「スバル・レヴォーグ レイバック」にハイブリッド車が登場 その特徴をスバリスト目線で解説する
2026.07.23 デイリーコラム「S:HEV」になって何が変わった?
「スバル・レヴォーグ レイバック」のガソリンターボ車と「レヴォーグ」が2026年6月4日、一部改良を受けた。そして同年7月2日には、レヴォーグ レイバックに待望のストロングハイブリッド搭載モデルも追加された。
レイバックのガソリンターボ車とレヴォーグに関してはE型からF型への小変更でしかないため割愛し、ここではレヴォーグ レイバックのストロングハイブリッド搭載モデルについてのみ、あくまでもスバリスト目線で考えてみたい。
ストロングハイブリッドユニットが搭載されたレヴォーグ レイバックの詳細については一部仕様変更モデルの発表時の記事(参照)や、レヴォーグ レイバックのハイブリッドモデル「S:HEV」の発表時の記事(参照)あたりをご参照いただきたいが、ざっくりいうなら、フロントまわりのデザインを変更したうえで「クロストレックS:HEV」「フォレスターS:HEV」と同様のパワーユニットを搭載し、全高および最低地上高をガソリンモデル比でマイナス20mmの全高1550mm、最低地上高180mmにした──というのが、さすがにちょっと雑すぎる説明かもしれないが、レヴォーグ レイバックS:HEVの概要だ。
で、まずは個人的に従来型レヴォーグ レイバック最大の弱点だと考えていた「デザイン」が、S:HEVモデルにおいてはどう変わったかという点から話を始める。
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これぞ都市型クロスオーバーSUV
2023年8月末に某所で行われたレヴォーグ レイバックのプロトタイプ試乗会にて、筆者はその走りのよさに腰を抜かすと同時に、スバルの人々が「レイバックは、おしゃれな都市型SUVです(←大意)」という旨の説明するのを聞き、悪い意味でも腰を抜かした。なぜならば筆者の目には、レイバックのエクステリアデザインは──特にフロントマスクとホイールは、大変申し訳ないが「ファッションセンスゼロな人が頑張ってみた結果の着こなし」みたいな、無惨なモノにしか見えなかったからだ。
そして今回登場したストロングハイブリッド搭載モデルに関しても、写真で見た段階では「……これはやっぱり微妙なのでは?」とも感じたわけだが、スバルの恵比寿ショールームである「SUBARU STAR SQUARE」(東京・渋谷)にて現車をまじまじと眺め、触れまくったところ、「悪くない!」という方向へ評価を改めた。
恵比寿ショールームの入り口近くに置かれていた外板色が「セラミックホワイト」の「プレミアムS:HEV EX」を見た瞬間は「微妙……」とも感じてしまったが、ショールーム中央のステージ的な場所に展示されていた「マグネタイトグレー・メタリック」の「プレミアムブラックS:HEV EX」を見ると、評価は「なかなかイイやんけ……」というものに変わった。
皆さまにおかれても、新型レイバックS:HEVのエクステリアデザインに対する評価は、主にはセラミックホワイトの個体が被写体となっている公式サイトの写真だけでなく、ぜひマグネタイトグレー・メタリックなどの現車を見たうえで行っていただければと思う。
また、妙に「トヨタ・ハリアー」を意識した造形の(と、個人的には感じる)アルミホイールをストロングハイブリッド車では廃止し、シンプルモダンな意匠のホイールに変更したことも、「レヴォーグ レイバック=走りはいいのにデザインが残念」という評価をくつがえす大きな要因となるはずだ。
そして最低地上高を20mmダウンさせるとともに、フロントオーバーハングを35mm切り詰めたことで絶妙な踏ん張り感が生じており、ガソリン車のような「微妙すぎる腰高感」は感じられない。さらに最低地上高と車高が抑えられたことで、全体としての車両イメージは「スモールアウトバック」とでも呼びたくなるものに変わっている。
インテリアについては、スバルが当初つくろうとしていた「都市型クロスオーバーSUV」にふさわしいモノになったと、筆者は感じる。従来型および最新型ガソリン車に採用されている「ブラック/アッシュ(カッパーステッチ)」のシートも悪くはないのだろうが、どちらかといえばツウ好みの世界観であり、一般的には好みが分かれてしまうタイプのカラーリングだ。
しかし「プレミアムS:HEV EX」が採用する「タン/ブラック(カッパーステッチ)」のナッパレザーシートと、「プレミアムブラックS:HEV EX」に採用されるブラックの本革シートは、「分かりやすいカッコよさと上質感」に満ちている。一部のスバリストは「アッシュ×カッパーステッチのほうがシブい」と感じるのだろうが、それはそれとして、ストロングハイブリッド搭載車のインテリアのほうが間違いなく注目されるはずだ。
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あらためてスタートラインに立つ
前述したとおり、筆者としてはレヴォーグ レイバック最大の弱点は「デザイン」であり、あとはまぁ一般的には「燃費」も弱点だったとは思う。しかしストロングハイブリッド車の場合は内外装デザインが及第点には達し(外板色がマグネタイトグレー・メタリックであれば及第点以上だ)、WLTCモード燃費19.0km/リッターのハイブリッドユニットが用意された今、少なくとも車名にS:HEVがつくレヴォーグ レイバックに死角はない。
筆者はせっかくご招待いただいたS:HEVのプロトタイプ試乗会をスルーしてしまったため未試乗なのだが、「どうせ走りなんてイイに決まってるでしょ!」というのが正直なところであり、webCG編集部堀田氏の試乗リポート(参照)を読んでみても、その思いは新たになるばかりだ。
唯一の問題は、「安いほうがいい」あるいは「内装は黒のほうが好みだ」というような理由で車両価格424万6000円のプレミアムブラックS:HEV EXを選ぶと、レイバックというクルマのキモのひとつである専用10スピーカーの「ハーマンカードンサウンドシステム」が標準装備ではなくなる──ということだろうか。
しかしその場合も、オプションコード「MM」の「ハーマンカードンサウンドシステム/ハンズフリーオープンパワーリアゲート(リアゲートロックスイッチ付き)+リアシートヒーター(後席左右)/スマートリアビューミラー(自動防げん眩機能付き)」を27万5000円で装着すれば、結局のところ「プレミアムS:HEV EX」とまったく同額の452万1000円で「黒内装のレイバックS:HEV」が買えることになるので、心配は無用だ。
本当に走りがいいレヴォーグ レイバックなだけに、これまではデザインが不憫でならなかった。だがこれでようやくレヴォーグ レイバックは、あらためて「スタートライン」に立てたのではないかと、筆者は思っている。
(文=玉川ニコ/写真=玉川ニコ、スバル/編集=櫻井健一)
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玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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