スバルが「レヴォーグ」「レヴォーグ レイバック」そして「WRX S4」の受注を終了 3モデルの今後は?
2026.04.03 デイリーコラム受注終了は年次改良のため?
スバルが「レヴォーグ」「レヴォーグ レイバック」「WRX S4」の現行3モデルの生産終了に伴い、新規注文受け付けを終了するとアナウンスした。前者2モデルは2026年4月13日、後者は同年5月18日をもって受注を終了し、それ以降は販売店在庫のみの販売となる。また想定を上回る注文が入った場合は、新規注文受け付けが早期終了となる可能性もアナウンスされている。
果たして3モデルの受注終了は年次改良のためか? それとも、これらは本当に生産終了となってしまうのだろうか――というような書き出しは、ネット上にあふれる安直で安っぽい釣り記事の典型であろう。
賢明なるwebCG読者各位は先刻ご承知のとおり、今回の新規注文受け付け終了はF型への年次改良に伴う「いつものアレ」であり、現行世代の「レヴォーグ」「レヴォーグ レイバック」「WRX S4」が、スバルのラインナップから消滅するわけでは決してない。
だがこのたびの新規注文受け付け終了には、「いつものアレ」とは大きく異なる点もある。それは「今後しばらくの間、FA24型2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載するレヴォーグおよびWRX S4の新車は購入できなくなる」ということだ。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
現在のFA24型ターボ車は販売終了
筆者が確認したところによれば、一部改良を受けたレヴォーグとレヴォーグ レイバックのF型は2026年5月頃から受注開始となる。だがそのF型に、レヴォーグの「STI Sport R」系、つまり2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジン搭載グレードは含まれておらず、注文できるのは1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジン搭載グレードのみになる。
そして再び2.4リッターエンジンのレヴォーグを注文できるのは「2027年の初めごろ」になる予定だ。
2.4リッターエンジンのみを採用しているWRX S4に関しては、2026年5月18日にE型の新規注文受け付けが終了した後、STI Sport R系各グレードの販売展開は行われない。そのうえで、2027年初めごろ、非STI Sportだが2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載している「GT-H EX」と、6段MTを搭載する限定車「WRX STI Sport#」の注文が可能になる──というのが(変更となる可能性もあるだろうが)、現在わかっているスケジュール感だ。
要するに、日本仕様のFA24型ターボエンジン搭載車はしばらくの間、販売されないということである。
WRX S4の駆け込み需要が多い?
現在、私物としてFA24DITエンジンを搭載するレヴォーグに乗っている筆者からすれば、残念ではあるが「まあそうだろうな」という以外の感想は持ち得ない。
FA24DITを搭載するレヴォーグSTI Sport RのWLTCモード燃費は11.0km/リッター。この時点ですでにかなりアレなわけだが、実際の燃費はそれどころではない。筆者の場合は混雑した東京都内を走る機会が多いからという理由もあるだろうが、過去2年間での平均燃費は9km/リッター前後。令和の乗用車としてはあるまじき数値であり、しかも指定燃料は高額なハイオクガソリンである。昨今の中東情勢などもあって、「われながら、よくこんなモンに乗っているな……」と思うことはしばしばだ。
スバル販売店の説明によれば、FA24DITエンジン搭載車の販売が中断される理由は燃費うんぬんではなく「走行音のため」とのことだが、いずれにせよ、そういったガソリンターボエンジンが2026年7月からのCAFE規制に対応できるはずもなく、またスバル社全体の足を引っ張ることにもなるのは自明の理。それゆえ、FA24型ターボエンジン搭載車の販売が中断されるのは、ある意味当然のことでしかないのだ。
とはいえ筆者が燃費についてボロクソに(?)言っているFA24DITではあるが、筆者は同時に、このユニットを心の底から愛している。燃費は悪いが、おそらく筆者個人にとっての「最後の純ガソリンターボエンジン」として、これほどドラマチックで、これほど好ましいものはない。燃料代がかかることなど承知のうえで購入したクルマであるため、都合上ボロクソに言っているが、実際はなんとも思っちゃいないのだ。
そして現状のFA24DITを搭載するスバル レヴォーグおよびWRX S4は、取りあえずまだまだ新車として注文できる(2026年3月31日現在)。販売店の話によれば、特にWRX S4の駆け込み需要は多いようだが、新車の注文が不可能になった以降も、販売店在庫や中古車を購入することはできる。
もちろん万人にすすめるわけではなく、むしろ「コスパ重視の人は絶対にやめておいたほうが……」とアドバイスしたいぐらいではある。だが、もしもあなたが「最後の(?)ハイパフォーマンス純ガソリンターボエンジン」というものにロマンを感じているのであれば、新車の駆け込み注文か、在庫車ないし中古車の購入を、猛烈なレベルでおすすめしたい。
(文=玉川ニコ/写真=スバル/編集=櫻井健一)
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
環境も走りも妥協しない ミシュランが目指す持続可能な次世代のビジョンを知るNEW 2026.7.2 2030年までにタイヤのエネルギー効率を2020年比で10%改善し、2050年には100%持続可能なタイヤを実現することを目指すミシュラン。そのサステナビリティー戦略の基本的な考え方と、実現に向けたアプローチを探った。
-
ホンダのビーチクリーン活動が20年の節目に 本田宗一郎が涙したというそのルーツとは? 2026.7.1 ホンダが陰に日向にと活動を支えてきたビーチクリーン活動が2026年で20周年を迎えた。これ自体も素晴らしいが、実はホンダとともに活動を運営する団体の設立には、かの本田宗一郎氏の涙が関連しているというから興味深い。今から60年前の人間味あふれるストーリーを紹介する。
-
気づけば増えた軽のBEV 多くのメーカーがそこに商機をみるわけは? 2026.6.29 勢いに乗るBYDや新興EMTが、日本国内への軽EV投入を相次いで宣言。ガラパゴス化しているといわれた軽自動車の世界で、国内・海外問わず電動モデル投入の熱が高まっているのはなぜか? その背景を探ってみよう。
-
アルファ・ロメオやDS、マセラティの未来やいかに? ステランティスが発表した新戦略を読み解く 2026.6.26 再起を図るステランティスが、新CEOのもとで新しい次世代戦略を発表。地域主導とブランド構成の再構築を軸とした改革によって、私たちが親しんだアルファ・ロメオやDS、マセラティなどはどうなるのか? 欧州通のジャーナリストが考察する。
-
新型「マツダCX-5」が登場 絶版となった先代ディーゼル車の中古価格はどうなる? 2026.6.25 新型「マツダCX-5」の販売が開始され、これまでCX-5の人気をけん引してきたディーゼル車が絶版となった。となれば、先代ディーゼル車の中古車価格は下落か、それとも高騰か。下町の中古車評論家が今後の相場を予想する。
-
NEW
第875回:キモは氷上性能! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「ウインターマックス アイスプロ」を試す
2026.7.1エディターから一言違いは氷の上で表れる! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE-Pro(ウインターマックス アイスプロ)」に、冬の北海道で試乗。氷上性能を徹底的に追求したという新製品の、パフォーマンスの一端に触れた。 -
NEW
ホンダのビーチクリーン活動が20年の節目に 本田宗一郎が涙したというそのルーツとは?
2026.7.1デイリーコラムホンダが陰に日向にと活動を支えてきたビーチクリーン活動が2026年で20周年を迎えた。これ自体も素晴らしいが、実はホンダとともに活動を運営する団体の設立には、かの本田宗一郎氏の涙が関連しているというから興味深い。今から60年前の人間味あふれるストーリーを紹介する。 -
NEW
第118回:デザイン目線で大総括! 2026年上半期のニューモデル ―「マツダCX-5」「ホンダ・スーパーONE」編―
2026.7.1カーデザイン曼荼羅例年同様、さまざまなニューモデルが登場した2026年の上半期。クルマ好きの注目を集めた新型車の数々を、カーデザインの視点で振り返ってみよう。まずは、一見キープコンセプトに見える新型「マツダCX-5」と、古くて新しい「ホンダ・スーパーONE」から! -
NEW
BMW R1300RS(6AT)
2026.7.1JAIA輸入二輪車試乗会2026BMWが擁するフラットツインの大型スポーツツアラー「R1300RS」に試乗。巨大なボクサーエンジンと安定志向の足まわりの調律は、大人のライダーが週末を楽しむためのバイクとして、完璧な仕上がりをみせていた。 -
NEW
トヨタGRカローラRZ(4WD/8AT)【試乗記】
2026.7.1試乗記GAZOO Racingの手になる「トヨタGRカローラ」が、一部改良でさらに進化。強化されたボディー剛性にサウンドコントロールシステムの追加など、従来モデルからの変更点をおさらいしつつ、硬派で辛口なその走りをリポートする。 -
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD/7AT)【試乗記】
2026.6.30試乗記アウディのコンパクトSUV「Q3」がフルモデルチェンジ。新しくなったのはすっかり押し出しの強くなったフロントマスクだけでなく、内装もすべて新設計。インフォテインメントや灯火類などにも最新のシステムを採用した意欲作だ。「スポーツバック」の4WDモデルの仕上がりをリポートする。








































