VW、「フェートン」をマイナーチェンジ
2010.06.08 自動車ニュースフォルクスワーゲンのフラッグシップ「フェートン」がマイナーチェンジ
独フォルクスワーゲンは、同社のフラッグシップモデルである「フェートン」をマイナーチェンジし、その詳細を明らかにした。
■中国市場に活路を見いだす
ドイツ・ドレスデンの"ガラス張りの工場"でつくられるフォルクスワーゲンの高級車が「フェートン」だ。同社のフラッグシップモデルとして、高級車市場に打って出たのが2002年のこと。"スチールボディ版のアウディA8"ともいえる内容を誇っているものの、「メルセデス・ベンツSクラス」、「BMW7シリーズ」、「アウディA8」などのライバルには歯が立たず、そのまま撤退かと思われた。しかし、中国市場での人気の高まりに後押しされてモデルは存続。マイナーチェンジを受けたフェートンが2010年4月の北京モーターショーで初披露されたのも、中国市場を重要視しているからに他ならない。
新しいフェートンは、旧型とほぼ同じ5060mm(ロングホイールベース版は5180mm)の全長やプロポーションを持つ一方、フロントマスクは水平基調の最新フェイスを採用して新鮮さをアピールしている。ヘッドライトに内蔵されたLEDのターンシグナルとコーナリングライト、そしてリアのLEDテールライトなども、旧型との違いを明確にしている。
パワートレインは、ガソリンが3.6リッターV6(280ps)、4.2リッターV8(335ps)、6リッターW12(450ps)の3タイプ。一方のディーゼルは3リッターV6(240ps)。全車、フルタイム4WDの"4MOTION"を採用。トランスミッションはW12モデルが5AT、それ以外は6ATを搭載する。
新しい装備としては、対向車の有無によりヘッドライトの配光を変化させるダイナミックライトアシストをはじめ、サイドアシスト(車線変更時の事故防止機能)、道路標識を読み取り、インストゥルメントパネルに制限速度や追い越し禁止などの情報を表示する機能などが挙げられる。
とはいうものの、内容を見るかぎりは、ヨーロッパ市場を見据えた本格的なマイナーチェンジというにはほど遠く、この先、中国市場に活路を見いだすためのフェイスリフト、という意味合いが強いようだ。
(文=生方聡)