日産自動車、2010年上期の販売好調をアピール
2010.11.04 自動車ニュース日産、2010年業績見通しを上方修正 販売好調をアピール
日産自動車は2010年11月4日、横浜市のグローバル本社で記者会見を開き、2010年上期の決算報告を行った。
「マーチ」「ジューク」「エルグランド」など、2010年は国内で新車をぞくぞく発表した日産自動車。このたび、2010年上期の決算報告会を開催し、志賀俊之COOが経営状況を説明した。
同社の2010年上期の販売台数は、昨年の同期に比べ、世界的に伸長。例えば、おひざ元の日本市場は15.3%増、北米は9.8%増、そして欧州は12.6%増の伸びを見せた。世界全体では前年比23.8%増の200万9000台を販売するに至り、連結の売上高は、前年同期に比べ27.7%アップの4兆3191億円となった。
昨今の為替変動(円高)が552億円の減益要因となったものの、営業利益も前年同期比で252.9%増しの3349億円に。春先に発表された収支の予想を上方修正することとなった。
スライドの資料を交えつつ概況説明を行った志賀COOも、好調な数字を前に終始にこやか。ただ、円高に関する質問が記者から寄せられると険しい表情を見せ、「このままでは2次、3次サプライヤーの国内における存続は難しくなる」「日本のものづくりのベースが揺らいでいることを深刻に危惧(きぐ)している」とコメント。生産の最適化などにより「円建てコスト」を低減するとともに、100万台の国内生産も確保する考えを示した。
続く下期も大幅な円高が予想されることもあり、上期ほどの利益は見込んでいないとしつつも、「現在の勢いを維持していきたい」と強気の同社。来月2010年12月には、日産期待のEV「リーフ」が日米でデビュー。そのほか、新型「セレナ」(日本)や「クエスト」(北米)など、商用車を含め7種の新型車の市場投入が予定されている。
(webCG 関)