ポルシェが2シーターのハイパー電気自動車「ミッションX」を発表

2023.06.09 自動車ニュース webCG 編集部
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ポルシェ・ミッションX
ポルシェ・ミッションX拡大

独ポルシェは2023年6月8日(現地時間)、ドイツ・シュトゥットガルトのポルシェミュージアムにおいて電動ハイパーカーのコンセプトモデル「ミッションX」を発表した。

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「ポルシェ・ミッションX」で採用される軽量なガラスドームの形状や、Aピラーとルーフに取り付けられた前側上方に開くルマンスタイルのドアは、伝説的レーシングカー「ポルシェ917」をモチーフとしている。
「ポルシェ・ミッションX」で採用される軽量なガラスドームの形状や、Aピラーとルーフに取り付けられた前側上方に開くルマンスタイルのドアは、伝説的レーシングカー「ポルシェ917」をモチーフとしている。拡大
外装は、コンセプトスタディーのための特別な塗装カラー「ロケットメタリック」で仕上げられている。
外装は、コンセプトスタディーのための特別な塗装カラー「ロケットメタリック」で仕上げられている。拡大
ボディーサイズは全長が約4500mm、全幅が約2000mmで、比較的コンパクトなハイパーカーと紹介されている。
ボディーサイズは全長が約4500mm、全幅が約2000mmで、比較的コンパクトなハイパーカーと紹介されている。拡大
ステアリングホイールは、航空機の操縦かんを想起させるモードスイッチとパドルシフトを備えたオープントップデザイン。
ステアリングホイールは、航空機の操縦かんを想起させるモードスイッチとパドルシフトを備えたオープントップデザイン。拡大
左右のシートはカラーが異なり、6点式シートベルトがCFRP製のシートシェルとモノコックシャシーに取り付けられている。
左右のシートはカラーが異なり、6点式シートベルトがCFRP製のシートシェルとモノコックシャシーに取り付けられている。拡大
アナログとデジタルの2つのディスプレイを備えた専用のストップウオッチモジュールは、ポルシェデザインによるもの。
アナログとデジタルの2つのディスプレイを備えた専用のストップウオッチモジュールは、ポルシェデザインによるもの。拡大
精巧なディテールのフロント20インチ、リア21インチサイズとなるホイールも「ポルシェ・ミッションX」の特徴。
精巧なディテールのフロント20インチ、リア21インチサイズとなるホイールも「ポルシェ・ミッションX」の特徴。拡大
リアコンビランプは4灯式がベースとなる水平基調のもので、中央に「PORSCHE」のロゴが浮かんで配置されるようなデザインが目を引く。
リアコンビランプは4灯式がベースとなる水平基調のもので、中央に「PORSCHE」のロゴが浮かんで配置されるようなデザインが目を引く。拡大

伝説的レーシングカー「ポルシェ917」がモチーフ

ポルシェ・ミッションXは、過去に登場した「959」「カレラGT」「918スパイダー」と同様に、将来の車両コンセプトの進化的発展に重要な推進力となるモデルであり、これらアイコニックなスポーツカーの伝統を引き継ぐものと紹介されている。

今回発表されたのはコンセプトスタディーモデル。ボディーサイズは全長が約4500mm、全幅が約2000mmで、比較的コンパクトなハイパーカーといえる。ホイールベースは2730mmで、これはカレラGTや918スパイダーと同じ数値である。

エクステリアデザインでは「クラシックなブランドエレメントの再解釈」がテーマに掲げられ、彫刻的なフォルムと力強いラインは、ハイパーカーが必ずしもアグレッシブな外観を備える必要のないことを示しているという。全高1200mm未満の低く構えたボディーは、コンセプトスタディーのための特別な塗装カラーである「ロケットメタリック」で仕上げられ、ベルトラインの下にはカーボン織りのデザインエレメントが備わっている。各コンポーネントは光沢のあるサテン仕上げになっている。

炭素繊維強化プラスチック製のフレームを備えた軽量ガラスドームや、Aピラーとルーフに取り付けられた前側上方に開くルマンスタイルのドアは、伝説的レーシングカー「ポルシェ917」をモチーフにしたものと紹介される。リアアクスルにはほぼ透明なエアロブレードが取り付けられており、ブレーキの冷却を高めるタービンのような働きをするほか、精巧なディテールのフロント20インチ、リア21インチサイズとなるホイールも同車の特徴として挙げられる。

市販のポルシェ車に用いられる4灯式ヘッドランプは、「ポルシェ906」や「908」などの歴史的なレーシングカーからインスピレーションを得た垂直ベースのフォルムにアレンジ。リアコンビランプは4灯式がベースとなる水平基調のもので、中央に「PORSCHE」ロゴを配置する浮かんでいるようなデザイン構成が特徴だ。充電中はロゴ内の“E”の文字が脈動する演出も施されている。

目指すのはニュル最速の称号

インテリアは左右非対称デザインを採用。左右のシートはカラーが異なり、6点式シートベルトがCFRP製のシートシェルとモノコックシャシーに取り付けられている。ステアリングホイールは航空機の操縦かんを想起させるモードスイッチとパドルシフトを備えたオープントップデザインで、メーターには横長のスクリーンパネルが使用されている。複数のカメラも備わり、ドライバーがマルチパーパスコントローラーのレコードボタンを押すと、すぐに録画が開始されるようになっている。

助手席側インストゥルメントパネルに組み込まれたバヨネットシステムには、ストップウオッチモジュールを取り付けることができる。アナログとデジタルの2つのディスプレイを備えた専用のストップウオッチモジュールはポルシェデザインによるもので、サーキットとラリーの両方で使用できるように設計されている。

具体的なパワートレインの仕様は未発表だが、バッテリーが車両のシート後部中央に取り付けられる「eコアレイアウト」が採用され、従来のミドシップエンジン車と同じく、優れた俊敏性の基盤になるという。

ミッションXが量産化される場合、重量比出力は1kgあたりおよそ1PSで、さらに現行の「911 GT3 RS」を大幅に上回るダウンフォース値を達成。ニュルブルクリンクのノルドシュライフェにおいて、最速の公道走行車でなければならないとポルシェは述べている。充電についても、900Vシステムによりチャージ性能が大幅に向上し、現在のフロントランナーである「タイカン ターボS」の約2倍の速さで充電が可能とされる。

ミッションXが発表された6月8日は、ポルシェミュージアムにおいて『ポルシェスポーツカー75周年展』が開幕する前夜で、さらに75年前の同日は、「356‘No.1’ロードスター」がポルシェの名を冠した最初の認証車となった記念日でもある。

(webCG)

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