「日産フーガ」、2代目はセクシー&セーフティ
2009.11.19 自動車ニュース「日産フーガ」、2代目はセクシー&セーフティ
日産自動車は2009年11月19日、高級セダン「フーガ」の新型を発表。同日に発売した。
■コンセプトは「走・美・快」
「セドリック/グロリア」の後継車種として、2004年10月にデビューした日産の高級セダン「フーガ」が、2代目にバトンタッチした。
新型は、同社が“セダンの本質的な魅力”とする「走・美・快」をコンセプトに、フラッグシップにふさわしいクルマとして開発された。すなわち、「スカイライン」シリーズで定評あるV6エンジンや新開発の足まわりで走りのよさを追求。内外装のデザインにも磨きをかけ、最新の安全装置や快適装備で脇を固めた。
ラインナップは、エンジンの排気量別に、2.5リッターモデルと3.7リッターモデルの2種類で、後者には、スポーティグレードの「タイプS」や高級志向を強めた「VIP」などが用意される。
価格は399万円から550万2000円までで、月間の目標販売台数は800台。なお、2010年秋には、3.5リッターV6ガソリンエンジンにモーターを組み合わせるハイブリッドモデルの投入も予定されている。
■美しい獣のように
新型フーガでまず目を引くのは、流麗なエクステリアだ。スカイラインのものに手を加えたプラットフォームを土台とし、「勢(いきおい)」と「艶(つや)」をキーワードにデザインしたというボディのサイズは、全長×全幅×全高=4945×1845×1500mmで、ホイールベースが2900mm(250GT/370GTほか)。
見た目にこだわったのは先代と同じだが、「ひょっこり腰高」「ハバが狭い」といった評価を覆すべく、全高を10mm下げ全幅を40mm拡大した。さらにAピラーを50mm後退させてロングノーズ化し、フロントまわりやフェンダーラインを中心に、面の凹凸を強調。セクシーでありながら、「後輪にしっかりと重心を乗せた、FR車らしい踏ん張り感のあるプロポーション」を表現した。
質感を追求したという居住空間も、ヒトの指先の感覚にまで研究開発の手を広げ、パーツ類の表面処理などに反映させた自信作。素材のよさに留まらず、実際にさわり心地のいいインテリアを目指した。アナログ時計やスイッチ類も、低価格モデルとは異なるパーツを新設計し、高級車としての差別化を図った。
なかでも、「プレミアムインテリアパッケージ」では、蒔絵の伝統技法をヒントにヤマハと共同開発した、銀粉を刷り込ませた本木目パネルや、柔らかさが自慢のプレミアムセミアニリン本革を採用。テーラーメイドのように感じられる質感が得られたという。
■足腰もしっかり
そんな新型「フーガ」の心臓は、2種類のV6エンジン。すでに「スカイライン」シリーズでおなじみの3.7リッター「VQ37VHR」ユニット(333ps/7000rpm、37.0kgm/5200rpm)と、2.5リッター「VQ25HR」ユニット(225ps/6400rpm、26.3kgm/4800rpm)だ。前者は先代の3.5リッターユニットより20ps上乗せされたパワーがウリ。後者は、11.2km/リッターから12.2km/リッターへと向上した燃費のよさで顧客にアピールする。
組み合わされるトランスミッションは、一気に2段増しの7段AT。駆動方式はFRを基本に、4WDモデルも用意される(3.7リッターモデルのみ)。
足まわりは先代モデルと同様、フロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。オイル流路にふたつのピストンをもつ新開発のサスペンションが採用され、より幅広い路面状況に対応、乗り心地が向上したという。スポーティグレードの「タイプS」は、サスペンション特性が異なるだけでなく、ノーマルより2インチ大きな20インチアルミホイールやアルミ製のディスクキャリパーやフロント355mm、リア350mmの大径ディスクローターが奢られる。
■安全にリフレッシュ
いざというときの安全面も抜かりない。たとえば、高級車ではおなじみとなった、インテリジェントクルーズコントロールや、車線逸脱防止支援システム(LDP)。カーナビからのカーブ情報を検証し、必要に応じてアクセルペダルを押し戻すことでドライバーの減速操作をサポートする「インテリジェントペダル」や、車両の挙動を安定させるVDCシステムを利用して安定感のあるコーナリングを実現する「コーナリングスタビリティーアシスト」などは、注目の新機能だ。
個々のクルマと交通情報を共有し、見通しの悪い交差点などでの安全性を高める運転支援システムや、小学校付近における安全運転ガイドなども備え、「ぶつからないクルマ」を目指したという。
そんな先進の安全性能に守られるキャビンは、シャープのプラズマクラスターイオンや、ゆらぎの風で、“森の空気”に満たされる(「フォレストエアコン」)。「疲れにくい」のではない、「乗るとリフレッシュでき、元気になるクルマ」をめざしたというあたり、快の字をコンセプトに掲げるセダンの面目躍如だ。
(webCG 関)
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