クルマのコックピットはこう変わる トヨタが次世代の知能化技術を公開
2023.10.21
自動車ニュース
トヨタ自動車は2023年10月21日、現在開発を進めている、自動車に関する知能化技術の概要を公表した。
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今回公表された知能化技術は、大きく分けて以下の3つ。将来的にこれらの技術を市販車両に実装することにより、ユーザーに新しい移動体験を提供するという。
【Digitalized Intelligent Cockpit(デジタライズド インテリジェント コックピット)】
- 次世代電気自動車(EV)のコックピットコンセプトである「デジタル化と知能化によるコックピット」の再定義を実現する。
- これまで物理的なスイッチにより行われていたシフト、カーオーディオ、カーエアコン、ナビゲーションシステムなどの基本操作をすべて、手元(ステアリングホイールのグリップ側方)のデジタルディスプレイに統合し、基本的なクルマの操作を可能にする。
- さらなるエンターテインメントへの欲求など、多様なニーズに応えるオプションとしてセンターディスプレイの配置も可能。
これにより、ドライバーは、道路を含む前方視界から目を離すことなくすべての操作を手元で行うことが可能に。現在は主にパッセンジャー向けとなっているデジタルコンテンツを、ドライバーも楽しめるようになる。
【Personalization of Motion(パーソナライゼーション オブ モーション)】
- プログラミングによりドライビング体験を拡大する。
- 次世代EVとそのソフトウエアプラットフォームである「Arene(アリーン)OS」の働きにより、4輪独立の統合制御を可能にする。
このテクノロジーにより、道路やドライバーのニーズに応じて、クルマ特性を変更できるようにする。例えば、4輪を独立して制御することで、峠道においてコンパクトなスポーツカーのような走りを実現させたり、街なかではロングホイールベースのショーファーカーのような快適性を演出したりするなど、フレキシブルに乗員の運転体験を変化させる。
ほかにも、メーターパネル(液晶画面)やセンターモニターのイメージ変更やエンジン音の再現などにより、「あこがれのクルマ」や「未来のクルマ」をリアルに再現するというエンターテインメントも実現可能。例えば、往年の名車である「トヨタ2000GT」やスーパースポーツ「レクサスLFA」の走りも疑似体験できるようになる。
なお、乗り味やデザイン、ゲーム性などについては、サードパーティーが参加し独自コンテンツを提供できる可能性のあるプラットフォームとなっている。
【Interactive Reality in Motion(インタラクティブ リアリティー イン モーション)】
- クルマを移動手段の道具としてだけではなく、人と社会をつなぐ、インテラクティブリアリティーの体験プラットフォームとなる。
- クルマが“移動するセンサー”になることで、移動しながら、周囲の街や店、人などとインタラクション(相互作用)できるようになる。
具体的には、カメラを使った車内のセンシング・モニタリングにより、ドライバーの指さし動作により、走行中に「オートパーキングの位置指示」「写真撮影(車内乗員の自撮り)」「街で販売されているアイテムや街で見かけたファッションの検索」「目にとまった動物や植物の検索」「路面店やレストランの詳細情報検索およびホテルの宿泊予約」「ショッピング注文」「周囲のクルマや人へのメッセージ・データの送信」「位置情報と連動したバーチャルアイテム集めゲーム」などが可能なる。
今後はさらにサードパーティーの参加・連携により、体験アプリケーションの増加やユースケース拡大が期待できるという。
これらの技術については、ジャパンモビリティショー2023(一般公開日:10月28日~11月5日)においても展示が行われる予定だ。
(webCG)
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