トヨタが改良型「GRカローラ」を世界初公開

2024.08.02 自動車ニュース webCG 編集部
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トヨタGRカローラ(写真は北米仕様車)
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TOYOTA GAZOO Racingは2024年8月1日(現地時間)、米国カリフォルニア州において、改良型「トヨタGRカローラ」を世界初公開した。同モデルの北米市場以外への導入については検討中とのこと。

 
トヨタが改良型「GRカローラ」を世界初公開の画像拡大
 
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改良型「GRカローラ」のインテリア。写真はAT車のもの。
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トレーリングアームの変更内容を示す解説図。これにより、加速時のリアの沈み込みが抑えられている。
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フロントまわりは、冷却用エアインテークを適正化。視覚的にも迫力を増した。
フロントまわりは、冷却用エアインテークを適正化。視覚的にも迫力を増した。拡大
「GRカローラ」のパワーカーブおよびトルクカーブ。中回転域でのトルクが増し、最大トルクは370N・mから400N・mへと引き上げられている。
「GRカローラ」のパワーカーブおよびトルクカーブ。中回転域でのトルクが増し、最大トルクは370N・mから400N・mへと引き上げられている。拡大
ロアアームとロアボールジョイントの締結部に、締結剛性の高い特別なボルト(黄色で示されているパーツ)を採用。ステアリング操作に対する応答性が向上したという。
ロアアームとロアボールジョイントの締結部に、締結剛性の高い特別なボルト(黄色で示されているパーツ)を採用。ステアリング操作に対する応答性が向上したという。拡大
小さな段差を設けることで、バンパーコーナー部からの空気の剥離を抑制。走行時の操縦安定性向上が追求されている。
小さな段差を設けることで、バンパーコーナー部からの空気の剥離を抑制。走行時の操縦安定性向上が追求されている。拡大

GRカローラは、国内では2022年にデビューした、トヨタの高性能ハッチバック。今回の改良モデルでは、スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツへの参戦を通じて得られた知見を生かし、高速コーナーでの旋回性能のほか、加速性能、冷却性能などを向上させたとうたわれる。

まず旋回性能については、前後のショックアブソーバーに「リバウンド側で作動するスプリング」を内蔵し、旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善することで、旋回中の車両安定性を向上。さらに、リアアクスルの回転中心であるトレーリングアームの取り付け点の位置を上げることで加速時のリアの沈み込みを低減。アクセル操作に対する車両姿勢変化を抑えることで、駆動力の応答性を向上させるとともに、安定した姿勢でのコーナリングを実現させたという。

加速性能については、スポーツ走行におけるエンジンの使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速にかかわる中速域でのトルクを、従来型に対して30N・mアップ。最大トルクは400N・mにまで高められている。

進化型「GRヤリス」に採用された新開発8段AT「GAZOO Racing Direct Automatic Transmission(GR-DAT)」が設定されたのもトピックのひとつで、レーシングドライバーや社内評価ドライバーからのフィードバックをもとに、限界領域および日常使いにおいてもずっと乗っていたくなる野性味を追求したとアピールされる。このATはブレーキの踏み込み方や抜き方、アクセル操作などを細かくモニタリングすることで運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギア選択を実現しているのが特徴だ。

GR-DAT搭載車にはエンジン始動時の暖気促進も兼ねる水冷式ATFウォーマーおよびクーラーに加え、空冷式ATFクーラーが標準で装備される。スポーツ走行への対応を考慮し、エンジン冷却を強化するサブラジエーターも備わる。

フロントまわりには、フロントブレーキを冷却するためのダクトも設置。ブレーキローターに直接風を導いて冷却効果を向上することで、ブレーキ温度の上昇を抑制するよう配慮されている。

また、これら冷却性能強化のために必要な各機構を追加しつつ、操縦安定性も確保できるよう、バンパーコーナー部に安定的に小さな乱気流を発生させるデザインとした。

ABSも変更されており、上下GセンサーでABS作動輪の接地荷重をモニタリングしABS作動時にも安定した制動力が得られるよう改良された。そのほか、ドライバーと車両との一体感が高まるよう、以下の変更が施されている。

  • ステアリングコラムとインストゥルメントパネルリインフォースメントの締結部に締結剛性の高い溝付きワッシャーボルトを採用し、直進安定性とステアリング操作に対するダイレクト感を向上。
  • シャシー部品の締結ボルトの一部に締結剛性の高い特別なボルトを採用。ロアアームとロアボールジョイントの締結部はステアリング操作に対する応答性を向上させ、リアショックアブソーバーとボディーの締結部はステアリング操作に対するリアのグリップ感を向上させる。
  • クラッチシステムのトータルレバー比やクラッチカバー、ターンオーバースプリングの荷重特性を最適化することで、クラッチペダルの操作性をアップ。ピーク踏力を高めに設定し、踏みごたえのある操作フィーリングとした。また、スポーティーな操作感を目指してクラッチ特性を最適化し、戻し側の荷重増加による足への追従性、半クラッチストロークの短縮による操作性を改善。

進化型GRカローラ(グレード名は「GRカローラ プレミアムプラス」)の主なスペックは以下のとおり。

  • ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4410×1850×1480mm
  • ホイールベース:2640mm
  • トレッド:(前)1590mm/(後)1620mm
  • 乗車定員:5人
  • 車重:1500kg(GR-DAT搭載モデルは1520kg)
  • 駆動方式:4WD
  • エンジン:1.6リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ(G16E-GTS)
  • トランスミッション:6段MT(iMT)または8段AT(GR-DAT)
  • 最高出力:304PS(224kW)/6500rpm
  • 最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/3250-4600rpm
  • タイヤ:(前)235/40R18/(後)235/40R18(ミシュラン・パイロットスポーツ4)
  • 燃費:13.6km/リッター(WLTCモード)

(webCG)

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