トヨタの新社長が記者会見 新体制で「モビリティーカンパニーへの変革」目指す

2023.02.13 自動車ニュース webCG 編集部
2023年4月1日付でトヨタ自動車の新社長に就任する佐藤恒治氏。東京都内で開催された記者会見の模様は、同時にオンラインでも伝えられた。
2023年4月1日付でトヨタ自動車の新社長に就任する佐藤恒治氏。東京都内で開催された記者会見の模様は、同時にオンラインでも伝えられた。拡大

トヨタ自動車は2023年2月13日、東京都内で「新体制発表会見」を開催し、同年4月からの経営方針について説明した。

佐藤恒治新社長(写真中央)と、7人の執行役員。これまで豊田章男氏が土台づくりをしてきた「商品と地域を軸にした経営」を、新体制で実践していくという。
佐藤恒治新社長(写真中央)と、7人の執行役員。これまで豊田章男氏が土台づくりをしてきた「商品と地域を軸にした経営」を、新体制で実践していくという。拡大
新経営陣が取り組むクルマづくりの3大テーマ。「電動化」「知能化」そして「多様化」が掲げられた。
新経営陣が取り組むクルマづくりの3大テーマ。「電動化」「知能化」そして「多様化」が掲げられた。拡大
新経営陣の組織力を、サッカーチームのそれに例えた佐藤新社長。「柔軟にフォーメーションチェンジをしながら、取り組むべき課題に対応していく」と意気込みを示した。
新経営陣の組織力を、サッカーチームのそれに例えた佐藤新社長。「柔軟にフォーメーションチェンジをしながら、取り組むべき課題に対応していく」と意気込みを示した。拡大

豊田章男経営を継承・進化

2023年4月から新社長となる佐藤恒治氏は、会見において、今後は「継承と進化」をテーマに掲げ、これまで豊田社長が土台づくりに取り組んできた「商品と地域を軸にした経営」を、新体制で実践していくと抱負を語った。

“豊田章男経営”について佐藤氏は、今や社内に浸透した「もっといいクルマをつくろうよ」という価値観が大きな財産になっていると評価。「(豊田氏が社長を務めた13年間でトヨタは)機能軸ではなくクルマ軸。議論よりも、まず現場で行動する。お客さまの笑顔のために必死に努力する。そうしたクルマづくりの原点を大事にする会社、“クルマ屋”といえる会社に変わってきた」などと感想を述べた。

それに続く新経営陣が目指す組織の進化は、“モビリティーカンパニーへの変革”。そのなかでクルマづくりを実践するためのテーマとして、以下の3点が挙げられた。

【電動化】
カーボンニュートラル社会の実現に向けてユーザーに多様な選択肢を提供するなかで、重要な選択肢として電気自動車(BEV)も検討。ラインナップを拡充するとともに、2026年を目標に電池やプラットフォーム、クルマのつくり方など、すべてをBEV最適で考えた「次世代のBEV」をレクサスブランドで開発する。

【知能化】
“クルマとの対話”を促進し、クルマをもっと安全に、快適に、楽しいものへと変えていく。ソフトウエア基盤「Arene(アリーン)」を販売店との連携やアプリを通じた新しいサービスにもつなげるなどして、ハードとソフトの両面で、“クルマ屋”にしかできない知能化を推進する。

【多様化】
地域ごと、世代ごとに異なるユーザーの価値観に応える。グローバルかつフルラインの自動車メーカーだからこそ、地域に寄り添うクルマづくりを続け、クルマのある暮らしを豊かにしていく。

またこれらのテーマを実現する具体的な重点事業として、「次世代BEVを起点とした事業改革」「ウーブン(Woven)の取り組み強化」「アジアのカーボンニュートラルの実現」に取り組むという。

佐藤新社長は、新たに副社長に就任する中嶋裕樹氏や宮崎洋一氏などをはじめ、新体制でのメンバーを紹介したうえで「私たちのチーム経営は、サッカーのチームのように柔軟にフォーメーションチェンジをしつつ対応していく」とコメント。「そのチームの力を最大化するのが、キャプテンである私の役目」と述べ、あいさつを締めくくった。

(webCG)

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