ボッシュが神奈川・横浜の新本社を公開 日本での事業強化のために開発体制を再構築
2024.09.06 自動車ニュース![]() |
ドイツの機器メーカー、ロバート・ボッシュの日本法人であるボッシュは2024年9月6日、神奈川県横浜市都筑区に完成した新本社および「都筑区民文化センター」の竣工(しゅんこう)式を開催。報道関係者向けに本社屋を公開した。
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人員の集約によりシームレスな研究・開発体制を構築
ロバート・ボッシュは、電動工具から産業機械まで、さまざまな製品を手がける機器メーカーであり、自動車の分野では世界屈指のメガサプライヤーとして知られている。創業は1886年で、現在では世界60カ国で事業を展開。2023年の売上高は916億ユーロ(約13.9兆円)で、従業員数は約42万9000人を数えるという。日本における歴史も古く、1911年に横浜で事業を開始。2017年より日本国内における事業拠点の整備計画を押し進め、約390億円を投じて、横浜市都筑区中川中央の元市有地に新本社を建てることとなった。
2024年5月に完成した新本社の規模は、敷地面積が1万2037.66平方メートル、延べ床面積が約5.3万平方メートルというもので、東京・渋谷の旧本社を含め、これまで東京・神奈川の8拠点に点在していた事業部/グループ企業の約2000人が、ここに集うこととなる。同じ都筑区・牛久保の研究開発施設(1990年開設)も合わせると、グループ全体の4割以上の人員がこの地域に集約する計算で、ボッシュではこの体制再編により、事業部間での協業・連携の促進を見込んでいる。
本社屋は地上7階・地下2階建てで、地下1・2階に大型の、地上2~4階に小・中型の研究実験設備を設置。隣接するオフィスフロアはオープンスペースが広く取られており、事業部の枠を超えたコミュニケーションの活性化が図られている。また、40もの国籍のスタッフが働き、従業員の300人以上が外国人であることから、ダイバーシティーに関する配慮も徹底。施設内にはイスラム教の祈とうにも使えるという、マルチパーパスルームも設けられている。
施設の内覧に合わせて行われた記者会見では、独ロバート・ボッシュの取締役メンバーであるタニア・リュッカート氏や、ボッシュのクラウス・メーダー社長、ボッシュの副社長で、2024年10月より社長となる予定のクリスチャン・メッカー氏が登壇。新本社の開設について「アーキテクチャーの集約化やSDV時代の到来に際し、これまで複数拠点に点在していたエキスパートを連携させ、シームレスにソフトウエアを開発できる体制を構築するため」「日本国内における開発能力を強化し、多様なニーズに迅速にこたえられる体制を整えるため」と説明。今後もテクノロジーカンパニーとして日本の顧客をサポートし、未来のモビリティー形成に貢献していくと述べた。
地域社会の“賑わい創出”にもコミットメント
また、敷地内に公共施設の都筑区民文化センターが建てられている点も、ボッシュ新本社の大きな特徴となっている。
ボッシュは、2018年に横浜市より「横浜市都筑区における区民文化センター等整備予定地活用事業」の事業者に選定され、2022年より新本社と合わせて区民文化センターの建設を進めてきた。これはボッシュ初となる公民連携のプロジェクトで、建屋内には約300人を収容可能なホールや、リハーサル室、ギャラリーなどを開設。ボッシュでは本社1階のカフェ「Café 1886 at Bosch」や、一般開放されるショールームおよびレセプションエリアと合わせ、自社拠点と区民施設を一体として地域の賑(にぎ)わいを創出していくとしている。
区民文化センターの開館は2025年3月の予定で、ボッシュと横浜市とのネーミングライツ契約のもと、「ボッシュホール(Bosch Hall)」という愛称で呼ばれることとなるという。
(webCG)