ベントレーの名車「ブロワー」が85%スケールのEVとなって復活
2023.08.22 自動車ニュース![]() |
ベントレーモーターズとザ・リトル・カー・カンパニー(The Little Car Company)は2023年8月21日(現地時間)、ベントレーの名車「ブロワー」を85%のサイズに縮小して復刻させた電気自動車(EV)「ブロワージュニア」を発表した。
ベントレーも“お墨付き”の電動ジュニアカー
英国のザ・リトル・カー・カンパニーは、自動車メーカーと提携して高級ジュニアカーを製造するメーカーとして知られている。彼らの手がけるモデルはどれも自動車メーカーが認めたライセンス製品で、また一台一台が手作業で製作され、精緻につくり込まれた完成度の高さに定評があるという。
今回発表されたブロワージュニアは、1929年に製造されたスーパーチャージャー付きのレーシングカー「ベントレー4 1/2リッター ブロワー」の2号車をモチーフとしたもので、同車のデザインを85%にスケールダウンして再現。ザ・リトル・カー・カンパニーは、ベントレーがヘリテージコレクションとして収蔵し、2500万ポンド(約46億円)の保険金が掛けられている同車を使用して、ディテールまで忠実に再現されたブロワージュニアのデザインを完成させたという。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=3720×1480×1270mmで、車両重量は550kg。48Vの電動パワートレインと最高出力15kW(20BHP)のモーターを搭載したEVとなっている。これまでのザ・リトル・カー・カンパニーのジュニアカーとは異なり、マーケットによっては公道走行も可能で、航続距離は約65マイル(約105km)、最高速は英国では72km/h、米国では規制により40km/hとされている。バッテリー容量は10.8kWhで、充電に要する時間は約3.5時間。充電口はスーパーチャージャーを模したフロントエンドに設けられている。
インテリアも操作系もオリジナルそっくり
車体はスチール製のフレームにボディーを架装したもので、電動モーターはリアアクスルに、バッテリーとドライブユニットは目立たないようアンダートレイに搭載。足まわりには、リーフスプリングと当時のパーツをスケールダウンしたフリクションダンパーを採用しており、フロントディスクブレーキとリアドラムブレーキはブレンボ製となっている。
ここに架装されるボディーは、前後2つのセクションからなる。リアボディーはアッシュフレームではなくカーボンファイバー製だが、外皮にはオリジナルと同じく含浸(がんしん)ファブリックを使用。リアエンドには、オリジナルモデルの燃料タンクを模した、ロック可能なラッチ付きのウイークエンドバッグ(オプション)を収めることもできる。一方、バックル付きの革製ストラップで固定されるフロントボンネットはアルミニウム製で、複数の冷却ルーバーを含め、伝統の技法を用いて手作業で製作されている。
シートは2人の乗員が前後に並んで座るタンデム式で、ドライバーが前に、パッセンジャーが後ろに乗車。ダッシュボードはアルミ製で、オリジナルのフューエルプレッシャーポンプに代えて、ドライブモードセレクターが装備される。ドライブモードは出力を2kWに抑えた「コンフォートモード」、同じく8kWに抑えた「ベントレーモード」、15kWの最高出力を発生する「スポーツモード」の3種類が用意される。
このドライブモードセレクターと同じように、前進/ニュートラル/後退を切り替えるレバーはイグニッションアドバンスコントロールレバーを、ヘッドライトやウインカーなどのスイッチ類はマグネトースイッチを、バッテリーの残量軽は電流計を模したデザインを採用。インテリアもオリジナルを忠実に再現(ただし85%に縮小)した意匠となっている。一方で、USBポートなど今日的な装備も採用。ガーミン製の衛星ナビゲーションシステムやバックカメラの画面を表示する、デュアルディスプレイも設けられている。
ブロワージュニアの生産は2024年第2四半期にスタートする予定で、まずは99台のファーストエディションからリリースされるという。
(webCG)