トヨタ75周年の企画展「TOYOTA 75」開催
2012.10.22 自動車ニューストヨタ75周年の企画展「TOYOTA 75」開催
1937年にトヨタ自動車工業株式会社が創立されてから、今年で75年。愛知県長久手市のトヨタ博物館で、75周年を祝う特別企画展「TOYOTA 75」が、2012年10月20日に幕を開けた。一般公開に先立ち、19日にはメディア向けの開会式が行われた。
■“初めて”の多い企画展
この企画展は、トヨタ自動車が設立された1937年を起点に、日本の自動車産業とモータリゼーションの変遷をトヨタ車75年の歩みから振り返るというものである。
普段はトヨタ車を含む日本車を展示している本館3階フロアに、約50台の歴代トヨタ車の実車と、同じく約50台のスケールモデルを展示。ワンフロアをトヨタ車のみで占めるのは、トヨタ博物館開館以来初めてのことという。また、開催期間も通常の企画展が約3カ月であるのに対し、2013年4月14日までの約半年という、これまた初の試みであるロングランとなる。
過去最大規模のトヨタ車の歴史展示となる記念すべき特別企画展とあって、主催者であるトヨタから豊田章一郎名誉会長、早川茂専務、杉浦孝彦トヨタ博物館館長ら、そして来賓として長久手市長の吉田一平氏、『CAR GRAPHIC』名誉編集長の小林彰太郎氏らが出席して開会式が実施された。式次第は主催者および来賓のあいさつの後にテープカット、続いてトヨタ自動車工業の設立前、豊田自動織機製作所自動車部時代に作られた初の生産型乗用車である「トヨダAA型乗用車」に始まる企画展示の内覧会、そして本館前エントランスにてAA型乗用車の走行披露であった。
取材に訪れたメディア関係者の注目を集めたのは、豊田章一郎名誉会長。創業者である豊田喜一郎氏の長男で、現社長の豊田章男氏の父君であり、1982年にそれまで製販が別会社だったトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売を統合して誕生したトヨタ自動車の初代社長に就任し、92年まで務めた。以後も代表取締役会長、経団連会長などを歴任しているが、トヨタ博物館は彼が社長だった89年に開館している。
その章一郎名誉会長、「最初に“トヨペット”という名を聞いて、なんだか“トイレット”に響きが似ていると思ったが、おかげさまで現在まで販売店の名称として親しまれている」などと、時に来場者の笑いを誘いながらあいさつ。「昔の記憶は薄れてくるもので、展示を見て存在を思い出したクルマもあった。これからもいいクルマを作っていきたい」と締めくくった。
ちなみに今も販売店名として存在する「トヨペット」は、戦後初のトヨタ乗用車として47年に登場したSA型のデビューに際してペットネームを公募し、採用されたものである。以来「トヨペット・クラウン」をはじめ、70年代後半まで一部の小型車に使われていた。
章一郎会長は1925年生まれというから、今年で満87歳。けっこうなお年だが、はた目にはまだ70代かと思われるほどお元気で、内覧会では多くの記者の囲み取材を受けながら会場内をゆっくりと一周。その姿からは“ご隠居さん”という雰囲気ではなく、現役感が伝わってきた。
繰り返すが特別企画展「TOYOTA 75」の会期は2013年4月14日まで。会期中には元『SUPER CG』編集長、現在は自動車史研究家の高島鎮雄氏の講演や、ホンダやオペルで腕を奮ったカーデザイナーの青戸務氏によるトークショーなどのスペシャルイベントも行われる。詳しくはトヨタ博物館のオフィシャルページ(http://www.toyota.co.jp/Museum/)まで。
(文と写真=沼田 亨)
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