ボルボがコンパクトな電動SUV「EX30」を発表
2023.06.08 自動車ニュース![]() |
スウェーデンのボルボ・カーズは2023年6月7日(現地時間)、新型コンパクト電動SUV「ボルボEX30」をイタリア・ミラノで発表した。
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3種類のパワートレインを設定
今回登場したEX30は、ボルボ初の小型プレミアムSUV。同車の登場によりボルボの100%電気自動車のラインナップは4モデルに拡大した。これまでのボルボ車のなかで最もCO2の排出量が少なく、最先端のテクノロジーとスカンジナビアンデザインによって生活をより安全に、より便利に、より楽しいものにすることを目指してつくられたという。
EX30では、3つのパワートレインと2種類のバッテリーをラインナップ。市街地での移動が中心で移動距離の短いユーザー向けには、LFPバッテリーを搭載した最高出力272PS、最大トルク343N・mのシングルモーター仕様が、最大限の航続距離を求めるユーザー向けには、同モーターに充電間の航続距離を最大480kmまで延ばすことができるNMCバッテリーを組み合わせたシングルモーターエクステンデッドレンジ仕様が用意されている。さらにパフォーマンスを重視するユーザー向けには、最高出力428PS、最大トルク543N・mを発生し0-100km/h加速3.6秒を実現するツインモーターパフォーマンス仕様の全輪駆動モデルが設定されている。
一充電あたりの航続距離はシングルモーター仕様が最大約344km、シングルモーターエクステンデッドレンジ仕様が同478km、ツインモーターパフォーマンス仕様が同456kmとなる。最高速度は全車で180km/hに制限されている。
175kWの急速充電を用いて10%から80%まで充電するのにかかる一般的な時間は25分強と発表されており、車両のセンターディスプレイとアプリを通じて、アンペア数、最大充電レベル、充電を開始するタイミングを設定することができる。
メーターパネルを廃止
「ボルボのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現した」と紹介されるEX30のエクステリアは、ロングホイールベースと大径ホイール、前後そろったオーバーハングが特徴となる。グリルレスのフロントフェイスは、先に登場した電動SUV「EX90」の流れをくむもので、デジタル表現を用いたトールハンマーヘッドランプが組み込まれている。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4233×1836×1549 mm(欧州仕様車)。スタイリッシュな「クラウドブルー」や、スウェーデン西海岸の岩に生える地衣類からインスピレーションを得たという明るく表情豊かな「モスイエロー」など、鮮やかな5種類の外装色が設定されるのも特徴だ。
インテリアではダッシュボード中央に備わる縦型のタッチ式センタースクリーンと、スイッチ類を極力排したインストゥルメントパネルが目を引く。EX90とは異なり、EX30ではメーターパネルが廃止され、センタースクリーンにすべての表示機能が集約されている。車両コンピューティングプラットフォームは21の自動車ブランドで採用されているECARXで、他のボルボ車と同様にGoogle、Apple、Qualcommといった技術パートナーとも連携している。
専用アプリには車両に関連するすべてのサービスが含まれており、充電機能から混雑した駐車場でクルマを見つける機能、ドアをロックする機能、さらには冬の寒い日に車内を温める暖房機能も用意。ソフトウエアのOTA(無線アップデート)も受信できる。
運転支援システムの充実もEX30の特徴で、新世代のパークパイロットアシストでは縦列、横列、直角、斜めなど、あらゆるタイプの駐車スペースに対応し、狭い場所での駐車も容易に行えるという。車両の周辺にある駐車可能なスポットを特定し、新しい3Dユーザーインターフェイスで駐車したい場所をタップすれば、アクセルやブレーキ、ステアリング操作を車両が自動で行い、駐車の様子を確認する間、画面には車両や壁、車止めなどの対象物までの距離をメートル法で表示する。
内装は、「ブリーズ」「ミスト」「パイン」「インディゴ」の異なる4つの仕様を設定。スカンジナビアの風景に着想を得た5種類のテーマから選択できるアンビエント照明や、車内のいたるところに用意されたスマートな収納もセリングポイントとして紹介される。
クロスカントリーバージョンも登場
ボルボEX30には、最低地上高が引き上げられた「クロスカントリー」もラインナップされる。2024年に受注を開始し、同年後半から生産を開始するボルボ伝統のオフローダーは、フロントやリア、サイドのスキッドプレートと、フロントバンパーとトランクリッドのブラックパネル、ボンネットに取り付けられた小さなスウェーデン国旗などを採用。19インチのブラックホイールや、特注タイヤを装着した18インチホイールのオプションなどが設定されるという。
EX30の価格は約3万6000ユーロ(1ユーロ=150円換算で約540万円)から。内燃機関搭載車両と同等の価格で購入できるほか、「Care by Volvo」と呼ばれるサブスクリプションの用意もアナウンスされている。
欧州およびその他一部のマーケットにおいては今回の発表と同時に注文受け付けが、米国では予約受注が開始された。その他のマーケットでは、後日注文受け付けが開始される予定。
(webCG)