ボルボは今後、毎年1台ずつ新しいEVを発表するという。
EX90は多用途でスタイリッシュなファミリーカーで、現代的なプロポーションを持ち、コアコンピューティングやコネクティビティー、電動化などの最先端技術と組み合わせて、安全性、効率、デザインを最適化したと紹介されている。
ボルボ自慢の安全性はこれまでのどのボルボ車よりも高いもので、カメラやレーダー、LiDAR(ライダー)などの最新センサーと高性能コアコンピューターを組み合わせ、リアルタイムに360度ビューをつくり出す。これは運転情報の提供や危険回避のために役立てられ、車線変更時のステアリングサポートや運転支援機能「パイロットアシスト」の信頼性と性能の向上にも寄与する。EX90は将来の自動運転に対応するハードウエアを備えた最初のボルボ車でもあり、車両は新しいデータから常に学習し、アップデートを受けることで時間の経過とともにより賢くより安全になるという。
“スカンジナビアンデザイン”と表されるインテリアでは、14.5インチサイズのセンタースクリーンが目を引く。メータースクリーンやヘッドアップディスプレイには、Epic Games社の3Dツール「Unreal Engine」を用いた高品質グラフィックスが採用されている。
インフォテインメントシステムには最新のGoogleを搭載し、Googleアシスタントによるハンズフリー支援やGoogleマップのナビゲーション、Google Playのお気に入りアプリなど、Googleのアプリやサービスが組み込まれる。さらにワイヤレスのApple CarPlayにも対応する。
ボルボ初となるドルビーアトモスの搭載や、ヘッドレスト一体型スピーカーを組み合わせたBowers & Wilkinsのオーディオシステム、スマートフォンが車両のキーとなる「フォンキーテクノロジー」も標準装備される。
一充電走行距離は最大600km
今回発表されたツインモーターのAWDモデルは、容量111kWhのバッテリーと2つの永久磁石式電気モーターを搭載。システム最高出力517PS(380kW)、同最大トルク910N・mを発生する。WLTPモード値における一充電あたりの航続可能距離は最大600kmで、30分以内にバッテリー残量10%から80%まで充電することができる。
シャシーは新開発されたもので、ボディーは約15%の再生スチールや約25%の再生アルミニウム、そして48kgの再生プラスチックとバイオベース材料が使用されている。一台あたりの再生プラスチックの使用比率は総量の約15%に相当し、これまでのボルボ車では最高レベルにあるという。
EX90は、双方向充電に必要なハードウエアを搭載した初のボルボ車でもある。車両のバッテリーを用いて、自宅や他の電気機器、あるいは別の電動ボルボ車への電力供給などが行える。2023年からアメリカで生産され、その後中国でも生産が開始される予定だ。
(webCG)