「メルセデス・ベンツGLC」がフルモデルチェンジ まずはディーゼルのMHEVが上陸

2023.03.16 自動車ニュース webCG 編集部
メルセデス・ベンツGLC
メルセデス・ベンツGLC拡大

メルセデス・ベンツ日本は2023年3月16日、メルセデス・ベンツのミドルクラスSUV「GLC」の新型を発表し、同日、注文受け付けを開始した。同年3月下旬より順次納車を予定している。

2023年3月16日に国内導入が発表された2代目「メルセデス・ベンツGLC」。初代の基本デザインを継承しつつ「Cクラス」譲りの最新技術が盛り込まれている。
2023年3月16日に国内導入が発表された2代目「メルセデス・ベンツGLC」。初代の基本デザインを継承しつつ「Cクラス」譲りの最新技術が盛り込まれている。拡大
インストゥルメントパネルのデザインは最新型の「Cクラス」譲りで、ドライバー側に6度傾けた縦型の11.9インチメディアディスプレイや、自立型で浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイが目を引く。
インストゥルメントパネルのデザインは最新型の「Cクラス」譲りで、ドライバー側に6度傾けた縦型の11.9インチメディアディスプレイや、自立型で浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイが目を引く。拡大
木目をアクセントとしたウッドトリムを全車に標準で装備。航空機のエンジンナセルを想起させる、丸みをつけたやや横長デザインの角型エアアウトレットが採用される。
木目をアクセントとしたウッドトリムを全車に標準で装備。航空機のエンジンナセルを想起させる、丸みをつけたやや横長デザインの角型エアアウトレットが採用される。拡大
後席の座面から天井までの高さは1005mm。大人がゆっくりとくつろげるスペースが確保されている。写真の内装色は「パワーレッド/ブラック」で、本革シートはオプションの「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」に含まれるアイテム。
後席の座面から天井までの高さは1005mm。大人がゆっくりとくつろげるスペースが確保されている。写真の内装色は「パワーレッド/ブラック」で、本革シートはオプションの「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」に含まれるアイテム。拡大
リアバンパー下部に、クロームのアンダーガード風デザインを採用。「EASY-PACK自動開閉テールゲート」や「プライバシーガラス」「熱反射・ノイズ軽減ガラス」が標準で装備される。
リアバンパー下部に、クロームのアンダーガード風デザインを採用。「EASY-PACK自動開閉テールゲート」や「プライバシーガラス」「熱反射・ノイズ軽減ガラス」が標準で装備される。拡大
後席使用時の荷室の容量は620リッター。後席の背もたれを倒せば1680リッターにまで拡大できる。取り外したラゲッジルームカバーは荷室床下に収納できるようになっている。
後席使用時の荷室の容量は620リッター。後席の背もたれを倒せば1680リッターにまで拡大できる。取り外したラゲッジルームカバーは荷室床下に収納できるようになっている。拡大
標準仕様のボディーサイズは全長×全幅×全高=4725×1890×1640mmで、ホイールベースは2890mm。「AMGラインパッケージ」を選択した車両(写真)は、標準仕様車よりも全長が5mm長くなる。
標準仕様のボディーサイズは全長×全幅×全高=4725×1890×1640mmで、ホイールベースは2890mm。「AMGラインパッケージ」を選択した車両(写真)は、標準仕様車よりも全長が5mm長くなる。拡大
新型「GLC」の外板色は「オブシディアンブラック」(写真左)や「スペクトラルブルー」(写真右)を含め、全10色から選択できる。
新型「GLC」の外板色は「オブシディアンブラック」(写真左)や「スペクトラルブルー」(写真右)を含め、全10色から選択できる。拡大

デザインはキープコンセプト

メルセデス・ベンツGLCは、初代モデルが2016年2月に上陸。今回のモデルは2代目にあたり、初の全面改良となる。GLCは2020年と2021年にメルセデス・ベンツブランドのSUVでトップの販売台数を記録し、全世界での累計販売台数は260万台に及ぶという。

キープコンセプトとなったエクステリアデザインはメルセデスのデザイン基本思想である「Sensual Purity(センシュアルピュリティー=官能的純粋)」を継承。ひと目でメルセデス・ベンツSUVのファミリーであることがわかるとともに、他のモデルと同じく「Intelligence(知性)」と「Emotion(感情)」を感じさせるものに仕上げたという。フロントフェイスでは、グリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調のワイドなクロームトリムが標準仕様車に、立体的なスリーポインテッドスターをちりばめた「スターパターングリル」がAMGラインパッケージ装着車に採用されている。

導入発表時に日本で発売されるのはディーゼルエンジンを搭載するマイルドハイブリッドモデル「GLC220d 4MATIC」の1車種。最新型「Cクラス」で用いられるアーキテクチャー「MRA II」をベースとするボディーサイズ(標準仕様車)は、全長が4725mm、全幅が1890mm、全高が1640mmで、ホイールベースは2890mm。先代の同仕様に比べて50mm長く、5mm低く、ホイールベースは15mm長くなっている。全幅に変更はない。AMGラインパッケージ装着車は前後のバンパー形状が異なり、標準仕様車よりも全長が5mm長くなる。Cd値(空気抵抗係数)は0.29と、高水準のエアロダイナミクス性能を実現。省燃費性能も追求されている。

内装では、上部が翼のようにデザインされたダッシュボードが目を引く。中央上部には航空機のエンジンナセルを想起させる、丸みをつけたやや横長デザインの角型エアアウトレットが備わり、木目をアクセントとしたウッドトリムが採用されている。ドライバー側に6度傾けた縦型の11.9インチメディアディスプレイや、自立型でインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイは、Cクラス譲りのアイテムとなる。

オフロードでの機能性をアップ

GLC220d 4MATICにはエンジン単体で最高出力197PS、最大トルク440N・mを発生する2リッター直4ディーゼルターボ「OM654M」を搭載。エンジンとトランスミッションの間には同23PS、同200N・mを発生するマイルドハイブリッドシステム「ISG」が配置される。トランスミッションは9段AT「9Gトロニック」で、前後駆動力配分が45:55となる4輪駆動システム「4MATIC」と組み合わされる。

スイッチ操作でエンジンやトランスミッションの特性を切り替える標準装備の「ダイナミックセレクト」には、雪道や悪路での走破性を高める「オフロード」モードも用意されている。また、急な下り坂での安定した走行をサポートする「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」や360度カメラシステムを使いメディアディスプレイに車両フロントの下方路面映像(フロントタイヤとその操舵方向を含む)を仮想的に映し出す「トランスペアレントボンネット」機能も備わる。

オフロードシーンでの機能性向上も、新型GLCにおける重要なテーマである。コックピットディスプレイに車両の傾きや路面の勾配、標高、経度・緯度、コンパスのほか、車速やエンジン回転数などが表示され、さらにメディアディスプレイには周辺地形における現在の車両姿勢やフロントホイールの操舵角、リアアクスルステアリングを装備している場合はリアホイールの操舵方向などが表示される新開発の「オフロードスクリーン」も組み込まれている。

最新世代の対話型インフォテインメントシステム「MBUX」の搭載や、日本で販売されるSUVで初となるAR (Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションがオプション設定されるほか、シートやステアリングホイール、サイドミラーのポジション、コックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングした携帯情報端末、ナビゲーションのお気に入りなどを自動的に統合設定する生体認証システムが採用されるのも新型GLCのトピックである。

GLC220d 4MATICの価格は820万円。

(webCG)

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