フェラーリ・プロサングエ(前編)

2024.09.12 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 谷口信輝が今回試乗したのは、フェラーリ初の4ドアGT「プロサングエ」。プロのレーシングドライバーは、これまでのタイプと全く異なる跳ね馬に、どんな印象を抱いたのだろうか?
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便利だけれどクセはある

「これって、ドアはどちらからでも閉められるんですか?」

フェラーリ・プロサングエの運転席に腰掛けた谷口信輝が問いかけてきた。

マラネロがつくり上げた初の4ドア・4シートモデルであるプロサングエは、彼らが“ウェルカムドア”と呼ぶ観音開き方式を採用しているが、似た形式を用いるマツダの「RX-8」「MX-30」などは、リアドアを閉めてからでないとフロントドアは閉められない。そのことを知っているから、谷口はドアを閉める順番を尋ねたのだろう。ただし、プロサングエはフロントドアだろうとリアドアだろうと、どちらからでも閉めることができる。
「へー、そうなんですか」

軽く驚いた様子の谷口に、4枚のドアは電動でも閉じられることを伝えると、「あ、それはなかなか便利ですね。特に、後ろに座っているときは上半身を乗り出さなくても済むから楽ですね、きっと」と答えたのである。

谷口はこの手のギミックが嫌いではないので、プロサングエの第一印象は決して悪くなかったはず。そんな期待を抱きながら、私は後席におさまり、谷口が“跳ね馬”を発進させるのを待った。

最初のつまずきは、エアコンのブロワーがひどく強いことにあった。この日は夏の真っ盛りだったので、プロサングエを動かしたスタッフがマニュアルでブロワーを最強近くに設定していたようだ。おかげで風が勢いよく吹き出しているうえに、ファンの音も気になる。
「オオタニさん、エアコンのファンって、どうすれば弱くできるんですか?」

 
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