新しいロールス・ロイス「ゴースト」、日本デビュー
2009.10.01 自動車ニュース新しいロールス・ロイス「ゴースト」、日本デビュー
ロールス・ロイス・モーター・カーズは2009年10月1日、新型車「ロールス・ロイス ゴースト」を日本に導入すると発表。同日から受注を開始した。
■ややドライバー向け
「ロールス・ロイス ゴースト」は、2009年3月のジュネーブショーでお披露目されたコンセプトカー「200EX」の市販バージョンだ。9月のフランクフルトショーで正式デビューを飾るや、ここ日本でも販売が始まった。
モデルとしての位置づけは、既存の「ファントム」シリーズを下支えする、“ベビー・ロールス”。ややコンパクトなボディと、しかし変わらずパワフルな12気筒エンジンの組み合わせで、比較的ドライバー志向の強いモデルとされる。
オーダーは受注生産のみで、価格は2900.0万円。プライスレンジが5000万円前後のロールス・ロイスファミリーにあっては、プライスタグもややコンパクトでドライバーに優しい内容となっている。日本での年間販売台数は約100台と予想され、来春からデリバリーが始まる見通しだ。
■伝統に革新のトッピング
小さなロールスとはいうものの、ゴーストの体躯は、全長×全幅×全高=5399×1948×1550mmの特大サイズ。3295mmのホイールベースは、「レクサスLS」のロングバージョンより、さらに200mm以上も長い。
高く長いボンネットやなだらかに落ちるリアまわりなどがもたらす、ロールス伝統のシルエットはそのままに、象徴たる“パルテノン神殿型グリル”にジェット機のエアインテークのイメージを添えるなど、現代的なアプローチも垣間見ることができる。
いっぽうのインテリアもまた、伝統と革新が同居する。
高級なレザーとウッドはいわずもがな、各種クロームのパーツ類や毛足の長いカーペットが乗員を包み込む。フロントドアには傘を内蔵。カーナビや最新型のカーオーディオなども備わるが、必要でない時には液晶ディスプレイがウッドパネルに隠されるなど、ロールスらしい落ち着いた設えとなっている。
ドアを前開きにして乗り込む後席は、高めのショルダーラインとCピラーが織り成す包まれ感がセリングポイント。左右の乗員が向かい合いやすいよう、また前方がよく見えるよう、角度や高さも熟慮されているという。
さらに後席の住人が望むなら、マッサージ機能やベンチレーション機能(インディビジュアルラウンジシート)を追加することも可能。前席の背面にピクニックテーブルやモニターを据える(シアターコンフィギュレーション)も自由。さまざまな追加メニューが用意される。
■パワーも足も、妥協なし
オプションでシルバーサテン仕上げが施せるボンネットの下には、御殿を引っ張る新開発6.6リッターV12ツインターボエンジンが収まる。最高出力は、スーパーカー並みの570ps/5250rpm。1500rpmの低回転で79.5kgmの最大トルクを発生する。2360kgの重量級ボディでありながら、4.9秒で0-100km/h加速をこなし、そのままリミッターが作動する最高速度250km/hへと、パセンジャーをいざなう。
組み合わされるトランスミッションは、ZF社製の8段ATで、駆動方式はFR。エアサスペンションを備える足まわりは、フロント=ダブルウィッシュボーン、リア=マルチリンク式で、ダンパーの緻密な電子制御と相まって快適な乗り心地を約束する。
■安全性能はハイテクで
ドライバーにとっても、ロービームとハイビームの切り替えを自動で行うシステムや、クルーズコントロール、ヘッドアップディスプレイなど、嬉しい装備が並ぶ。カーブの進入速度から安全性と快適性を判断し、自動的にスピードを抑える「カーブ速度リミッター」も高級サルーンならでは。
さらに、多くのカメラを利用したパーキングアシストやナイトビジョン、車線逸脱警告システムなどなど、いざというときには、多くのラクシャリーカーでおなじみの、極めて現代的なメンバーがドライブをサポートする。
(webCG 関)